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現代人が不足しがちな栄養素〜鉄ってなあに?〜
みなさん、こんにちは!
薬剤師のめいベジです🌿
朝晩の冷え込みが段々と強くなってきましたね。
みなさんの体は冷えていませんか?
ミネラルのひとつである鉄が不足すると体の冷えに繋がります。
みなさんの鉄は足りていますか?
今回はそんな鉄についてお話していきます!
鉄とは
鉄は、人間にとって重要なミネラルのひとつ。
鉄は多くの生体反応に関与し、特に酸素の運搬に必要なヘモグロビン(赤血球の構成成分)の一部として重要な役割を果たします。
他に鉄の役割として、
・エネルギー産生や細胞の成長に寄与(代謝反応)
・リンパ球の増殖や活性(免疫機能)
・赤血球の形成(造血作用)
などがあります。
つまり、鉄が不足することによって貧血、免疫力低下、頭痛、倦怠感など、様々な不調に繋がる可能性があります。
鉄が不足すると貧血になるイメージですが、鉄の不足によって起こる不調は貧血だけではないのです。
鉄は本来不足しにくい栄養素
鉄が不足することによって貧血になる人の割合は、20〜40歳代の女性の約65%といわれています。
こうみると鉄は不足しやすい栄養素と思われますが、そもそも人には鉄を意図的に排泄する機能がありません。
つまり、鉄が一度体内に入るとなかなか排泄されず、本来は不足しにくい栄養素とも言えます。
しかし、排泄しなければ鉄の吸収量とのバランスがとれなくなってしまうため、約1mg/日の鉄が皮膚・粘膜細胞の脱落、汗、便から排泄されています。
なぜ人は鉄不足になるのか
人が生きていく過程で、鉄の需要量や喪失量が増えることがあります。
例えば、成長期には新しい細胞がどんどん作り出されるため、鉄の需要量が増えます。
また、女性であれば月経や出産で出血量が多くなるため、鉄の喪失量が増えます。
ですが、それらによってすぐに鉄が不足することはありません。
なぜなら、鉄の一部は肝臓などで貯蔵鉄の形で貯蔵されているからです。
もし、出血などで血液中や組織に存在している鉄が不足すると、それを補うために貯蔵鉄が鉄となって放出されます。
そのため、貯蔵鉄がある限り、鉄不足による症状が顕著に現れることはありません。
しかし、貯蔵鉄まで使い切り、体内での鉄の供給源がなくなってしまったとき、だんだんと鉄不足による症状を自覚するようになるのです。
鉄が不足する原因として、以下の3つの状態が考えられます。
【鉄吸収量の低下】
・栄養バランスの悪い食事
・腸疾患や消化管術後
・体内での炎症
【鉄喪失量の増加】
・月経や出産による血液損失
・慢性の出血疾患
・肝臓の機能低下
【鉄需要量の増加】
・成長期、思春期
・妊娠、授乳
などが挙げられます。
それに対し、過度なダイエットや栄養の偏った食事によって鉄摂取量が低下し、それがさらに鉄不足を助長してしまっているのです。
鉄を利用できる体作り
鉄不足を解消するために、鉄を豊富に含む食べ物を積極的に摂ろうとする人が多いのではないかと思います。
ですが、もしかするとその鉄を摂ったつもりになっている可能性があるかもしれません。
つまり、食べた物から鉄を取り出し、体内に吸収できるよう体の環境を作ってあげることが大切です。
食事から摂った鉄は十二指腸で吸収されるのですが、そのためには鉄が体内に吸収される形になっている必要があります。
その形になるために必要なのが、胃酸です。
食事から摂った鉄が胃の中に入り胃酸に触れることによって、体内に吸収できる鉄に変化します。
その鉄が十二指腸に到達すると、そこで初めて鉄が体内に吸収されるのです。
胃酸の分泌を抑える薬を飲んでいる、手術で胃を摘出しているなどで胃酸の分泌量が低下していたり、胃酸の分泌は正常だけど働きが低下していると、鉄を吸収できる形に変えることができなくなります。
そうすると、摂った鉄は吸収されることなく体外に排泄されてしまうのです。
それってすごく効率が悪いですよね。
そのためには、摂った鉄をちゃんと吸収できるように、胃酸をしっかり働かせられるような体を作ることが必要になります。
胃酸をしっかり働かせるためには、
・体を冷やさないようにする
・ゆっくり咀嚼して食べる
などが大切になります。
その他に鉄の吸収を促進させるために、同時に摂取する食品の影響を考慮するといいかもしれません。
例えば、鉄の吸収を促進させるビタミンCを含む食品を同時に摂るようにする。
逆に、鉄の吸収を阻害するカルシウム、タンニン、フィチン酸、シュウ酸などを同時に摂らないようにする。
もしすでに鉄不足による症状が出ていて辛い場合は、一時的に薬やサプリメントに頼ることも大切です。
ですが、ずっと薬に頼り続けるのではなく、それと並行して鉄を吸収できる体作りをしていくといいと思います。
そのために今からできることは、
・しっかり咀嚼して胃酸を分泌させる
・胃酸を働かせるために体を冷やさない
・バランスのよい食事を心掛ける
・睡眠をしっかりとる
特に女性は毎月の月経に加え、妊娠や出産、授乳などで鉄が不足しやすいです。
そして、男性よりも女性の方が体に貯蔵できる鉄の量が少ないといわれているため、なおさら鉄が不足してしまう可能性が高いのです。
鉄を豊富に含む食べ物を積極的に摂ることも大切ですが、その鉄をしっかりと利用できる体作りができるよう、生活を見直してみましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました𓂃𓈒𓏸
ベジめい🌿