インク出なくて愛は掠れちゃって結局何も見えないな

街の音、社会の波、それぞれの期待と不安と、失望を避けるための希望。

こんな状況の中、前を向いて生きている人々がいる。生きているだけじゃなくて、応援したいなにかのために、愛をもって行動に移している人々がいる。

外で遊びに出かける人に怒る人、トイレットペーパーを求め毎朝ドラッグストアに並ぶ人、外に出なければお金を稼げない人、学校に行けなくなって家での暴力に怯える人、予定していた結婚式を挙げられず大金を支払った人、パートナーとの価値観のちがいに別れを考えた人、危険な場所とみなされ倒れそうなお店を守りたい人、観客のいなくなった映画館を残したい人、入社式がなくなって自宅で待機する人、帰省を求められても孤独と戦う人、愛しているからこそ、会わない人。

意識の差、感情のギャップ、ほんとうの情報とほんとうの愛。

問題が起きると正解を見つけようとする人の試合に疲れてしまう。前を向いて行動できる人がキラキラして美しく苦しい。この世界が順番に崩壊していく。その様を冷静に見守り戦える人と、他人事に自分だけになってしまう人とのギャップに苛まれ、自分はおろか、この世に平等なんてないのに調和が崩れると自我を失う。

隣の家の怒鳴り声。はじめてきいたな。

まったく関係ない他人のことで引っ張られるのに、目の前にいるものを大切にできなくなるときがある。じぶんばっかりで呆れてしまう。息が苦しい、まいにち深呼吸をしないと息を吸えなくなってしまった。

早くもと通りになればいいのに。自分はもとにもどりたくないけど。

隣の家からの怒鳴り声、鳴き声、うめき声、叫び声。みんな大丈夫になるといいな