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five realities 〜統合〜 (10)

予定より三ヶ月遅れで
オープンの目途がたち
お店が完成していく

そんななか
下請け会社の浦社長から好意を示された
一回り以上も年上だが
奥様を亡くし
子供たちも独立して
なんの障害もない相手

法外な工事代金の要求
依頼していたのとは違うと伝えるが

大丈夫

予備費という項目もある見積書

工事完了後には
全く説明のないまま
見積書の金額が請求された

内訳を出してください

どんな手段を使ってでも
私を手に入れようとする浦社長に
内訳が出せる訳がない

二ヶ月の時間が過ぎていた

間社長の元へ
代金未納だと下請け業者が訴えた

間社長が浦社長に問いただす

私からの入金がないため
下請けに払えなかった

二人が店の準備をしている私の元へきた
 明日の定休日
 間社長の元に伺います

翌朝 
会議室で話が始まった

間社長
浦社長
そして私

パーテーションを挟むだけの事務室には
間社長の社員たちが
事の経緯を案じてくれている

三十分ほどの時が過ぎ

 最後に言いたいことはある
間社長の言葉

私はこの場に着くまでに
浦社長から金が払えなければ
奴隷になればいい
そう言われていた

 間社長や会社の皆さんには
 大変お世話になっておきながら
 こんな不義理をおこしてしまい
 本当に申し訳ない気持ちでいます
 ただ今回のことは納得がいかないんです

 浦社長にもお立場があると思いますが
 私もここで生きていくと決めた以上
私にも立場があります

もし私が浦社長の立場だったら
先ずは間社長に相談します
その上で私なら
間社長に文句を言うかもしれません
なぜ金も寄こさない客を紹介したんだと

浦社長はなぜそれをしなかったのか
しなかったのか
出来なかったのか

話はそこに尽きると思います

そして

明日には振り込みをする旨を伝えると

話が終わるや否や
浦社長はその場で話が決着したことを
会社に報告の電話をしている

間社長の社員たちが
浦社長を見る視線も感じずに

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