400gで生まれた娘 4
大学病院の診察まで、正気で待っていられなかった。
赤ちゃんは本当に小さ過ぎるのか、異常があるのか、別の意見が聞きたくて、今日明日ですぐ診てもらえる病院を探して行った。
家から20分ほどのそこそこ大きくて新しい産婦人科。
事情を説明して先生にみてもらった。
『いま、22週ね…』
エコーをお腹に当てる。
先生と共に、息を飲んでじっくり見る。
『本当に22週?…ちょっと小さいね』
やっぱり、この子はすぐにわかるほど小さいのか…。
胎児の体のサイズを測りながら首をかしげる先生。
とても丁寧にみてくれた。
小さいけど心臓や脳に異常は無さそうだということ、
他の臓器も小さいから見えにくいけどみた限り異常は無さそうなこと、
手足もしっかりみえていること等
いまのところ何か疾患がありそうな感じではないよと言って下さった。
でも、小さいね、と。
もしかして排卵日がズレてない?そしたら出産予定日もズレるよ?と。
私は排卵日や生理周期を管理しているアプリと、これまでのエコー写真を全部出して先生に渡した。
そして一緒に日にちを照らし合わせていった。
が、大幅に排卵日がズレているような感じではなかった。
うーん、と先生。
『妊娠初期に風邪ひいたりしなかった?』
風邪…?
思い返すと、私は妊娠4ヶ月の最初の時、インフルエンザの予防接種を受けた。
その後、その副反応なのか単純に風邪をひいたのかわからないが、数日微熱が出て鼻の奥の上咽頭が痛くなり、数週間だるさを引きずった。
『4ヶ月の時にインフルエンザの予防接種を受けました。その後、副反応なのかなんなのかわからないけど、少し微熱が出て3週間近く体がだるかったです。』
『もしかしてインフルエンザの予防接種がいけなかったですか?そのせいで赤ちゃんが小さいんでしょうか…!?』
うーん、と先生。
『インフルエンザの予防接種は赤ちゃんが小さいのとは関係ありません。ただ、その後の発熱と倦怠感は気になります。』
『万が一、サイトメガロウイルスに感染していたとしたら、赤ちゃんが発育できない原因になることがあります。』
サイトメガロウイルス…
4年前に息子を妊娠した時に聞いたことはあったけど、どんな病気だったっけ…?
『大学病院でサイトメガロウイルスの検査を受けた方が良いと思います。妊婦にとって恐ろしいウイルスですが、風疹やトキソプラズマのように妊婦検診の検査の中に入っていないんです。』
サイトメガロウイルス…
もし私が感染してしまったとしたら、赤ちゃんは一体どうなってしまうんだろう…
赤ちゃんが小さい原因かもしれない指摘をされ、新たに恐怖と、ほんの少しの希望を感じながら診察を終えた。