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ほしいもの

日に日に他人への興味が薄れていくこの頃。
誰がどうだ、ああだとかどうでもいい、
人間という生物としてなら面白いけど他人の小さな競争心とか見栄とかそういうものが見え隠れしても特に何も感じなくなった。
みんな同じものを手に入れるために必死になって、かく言うわたしもきっとその一人で時々虚しくなる。
だってさ、みんなで同じものを取り合ったら持てる人と持たざる人が出てくるじゃん?
誰かが盃を煽って笑うとき、誰かが黒いカーテンで視界を黒くする。世界ってそういう風にできてきたよね?

だからって何でも仲良く半分こしよってのもまたきっと争いが起きる。
私たちはそこそこ長い歴史の中で同じような所有への苦しみを繰り返してきた気がする。

でもわたしおもうんだよね、
みんながおんなじものばかりを求めなくていいんじゃないかなって。

私って本当に高層ビルの上、高級ディナーを頬張りながら蠢く人々と街灯に綺麗って呟きたいの?
私って本当にそこそこ見た目がよくて頭のいい彼氏を連れて世の中的に可愛い彼女を演じたいの?
私って本当にこのまま世界を知らないまま、この世を憂いてでもまあ美味しいご飯とお酒で忘れて生きていくの?

あれ、なんでこれが欲しかったんだっけ。
みんなが欲しがっているから欲しくなったんだっけ。
わたしのこころ、動いてる?
みんなと同じものを欲しがって手に入れることは案外容易いかもしれない。だって自分が何が欲しいかそんなに考えなくて済むから。

でも、みんなが全然好きじゃなくて、ちょっと笑ってみたり素通りしてたまに踏んづけているそれに気がついて大事にすることは案外とても難しい。
でも時々こころは教えてくれる。

わたしだけはわたしを忘れないでね


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