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2018年10月の記事一覧
敢えて見逃したその余白に組み込んだ時間と、その遺体
どうしようもなくなって、愛しい彼女の優しさを見殺しにした。大きな声は周りを白く縁取られて、そのまま遠くまでとんでいった。彼女は悲しいふりをして、それでその場所を離れようとはしなかった。きっと無駄に死にゆくものを、またつくったところで、誰も癒されないのだ。僕はそんなものに癒されないし、縋らない。もう、なにが意地なのかわからなくなっていた。
コンクリートの床の所々に金属がはまっている。点々と凹凸が足