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#02_目は口ほどにものをいう

例年より遅い梅雨明けが気象庁より発表された。歩道沿いに植えられた木が、焼けるような日差しを受けて地面に色濃い影を落とす。蝉しぐれの中を、最寄り駅まで歩いていたマッシュは、早くもうんざりとしていた。あまりの眩しさに眉間に皺を寄せながら、恨めしく空を仰いだ。黒のスキニーパンツを選んだ寝起きの自分を悔いた。

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日常に懸想する

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