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秋がくる

夏と秋のグラデーションのような
日ざしも蜻蛉も透きとおってくる
どこかさみしくも愛おしい季節、秋。
そんな気候にぴったりのアニメを観たのだ…!

残響のテロル


「この世界に、引き金をひけ。」
という
キャッチコピーの通り作品の意志が強く感じられた
切なく力強い作品でした。
《残響》とは…
ふたりの祈りが言霊となりこだますることだろう

物語は、5歳の頃人体実験された高校生ふたりが
テロリストとなり犯罪を起こすことで注目を浴び 
"真実"を白日のもとに晒す、というもの

スピンクス神話からの謎掛けが凝っていて、純粋に面白かったな〜 爆破に至る描写なども詳しくてリアリティがあるのに解りやすかった!
学校のプールや廃ビルなど、夏独特の気だるい描写も堪らないのです… 印象的だったのは、回想の多かったフラッシュバックやプルトニウムの爆発シーン
打ち上げ花火のような瞬間は儚くも力強く美しい…
まるでこのアニメーションの縮図のようでした。

そしてなんといっても!
わたしは斉藤壮馬の《道化師を演じる天才》のような演技が大大大好きなのだ!!
道化師と言っても、ツエルブは一話からとにかく他人に優しい。それ故に弱さも混在するシーンがあるが、大切な場面で諦めないところが格好いい。
『大丈夫、落ち着いて。絶対やれるから』
『もう何も謝らなくていい。
 いいんだ…リサのせいじゃない』
最高ですね… 科白の美しさが際立つ……
(このSEを抱いて寝たい)
主人公級の眩しさに救われたシーンだった

悲しいことに(多分いろいろな瑕疵により)、
キャラクターのバックボーンは十分ではなかったが
きっと憶測が広がるほどメッセージ性も強くなる。
そもそもふたりは人体実験から抜け出して心が傷だらけのはずなのに、一話からプールに飛び込む。
少なくとも、10数年 成し遂げる目標があったとはいえ 生きる為にはきっと相当苦労があったはずなのに、この物語の2人には一切自分本意さがない。
だからこそ復讐ではなく救済が色濃く感じられる。
二度とこの惨劇が起こさせないという強い気持ち
なんて気高いの……
ただその為に犠牲がでるジレンマに、ツエルブは人一倍葛藤してたのかもな
(欲を言えば推しの苦しそうなシーンがもっと観たかったです。)

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