numb
すべてのしらないふり
読者でいたかった
画面の隔たりがある
人間と気付かないような
人間と思わないような
月の盤面を愛しいと思う
扉の向こう側の未知
今日は雨だよと言われても空は晴れていた
生徒でいたかった
知識の隔たりがある
存在の有無も証明できない
存在を怯えるような
眩しさを愛しいと思う
白を浮かすものは宇宙ではない
電車で3駅は何億光年の距離だ
信じていたかった
なにもしらないことを
ひとごろしの愛情
性欲と死への躊躇いは似ている
月の満ち干き
血を薄めても愛に成ることはない