Prologue 1 国の南 2023年5月20日 17:12 以下に続く文章は存命のある人が読んでいたらしい本の一節です。SNSを通した曖昧な出会いでしたが、私の思春期を支えた文章でした。検索を掛けても著作元に辿り着けず、引用元を書けません。ご容赦ください。2024.05.15 02:49 国の南あなたはそのとき、実は思っていた、これは恥ずべき行為だと。相手の人間性を、逃げ道も守る手段もなく貶める行為。でも、あなたが口にできたのは「先輩、この人の服、汚れちゃいましたよ」それだけだった。何年も経ってからあなたは気がついた。あれが、他人を締め出して、自分たちはなにひとつ変化しないことを望む、単なる集団的自己防衛のメカニズムに過ぎなかったことを。だがそれは未来のことだ。今わたしたちは、未来を使って、過去を語っている。成熟を利用して、無垢について語っている。わたしたちの語る声は十分に成長している。人生の道のりで廃れ、死んでいったものごとを深く理解するほどには、長く生きている。カオシン)ここに来る前にぼくの先生だった人なんだ。シンプルで、流行に流されない思考のもちぬしだ。ラックチャオ)だけど、流行に乗ってしまっている。あなたもさ、流行に乗って、ホモなんじゃないの。カオシン)きみはどうなんだ、ラックチャオ。経験のある人間はさ。ラックチャオ)性別はそんなに大事じゃないと思う。わたしはただ抱いて、抱かれるのが好き。カオシン)きみの選んだ人とね。それは誰でもいいってわけじゃないんだろ?ラックチャオ)あなたのそういうところ。反駁し続けて、世界中のあらゆるものに疑問を投げかけ、自分の感情をほじる。カオシン)そういうところが、何?ラックチャオ)時計を分解するのは好きだけど、好きで得意なのは分解することだけで、自分で時計を作ることはできない人間みたい。もしうちの学部が芸術理論の専攻を作ったら、あなたは絶対にトップの学生になるね。カオシン)けど、どんな芸術的作業にも、その基礎として思考は必要なんじゃないのか。思考が先導して、創作の方向性を維持してくれる。目をつむって、感情のままに歩いていく。目を開けたら、見たこともない場所に立っている。歩くのに使った感情は、慣れと熟練でしかないのに。目を閉じたときのイメージの通り道を、きみはまっすぐなものだと信じている。もしかすると、円を描いてぐるぐる歩いているかもしれないのに。ラックチャオ)理論専攻に入学しなって。不明 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する 1