【随筆】樋口師匠が全然実在する件
そうか、おれも大学9年目か。
森見登美彦の小説に登場する樋口師匠という登場人物がいる。スターシステムが採用されており、さまざまな作品で横断的に登場する男である。
設定上、京大の大学8回生ということで、おそらく26歳くらいの学部生だろう。
樋口師匠は主人公たちを弟子に取り、さまざまな意味のわからんことをしていく男である。何考えてるかわからず謎も深い。
2023年現在、どの学部でも8回生まで在籍することはできないはずだ。しかし、国公立大学の場合、特に修士や博士まで進む人の割合が多いので、4年を超えて在籍している人物もまあいる。
大学卒業後、修士課程に進む人は内向的な人が多いので普通は研究一筋になっていくものだが、元気がありあまる人間がいる。それが樋口師匠だ。
こいつらはだいたい大学7年目くらいからしっかり仙人のようになっていく。ふつう学士 + 修士を含めて6年で修了するのだ。博士に行くだとか、留年するだとかしていくやつは多少頭のネジは外れている。
樋口師匠は大学の遊び方というものを完全に知り尽くしている。普通は4年在籍する大学だが、4年というのはチュートリアルにすぎない。ここからはじまっていくのだ。
人のあつめかた、何で遊ぶのが楽しいかという知識、トラブルの解決…
遊び方を知り尽くしているが故に、7つも8つも下の学部生を集めてイベントサークルやったりする。実際、ノウハウが蓄積されているので比較的うまく回っている印象だ。
年の功があるので、鶴の一声が通りやすいというのもあるかもしれない。
とはいえ、やはりネジが狂っていることに間違いはなく、なんだかよくわからない。生き方に哲学があるようでないようだ。人生楽しそうで楽しくなさそうだ。
そんな人間が、今数えてみただけで4~5人は思い浮かぶ。まあ、みんな面白い人たちだ。
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