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推し活だって十人十色

あとどれくらい推しは活動を続け、私たちに夢を見させてくれるのだろう。
あとどれくらい推しのそばにいられるのだろう。
私たちの終わりはどんな形で訪れるのだろう。

そんなことがときどき気になってちょっと寂しくなる。


私は基本的に誰を推していても同担拒否になってしまう。

これはリアコになるかどうかは関係なく、やっぱり自分が好きな人が他の人に好かれているのは気に入らないという独占欲だ。
推しの素敵なところは自分だけが知っていたいし、自分だけの推しになればいいのにという思考。

推しからしてみたら大迷惑な気持ち悪いオタクだというのは重々承知しているが、元々そういう性格なんだと思う。


今の推しに出会う前にも「好きだな〜」と思って応援していた元推しが数人いる。そう、間違いなくいたのだ。
私はその元推したちに別れを告げ、今の推しに出会った。

え、なんで??????????

今の私はメンタルがズタボロになろうと必死に推しに縋っていて、こんなになっても離れられずにいるのに、過去の私は同担拒否になるほど好きだった推したちからなぜ離れられたんだろうという疑問が浮かび上がる。

だから改めて、降りた元推したちとの思い出を振り返り、降りた理由を探してみることにしたのに
・同担に執拗に嫌がらせをされた
・コロナ禍で現場に通えなくなってモチベがなくなった
・推しのブランディングと私の推し方の相性が悪いなと思った
・やっぱりそんなにタイプじゃなかった
せいぜいこんなもんだった。

でも総じて言えることは「ああ、なんかもういいや」という諦めのマインドになっていたような気がする。
必死に推しの背中を追いかけるのに疲れてしまって、自暴自棄になった結果離れるという流れ。

なんともありきたりな最後だ。


私は誰を推していてもすぐに病むし、推し活においてメンタルが安定している日なんてほとんどない。
でも、今の推し活が全く楽しくないのかと言われたらそんなこともない。

コメントを拾ってくれたり、リプに反応をくれたり、名前を呼んでくれたり、そういう些細なことだって何度経験してもやっぱり嬉しい。

私は本来 "推し" を選べる立場なはずなのに、知らず知らずの間に今の推しに首輪をつけられて長いリードで自由に遊ばされているだけなんだと気づいた。
自分からこの首輪を引きちぎる勇気と術があれば離れられるのにそれができない。悔しい。

でも今の私にとってはそれが心地良いのかもしれない。
ビジネスのための営業だろうと「離れないで」「そばにいて」という推しの言葉に夢を見ていたい。


全ての物事には表と裏がある。

ダイエットをしたら痩せて綺麗な自分になれる、でも運動も食事制限もしんどい。
勉強をしたらテストの点数が上がるし新しい知識が身に付く、でも毎日何時間も頭を使って机に向かうのはしんどい。
仕事をしたらお金がもらえて自由に娯楽ができる、でも会社の人間関係も繁忙期の残業もしんどい。

推し活もきっと同じなんだと思う。

例えば、大好きなアイドルグループのコンサートに毎度応募してもなかなかチケットが当たらない人がいたとしよう。
その人は当落が出るたび落ち込んでメンタルが弱ってしまったとしても、きっと遅かれ早かれ立ち直ってめげずに次も応募すると思う。
もう諦めて応募することをやめれば落ち込むこともメンタルがやられることもないのに、それでも応募し続けるのは大好きな推しに会いたいという強い気持ちがあるからだろう。

私も毎回配信を聴いて落ち込むくらいなら聴かなければ良いと思う。
それでも1日配信を聴かないだけで、私が知らない推しが増えることに耐えられない。
その場にいて目の前の状況に落ち込むのと、どう頑張っても取り返せない時間に落ち込むのとでは訳が違う。
大袈裟かもしれない。
でも、大好きだからその分失うものが多すぎる。


たかが趣味だと思う人もいるだろうが、趣味が何よりの生きがいだという人だっているはずだ。
十分、働く理由にも生きる理由にもなり得る。
もちろん私だって推しがいるから多少しんどくても働きたいと思うし、明日の推しを知りたいから生きようと思えている。

だから、気持ちに蓋をして無理に手放す必要なんてどこにもないのだ。


なんで他の人みたいに上手く推せないんだろう、なんで推し活の些細なことで落ち込んでこの世の終わりみたいな思考になってしまうんだろう、なんで楽しいことばかりじゃないんだろうって誰よりも自分が1番疑問に思っている。
誰だってつらいことからは逃げ出したいし自分を守りたいのは当然だ。

でも今はまだ過去の推したちのように「ああもういいや」って思えない。
それはきっと自分が納得いくまで推しを推し尽くしていないのだと思う。

もっと知りたいことがあるし、推しが大きくなった姿を隣で見てみたい。
自分は要らないオタクなんかじゃなかった、推しのことを支えられていたと自信を持って言えるようになりたい。

その日が来るまで、私はどんなにしんどくても推しからは離れないだろう。


私は穏やかに推し活を楽しんでいる人のように感情も思考も上手にやり繰りできないし、この先SNSでもリアルでもこのnoteでも「しんどい」「つらい」「降りたい」と何百回、何万回言うかはわからない。

でも、大好きな推しのそばにいたいから不器用なりにもがいている。

頭や心では整理しきれない自分の気持ちをただ殴り書きするために始めたnoteだが、私と似たような苦しみを抱えている世のオタクたちが、こいつもあーだこーだ言いながら頑張ってるし一緒に頑張ってみるか〜と思ってくれたら嬉しい。

推しを純粋に応援して楽しく穏やかに推し活ができるオタクも、拗らせてしまって苦しみながらも大好きな推しのそばにいたくて頑張るオタクも、みんな素敵だと思う。

推し活だって、十人十色だ。








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