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肉まんミクロ哲学
─迷っている。すごく 迷う。
とろ~りチーズのピザまんか。肉まんか。
ねぇ、ピザまんって昔は変わり種扱いじゃなかった?いつからナントカまん の定番メニューになったんだろう。なんか、少し遅れてグループに加入したアイドルメンバーが卒業する頃には大黒柱になってるあれみたいで萌える。
人間ドラマってマジで、萌える。
じゃなくて
私は夕飯を決めかねている。
食卓の余白を埋めるちょうど良いまあるい
ナントカまん
この選択の何が難しいかって
肉まんの残りは3つ、対するピザまんは残り1つ。
レア度はピザまんがやや上…。
皮の色が違うのに値段同じだし。
でも私は知っている。
自分とは20数年の付き合いになる。
この人はずっと好きなのだ、肉まんが。つまり、アンパイ。
(いや ピザまんもめちゃくちゃ好きだよな 好きだったはず)
(もうどっちも買えよ 食えるだろ)
なんだか、こういう「選択」ってきっと
この先の人生でもたくさん起こる予感がした。
好きな俳優が最近よく使うミクロ、マクロって言葉を真似して言うなら
私は今 ミクロな出来事からマクロな視点で自分の人生を予報している。
「肉まんがお一つでよろしいですか?」
店員さんが目合わせをして聞く。
なんだか念を押された気がする
?
頷き、お会計を進める。
購入した商品全てにカトラリーを付けてくれた店員さんに会釈しお店を出た。
帰宅し、エコバッグから温かい肉まんを取り出しながら思う。
(あぁ なんか あんなに迷って決めたけど
やっぱピザまんも食べたいじゃん なんなんだ選ぶという行為。難しすぎる!)
ハッ あのお姉さんは分かっていたのか?
私より先に、私がピザまんも食べたくなる未来が。
人生は往々にして"こう"。
保証できることなんて1つもないんだから。
この世で歓迎されるのは、選択を正解にする努力。選んだものを面白がる力
なんだなぁ と痛感するこの頃。
そういうことで。
今夜はほかほかつるつるの肉まんを美味しく頂く。
今度は食べたいナントカまんを全部買ってもいいな。少し先のささやかな楽しみが出来た。
願わくば
私がこれから経験する「選択」の全部が
中華まんだといい。
肉まんかピザまんか…多少の心変わりはあれど、
どれを取っても外れではないから。