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5年のあいだに

雪が降った
年に1度か2度降る地域に
ゆきがふった
花柄の靴跡
太陽に飛び散る雪解水

ゆきどけ

そう発音するのも待たず
この夜に冷えて消えるのは
生まれなおしたきみの今日
明日にはここを発って ゆく友
師が亡き師へと もどるから。


時を戻すことはできない
衝動を裏切ることができないように

下か上
せめぎ合う界面で我々が出会うそのとき

そら一面に叫び出した光の音
時に映るその姿。

掴め!

それがおまえの
これがわたしのパイプオルガンなのだ






宮沢賢治



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