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製薬企業で薬価に関する仕事をしています。専門紙から気になる記事、中医協公表資料などから…

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製薬企業で薬価に関する仕事をしています。専門紙から気になる記事、中医協公表資料などから大事なところを記録して雑感*をつぶやきたいと思います。薬価なんてなんぼあってもいいですからね *雑感はあくまで個人のものであり、所属企業とは一切関係がございません

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    専門紙から気になる記事をクリップしていきたいと思います。そして雑感をつれづれにつぶやきます

  • 中医協等資料のまとめ

    中医協の薬価に関する資料を中心にアーカイブしていきます

最近の記事

安定確保医薬品、リスト増加へ 厚労省が作業開始、各学会が候補品目提示(日刊薬業20241022)

今回もリスト案を各学会が取りまとめられる感じですね。選定にあたって、以下の4要件が考慮されるということも非常に興味深い。基本新薬はスコープ外な感じがしますけどそれでいいのかしら。  イ)対象疾患の重篤性    ロ)代替薬・代替療法の有無  ハ)多くの患者が服用(使用)していること    ニ)製造の状況・サプライチェーン 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第17回)資料 ↑ 昨日の資料、後発医薬品企業はもちろんのこと、先発屋さんも目を通されておいて損はないかと。J

    • 条件期限付承認、保険外しは「制度が死ぬ」FIRM・加納委員長 再生医療サポートする施策必要、「財布はひとつか」(RISFAX20241015)

      ほんそれな。超高額薬剤を本承認前に保険外併用療養費制度で運用するなんていったい誰がアクセスできるんや。アプリ仮承認と同じ考え方で、と主張した委員は、難病患者さんの生の声を聞かれたことはあるのだろうか。 ここでアクセスを担保するために考えられる施策として記事中にあるような”民間保険の活用”は一つの選択肢。ただ、ハイリスクな方だけが入る保険って成り立つのか。やはり英国の”Cancer Drug Fund的な疾病基金”にお金をプールするやり方が最適ではないかと先日も仲間内で語った

      • 薬価改定、過半数が「阻害要因ではない」米国経営者調査 欧米より高い「予見性」が強み、創薬力は厳しい評価に(RISFAX2024.10.10.)

        なるほ。A木さんか、、、直近のPhRMAの業界意見陳述を見ても別に毎年改定に大きくクローズアップしているわけでもなさそうですけどね。今が中間年なので”目先の”課題ではあるのですが。しかし今一番世の中からクローズアップされているのはラグロス問題への取り組み。次が持続可能な社会保障制度のための保険償還範囲の在り方。そう、確かにずれている。 前々から書いているとおり、ドラッグロス品の86品目のリストがね、ググっても出てこないの。誰が隠してるの?教えて、おじいさ~~ん。 で、Ph

        • 新閣僚人事、業界から期待の声も 日薬連・宮島氏「中間年議論動く」(日刊薬業20241002)

          うん、「この先生方、必ずやってくださるよー」と期待を素直に伝えることの大切さを私もこの歳になってようやく学びましたww 新厚労相は長く業界をお支えいただいている先生ですし、国や国民、業界が抱える諸問題に真摯に向き合ってくださることでしょう。 石破内閣の基本方針は「全ての人に安心と安全をもたらす社会を実現する」 このキーワードを意識しながら仕事をしていきたいと思います。

        安定確保医薬品、リスト増加へ 厚労省が作業開始、各学会が候補品目提示(日刊薬業20241022)

        • 条件期限付承認、保険外しは「制度が死ぬ」FIRM・加納委員長 再生医療サポートする施策必要、「財布はひとつか」(RISFAX20241015)

        • 薬価改定、過半数が「阻害要因ではない」米国経営者調査 欧米より高い「予見性」が強み、創薬力は厳しい評価に(RISFAX2024.10.10.)

        • 新閣僚人事、業界から期待の声も 日薬連・宮島氏「中間年議論動く」(日刊薬業20241002)

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        • 中医協等資料のまとめ
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        記事

          初のBS版ロードマップを策定 医療保険部会(日刊薬業20241001)

          おおおおお。これ、同日のRIS記事(厚労省 後発品ロードマップ改訂、BSは選定療養参考に「保険給付」検討)と完全に連動してますやん。ほんで社保審・医療保険部会の資料がこちらです。 今日から運用が始まった後発医薬品の保険外併用療養費制度。アリの一穴からどんどん拡がっていくことは想像に難くなかったわけですが次のターゲットはバイオシミラー。バイオシミラー処方率が全く上がらない一番の理由として、高額療養費制度のおかげで切り替えても患者窓口負担が変わらないからとされていますが、これで

          初のBS版ロードマップを策定 医療保険部会(日刊薬業20241001)

          自民・石破新総裁誕生 医療・医薬品政策の手腕に期待の声(日刊薬業20240930)

          オトナな記事とはこういうものなのです、という内容・論調で始まっています。ズバズバかけるR紙とはまた違った楽しみ方ができます。 明日以降予想される顔ぶれとして報道があったのが、副総裁が四大臣合意を重くみられている菅さん、財務相がそのときの官房長官で厚労相経験者、厚労大臣は初入閣。まぁ、そこから空気感を嫁ってなりますわな。金曜日~今朝にかけての銀行、証券、製薬、このへんの株価推移をみると世の中の反応というのがよくわかりますw  石破新総裁の素晴らしいところといえば強い信念だと

          自民・石破新総裁誕生 医療・医薬品政策の手腕に期待の声(日刊薬業20240930)

          抗がん剤や小児薬、GE置き換え加速か  選定療養で本紙調査、一部供給リスクも(日刊薬業20240930)

          いよいよ明日から新しい選定療養制度のもと、患者自己負担が拡大します。見出しにある通り、高額薬剤と小児の処方箋で置換えの進みにくかったところに影響しそうです。「新たな供給リスク発生→追加負担免除」なんて記事が出てくる日もそう遠くなかろう・・・解熱剤とか抗生剤とかこれから冬に向かっていくからGE業界の奮起に期待。

          抗がん剤や小児薬、GE置き換え加速か  選定療養で本紙調査、一部供給リスクも(日刊薬業20240930)

          【中医協】業界の行動変容を明らかに  長島委員「議論が進まない」(日刊薬業20240925)

          やはり「また怒られてやんのww」的な回でしたか。問題点は「事例がすぐにポンポン出てくるわけではない」「開発動向が競合に筒抜けになるのを経営者が嫌がる」などでしょうか。機構や審査管理課あたりが小児・オーファンへの相談件数の変化とか提示してくれたらよかったんですけど追加の専用窓口も立ち上がったばかりですしね。 「意識調査結果」にはいい加減飽きられているわけですから業界にももう少し知恵を絞っていただきたいものです。ラグロスリストが未承認薬検討会議の開発要請品リストみたいにオープン

          【中医協】業界の行動変容を明らかに  長島委員「議論が進まない」(日刊薬業20240925)

          中医協・薬価専門部会「令和7年度薬価制度改革について」2024.09.25

          本日、中医協・薬価専門部会が開催され、令和7年度薬価制度改革についての議論が本格的にはじまっています。そもそも来年は通常改定はざまの中間年にあたり、本来は薬価ルールの変更はない年です。ただ、令和6年度の附帯事項や骨太2024の決議を元にした議論を令和8年改定も見据えて始まっている感じでしょうか。 本日のアジェンダは「イノベーション評価の薬価ルール改定の結果検証」「ドラッグロス品目(開発未着手品)に対する国主導の開発要請・公募の仕組み導入」「市場拡大再算定対象品目の薬理作用類似

          中医協・薬価専門部会「令和7年度薬価制度改革について」2024.09.25

          簡素化による薬価削除、最速で26年3月末 厚労省産情課、日薬連説明会で (日刊薬業20240910)

          ん-、記事の内容と私の聞いた範囲での理解が少し異なるので一応。こんなの過去に手続きやった人にしかうまくイメージできないわな。 近年削除手続き関連で(医療現場同様に)ご苦労された方も多いと思いますが、この手続き簡略化で今後薬価削除はドライに処理されていく一方で、その反動として逆に学会了承はいただけにくくなるのではないかと想像。同日の選定療養に対する都薬の先生の苦言記事(LINK)と同様に、現場へのしわ寄せもきっと出てくることでしょう。難しい問題です。。。 <小職の理解> 

          簡素化による薬価削除、最速で26年3月末 厚労省産情課、日薬連説明会で (日刊薬業20240910)

          外国企業の英語申請資料を容認 医薬品審査管理課、ラグ・ロス対策で   (日刊薬業20240909)

          ついにきましたか、という印象です。まぁ、今や賢いAIが翻訳してくれますしね・・・ で、この需要がすぐに生まれるかというと、機構相談とか日本語でしかダメってなったら結局使われないのでは、と思ってしまいます。 通訳介して、さらにレギュレーションの厳しい日本の審査を乗り越えに来てくれるといいですねー(乾いた笑) 当面はエージェント同席で新たな需要が生まれる感じか。そのあと薬価交渉もあるんでなwww ただ、ラグロス解消に向けて非常に大きな一歩のように思います。

          外国企業の英語申請資料を容認 医薬品審査管理課、ラグ・ロス対策で   (日刊薬業20240909)

          25年度改定、対象品目拡大も視野に  大来主計官、新創加算の累積額控除にも照準(日刊薬業20240905)

          毎度おなじみの主計局主計官(厚生労働担当)へのインタビュー記事。 私どもは薬屋の観点で拝読してしまいがちですが、国民患者の一人として読むとまた違った感想を持つことができます。 ”その昔”骨太で合意されたのは「国民患者負担の軽減」なんですが、アリの一穴でどんどん拡がろうとしている保険外併用療養制度は完全に患者自己負担の拡大で、なんかおかしくね?と言いたくもなる。今回は彼らのほうも物事の一面しか見ていないのではないかと思うときがあります。保険料の引下げとセットで提言してくれる

          25年度改定、対象品目拡大も視野に  大来主計官、新創加算の累積額控除にも照準(日刊薬業20240905)

          安定供給、製薬企業の責務へ  厚労省のたたき台に3つの観点(日刊薬業20240903)

          おや、「安定供給は製薬企業の責務」って20うん年前に読んだMRテキストⅢにも書いてあった気がしたけど、、、とおもって記事を読んだら、これに法的根拠や法的義務を負わせる方向で検討するんですね。また違反したら罰則とか指導とかそういう方向になっていくのか…。やることちゃんとやっていないとこういうオカミのご指導が入っちゃいますよね…。学校の校則みたいw 安定供給責任者とかまた新しいポジション創設の流れ。サプライチェーンの皆さまの存在が今まで以上に重要視されるのはいいことか。 昨日

          安定供給、製薬企業の責務へ  厚労省のたたき台に3つの観点(日刊薬業20240903)

          公的医療保険の対象範囲「現在のまま」最多 厚労省国民調査、予防など「範囲拡大」は24.8%(日刊薬業2024.8.28)

           なかなか興味深い調査結果が記事になっていました。そしてその当局公表の資料がこちらのp.9に。  消費税増税には多くが反対する国民が、公的医療保険の対象範囲を「現在のまま」が62.1%、「さらに範囲拡大」が24.8%、「縮小すべき」が7.3%ですって、mjsk。税金は天から降ってわいてくるものと思っているのか、それとも質問の仕方が問題あるのか。一応、「さらに範囲拡大」には「税や社会保険料の負担が増加しても」と枕詞がついています。そして年齢階級別にみてもその傾向は高齢者に多い

          公的医療保険の対象範囲「現在のまま」最多 厚労省国民調査、予防など「範囲拡大」は24.8%(日刊薬業2024.8.28)

          総裁の覚悟、高齢者負担が問う 医療費「仕送り」15年で2倍:日本経済新聞20240827

          総裁の覚悟、高齢者負担が問う 医療費「仕送り」15年で2倍:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA197ER0Z10C24A8000000/ 一昔前には日経でこんな論調の記事書いてくださるなんて夢にも思わなかった。シルバーデモクラシーへの批判も市中からはほとんど表立って聞こえてこない。これだけ貧困が世に潜んでいるのになぜ叫ばないのでしょう。 私は社会保障制度の在り方への国民的議論を逃げないでもっとやらないとならないと思

          総裁の覚悟、高齢者負担が問う 医療費「仕送り」15年で2倍:日本経済新聞20240827

          後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養についての啓発ポスター

          中医協にて委員から事務局に求めのあった啓発ポスターが公表されたと日刊薬業に載っていたので探してみたらこんなページでした。疑義解釈も下方に載っており、今後はワンストップで確認が可能です。便利。 どれくらいの方がこのページにたどり着けているのかはわかりませんがw 4分の1の追加負担がなにをきっかけに2分の1~全額へと拡充されていくのか。「患者国民の理解」なのか「MoFからの追加圧力」なのか、スジのいいロジックとは何かを考えるうえで勉強になります。 日刊薬業20240826

          後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養についての啓発ポスター