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図面の引出線の美観について

知財系アドベントカレンダー2021に参加中の、特許業務法人IPX、弁理士の奥村光平と申します。

私自身は、特許の権利化業務を生業としていて、特許出願に必要な書類を作成しています。もっとも最近は自分で作成することよりも、人材育成や所内のシステム構築の方が仕事としては多いですが・・・。

特許出願で作成すべき書類は、願書・明細書・特許請求の範囲・図面・要約書です。明細書を人に見てもらう(事務所の上司でもいいし、納品先のお客様でもいい)としたら、その人はどこに注目するでしょうか?

もちろん実質的な内容が重要なのは当然でしょうが、実は見た目のインパクト(なんかいい感じだなぁと思ってくれる要素)ってのも、かなり与えられる印象が変わるのではないかと思っています。

(ちょっとだけ宣伝)我々特許業務法人IPXでは、内容はもちろんのこと、見た目も意識した書類作りを心がけています。下記の如く、メンバ全員で取り組んでいる「カラフル明細書」は、過去にTwitter等でも紹介したのでもしかしたら知っている方もいらっしゃるかと思います。このようなカラフルな明細書を作成するためのツールも自作していて、特許も取得しています(特許第6709924号)。

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これは事務所全体で取り組んでいるような話ですが、それ以外にも私自身がこだわっているところとして、「図面の引出線」があります。

図面はそもそも全部外注だったり、所内のトレーサがすべてやってくれるという事務所も多く、図面屋さんでなければ引出線のこだわりなんて、意外と気づかないかもしれませんが、私が実践している引出線のルールを公開したいと思います。以下が本題だよ~w

1.緩やかな波を描く

山谷1つずつのスタンダードな引出線でいうと、左が良い引出線で右が良くない引出線です。

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ちなみに山谷1つずつが理想ですが、山だけのもの(▲)も状況によっては使います。特に構造系符号が多いとスペースが詰まってくるので。ただし、2山のものや、直線状のものはNGだと考えています。

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2.引出線と対象とを原則接触させる

接触していない2番めは×ですが、はみ出しているものは、場合によっては意図的に使うこともありますので▲としています。

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情報処理系等で意図的に接触させたくないときもあるので、その場合は、矢印をつけます。例えば文字表示等。これは接触させると逆に文字が見えにくくなって変になります。

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構造系で空間や穴は浮いてる感じがいやなので先端を黒塗りします(黒塗りではなく矢印でも同じこと)。ちなみに穴は、その壁面を指す流派もいますね。

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3.接触位置における引出線の接線と接触先の対象の線とのなす角を大きめ(90度に近い)にとる

これは結構意識していないとやってしまう人が多い印象です。

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でも以下のようにスペースが足りなかったらどうするの?となるでしょう。

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あくまでも引出線の接線と接触先の対象の線とのなす角が重要なので、以下のようにします。

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上記の派生系で3次元斜視図の場合は、接触面との入射角が法線に近くなるように意識するときれいです(自分で書いたもので公開されている件から一部抜粋していますが、一応公開番号とかは伏せさせてください。)。

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今日から、書く側のあなたもチェックする側のあなたも「図面の引出線の美観」を意識してみませんか?

ちなみに明日は、にょんたかさんご担当です!!


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