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3月31日 観劇 Schaubühne: Everywoman

Director: Milo Rau
Stage and costume design: Anton Lukas
Assistant: Ottavia Castelotti
Video: Moritz von Dungern
Sound:Jens Baudisch
Dramaturgy: Carmen Hornbostel, Christian Tschirner
Research: Carmen Hornbostel
Lighting: Erich Schneider

Ursina Lardi, Helga Bedau (Video)


席に着くとカセットプレーヤーからは鐘の音が鳴っている。
壇上は水浸し、ピアノ、ダンボールがいくつか、舞台上手には大きな石?岩?が。

この場合、鐘の音=死 を連想できた。

Ursinaがサラッと何気なく現れて、舞台に立った。
ため息を漏らすように最初のセリフを語りかけた。その表情を見た瞬間から泣きたい衝動に駆られた。

まずはホーフマンスタールによる戯曲”Jedermann"の引用から始まる。
このEverywomanが初演されたザルツブルクでは現在にいたるまで毎年野外上演されているそう。

スクリーンはもう一人の主人公、Frau Helga Bedauとの会話を映し出すビデオや映画のタイトルのように文字を映し出した。
そしてもう一つ、舞台上の水が反射するようになっていて、Ursinaが水の上を歩くと反射、反映される仕組み。水の波紋がストーリーのダイナミクスを際立たせる要素になったいた。トランスペアレントかつシンプルで、とても綺麗だった。

Helga Bedau という女性と、戦後のドイツ、田舎からベルリンへ越してきて、60年代の若者の活力溢れる時代を生きた彼女の人生。

そして今、膵臓がんを患い死に直面している。

死を目の前にすること、死についてなぜ今も昔も同じように語られるのか。
悲しみ、喪失感、恐怖、愛、自分が存在したということ… 輪廻転生。
終わりのない哲学的な問いにUrsinaは考え、わたしたちに優しくそして力強く語りかけ、問う。


常に観客の誰かに、特定の誰か、に語りかけているかのよう。けれど誰にも語っていない。それは日々自分自身の中で行われていること、私たちの自分自身との会話でもある。

Helgaが望んだ通り、Bachを演奏する。(UrsinaによるNun komm, der Heiden Heiland BWV659)、そして舞台上で夏の雨を降らせる。(こんなことが可能なのか…最前列の観客は少し濡れていた。)

最後にはユーモアを混ぜることで、わたしたちに希望と救いを与えてくれた。
まさに夏の夕立が止んだときのような、晴れやかで、同時に夜がもう側にある、少し涼しい湿った空気。


終始繊細な演出、暗がりの中スクリーンに映し出される水の波紋、全て本当に美しかった。
音、効果音、音楽、水の音、それらは心地よくも、常に喪失感と絶望感を作り出していたように感じた。演者の語り口も同様に。



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