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タイパを求めるなら今すぐ死ね、コスパが欲しいなら出家しろ
2023年、<タイパ>という言葉が大バズりした。
Youtube Shortsの影響もあってか、NewsPicks系の胡散臭いビジネス系メディアの連中が大喜びでこの<タイパ>という言葉を乱用するものだから、Instagramのアフィ垢たちもこぞって<時短>や<タイパ>系の商品や料理レシピを宣伝しまくった。
<タイパ>という言葉さえ使っておけばインプレッションが稼げるし、SEO的にも優遇される数カ月間があった。
ビジネス系インフルエンサーやアフィカスの広告に踊らされて、リュ〇ジの虚無レシピを食いながら、実生活で一切使われることのないタイムマネジメントテクニック本を買ったサラリーマン達はおそらく数十万では済まないだろう。
※話は逸れるけど、リュ〇ジの虚無レシピって、あれ普通の人間だったら不味くて食えたもんじゃなくないか?あれを喜んで食ってるのなんて、生まれてから一度もマトモな飯を食ったことのない人間ぐらいだとまで思ってしまうんだが、世間一般的にはどう受け止められてるんだろう。至高の〇〇シリーズは結構ウマいけど。
結果、めでたく?<タイパ>概念は社会現象となり、当然の流れとして、<タイパ>に対するカウンター系の本や記事が生まれた。
そもそも<タイパ>とは、ある結果を得る為にかかった時間の効率を指す言葉だ。
映画の結末という結果を得る為に早送りする、恋愛リアリティーショーの結末を早く知りたいのでネタバレを読む、ゲームは攻略動画を見てからプレイする、など。
人間はいつか必ず死ぬ。ならば、究極の<タイパ>は今すぐに死ぬことだ。
<タイパ>を求めるのなら今すぐ死ななければうそだと思う。
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<タイパ>と似た言葉に、<コスパ>がある。
こちらは随分前から一般的だった言葉だが、主にユニクロ、GU、無印良品、ハトムギ化粧水、TIRTIRのバカデカいファンデーション、宅飲み、カーシェアなどに関連して使われる言葉だ。
こちらの言葉は、つまりある結果を得る為にかかったお金の効率を指す言葉だ。
そもそも<コスパ>概念は、「本当はあれが欲しいけど、これのほうが安い」という諦めの意味を含んでいる。なるべく低コストで満足するということの究極は、全てを諦めて出家することだろう。
<タイパ><コスパ>にはそれぞれ欠けているものがある。
<タイパ>は肉の悦び、<コスパ>は情報価値を無視している。
情報(コンテンツ)と五感による刺激は、二つセットではじめて<体験>になる。
僕たちは<体験>が欲しい。
それなのに、広告代理店が「ほら、あなたが欲しいのは情報でしょう、結果でしょう、コンテンツでしょう」と、コンテンツをフォアグラのカルガモみたいに消費者の喉に流し込み続けている。
「あなたが欲しいのは情報ですね?」という社会全体の巨大な詐欺がまかり通ってしまっている。
だから、そんな時代に楽しく生きたいのなら、
1本3時間半のボリウッド映画を観ろ。友達とスタバでバカ高いドリンクをがぶ飲みしろ。間違ってもワンモアコーヒーのレシートで110円のお代わりなんてするな。2ヶ月に1冊は専門書を読め。ポルノを観るくらいなら異性を誘って飲みに行け。ボトル税込み6000円のサントリー響を30ml2000円払って渋谷のBarで飲め。Kindle端末を叩き割って池袋ジュンク堂か新宿紀伊国屋へ行け。