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five realities 〜怒涛〜 (8)

冷たい雨が降る五月の朝
唯一まどかと子供を守ってくれていた
志津がこの世を去った

事故から一か月が過ぎ
身内を頼り町を離れる女もいた

頼るあてもないまどかは
この町で暮らすしかない

まどかと目を合わせる人もいない町で

乳飲み子を抱え
働きに出られず
貯えも底をつき始め
浜に出ては貝や海藻を拾い
潮溜まりから逃げ遅れた小魚を食料に
生活をつないでいた

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