もしかしたらきっと、もう少し自分が未熟だったら嫉妬していたかもしれない。|#00 さゆりとさとみ
さゆりと交換日記をはじめた。
さゆりは、「友だち」でもなく、「親友」でもなく、「恋人」でもなく、なんというか……「同士」?
とにかく関係性などどうでもいいけど、友だちというには我らは意識が高すぎる関係だ。
ちなみにさゆりはいつも私のことを「みんねえ」と呼ぶのにテキストでは「さとみ」と呼ぶから、私も「さゆり」にしてる。さいきん「さとみ」って呼ぶ人まわりにいないから新鮮でうれしい。
この日記はお互い、さいきんのことや考えたことを自由に書いて回すフリーダムなnoteなんだけど、いちばん初めなので彼女と作品をつくった一年前の記憶を記しておく。
一年前、自分の世界観を表現したいという彼女といっしょに、一つの動画をつくった。
自分の中にある「少女性」が近い気がすると誘ってくれた彼女に、正直私は意外性を覚えた。じぶんと彼女は絶対的になにかがちがうと思っていたから。
でも、「大人になりたくない」と嘆く彼女を見て、まだ知らない彼女を知れたし、私自身そういう自分を殺したくないんだと認めることができた。彼女がいなかったら、気づかないままだったかもしれない
私が大好きな映画の主題歌の歌詞に、「少女のまま大人になる」という歌詞がある。幼少期、思春期に手にした感覚を殺さずに、大人になるにつれて手元から離れそうになるのにしがみつきながら、でも大切に別の形にしてじぶんの中にもっておく。子どもの頃は目に見えず姿かたちもわからないこの感覚を、一歩引いて見れるようになってもわすれない。そんな感覚をもちながら生きていきたいねって約束した私たち。
さゆりは自分とは別の少女の感覚っていうけど、私の中の少女は別人格なのかなあ・・私はおとなになるにつれ、自分そのものだなっておもうようになったよ。。
そんな内なる少女性を表現するための作品づくりから、彼女へのまなざしと「女の子」という生き物を表現したいという気持ちが高まった。自分でも初めての感覚だった。
当時彼女を撮影した私はこう綴っていた。
地球
この世に生み落とされたひとりの少女が、地球という星で使命を与えられた。
限りある命を惜しむことなく、最大限の価値を体現しつづけたい。
「わたしが美しいと思うもの」。この世に存在するものに息吹を感じ、生きさせ、大切にしたいのに。なぜこんなのにも価値をぞんざいに扱うのだろうか。本質を見ず、表面だけで取り繕う空間はなんの面白味もなく、ただ"止まっている"時間なのだ。
そんな少女は、ただ絶望する諦めはなく、いつでも全力で理想を追い求める。
どんなに大切な花が捨てられようとも、どんなに服が安く量産され消費され続けようとも、少女は少女なりの価値を取り戻す希望を諦めない。
地球. 少女には、自分が美しさを感じるものに触れる瞬間、あどけなくもどこか「少女」から「女性」になる瞬間がある。
分かられなくて悔しくて地団駄を踏みそうになる少女は、価値の触れかたを学んだ。
それでも、この地球で使命を持ち続ける限りは、その美しい流れと貪欲な理想を諦めない少女心を忘れたくはないし、忘れることなどないだろう。
少女のまま大人になる
勢いで書いた。
しょぼいiPhoneと写ルンですでのぞきこんだ彼女の表情それらを見て、たった一ヶ月の作品作りを通して、この言葉がでてきた。きっと今はもうかけないと思う。(冒頭の「地球」には前後文脈がなく、彼女が地球に生きてるっていう生命をダイレクトに文字にしただけw)
撮影時間ないねって言ったのに、いちばん初めに入った喫茶店で2時間もだべった。ふと気づいたら彼女は自分の過去を話していて、悲しい内容なんだけどわたしに話してくれたこと自体が嬉しかった。
いまでも、彼女との会話はさいきんの感情やいまの課題、がんばりたいこととか、モヤモヤすることとか、愛とかについてよく語る。
いま振り返ると、動画を撮影したり、ラジオをしたり、こうやって日記をかいたりと、「自分を表現したい」と発信するのはいつも彼女のほうだ。
私はそれがだいすきで、ゴールのない時間をすごして、いまはこれやりたいね、次はあれやろうっていうのが心地良い。
でもまだまだ満足いかない。もっと彼女の価値を伝える表現をしたいと思ったりする。
だんだんこれが日記なのかわからなくなってきた(さゆりへのラブレターじゃ?)
そういえば、一年経って、さゆりは話せることばが増えた。笑
自分の感情や考えをことばにできるようになってきたんだけど、うまく言葉にできてなくてうう〜と苦しそうな顔をするあのときの彼女も好きだったりする。
ちなみにラジオを録ったりもしたけど、私もぜんぜん日本語が日本語になってなかった。私たちは感覚で話して、感覚で通じ合う。女の子のそういうところが私はだいすき。
女の子の愛を語るだけ止まらなくなりそうなのでまた今度かく。
さゆりは「諦めの悪い女の子」からはちょっと大人になった気がするけど、私が諦めたくなくて諦めたフリをしていたものを思い出させてくれたからこれは忘れない。
私も諦めないし、満足できないし、忘れないままおとなになりたい。
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2020/06/07 Satomi
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