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遠い昔の感情が佇むのは
きょうこそは立ち上がろう
きょうこそは外に出よう
きょうこそはあの人に挨拶をしよう
腕に刻まれた線の数だけ、そうやって固く決意をした。
じんわりと痛みが降りかかってきては、わたしのことを責める。
いたい、いたいよ。
いたいのはどこなのか、それはわたしにはわからなかった。
きょうこそは
あしたこそは
あさってこそは
そうやって何回も何回も決意を繰り返す。
がんばれ、がんばれ、がんば
褪せた花束は壁を伝い地に落ちる
手首の傷跡に、花を添えた。
それはまるで、魔法のようだったんだ。
壁一面に棲みついた褪せた色の花束が、わたしにはなしかける。
「おはよう」
「もうひるだよ」
「おきなくていいの?」
いまおきるよ。
目でモノを言うかのごとく、わたしはぱちりと目を3回瞑った。
それに反応するように窓から迷い込んできた風に、花弁がそよそよと揺れ動く。
きょうも、いちにちがはじまってしまった。
ベッドの