400gで生まれた娘 5
診察の後は、赤ちゃんを4Dエコーしてもらう予定だった。
通っていたレディースクリニックは4Dエコーの設備がなかったので、別途料金はかかったが、こちらでお願いした。
我が子を白黒のエコー以外で見るのは初めて。
どんな顔をしているのかな?
性別はわかるかな?
不安はありながらも単純に愛しくて楽しみだった。
『それでは見ていきますね〜』
初めは白黒のエコーで映し出されて、良い感じの角度になったら4Dに切り替えられる。
しかし我が子はまだ4Dエコーに適した大きさではなかったらしく、(顔が良く見える一番適した時期は大体24〜26週頃らしいです。)看護師さんに『まだ体が小さいからお顔が綺麗に見えないかもしれません』と言われた。
それでも、心配と興味で期待した。
もしかしたら普通のエコーで見えなかった何か疾患が見つかるかもしれない
大丈夫だと言われていた部分が実は大丈夫じゃないかもしれない
ドキドキしながらエコー画面を凝視した。
『性別ってもう聞いてますか?』
性別。
いつもお股をがっちり閉じてなかなか見せてくれなかった。
でもこの子は『女の子』だと思っていたから、すでに女の子の名前で呼んでいた。
『聞いてないです。見えるんですか?』
『確定とは言い切れないですが、お股のところに木の葉のようなマークが見えるので、女の子のような感じがしますね〜』
やっぱり…!
『やっぱり女の子っぽいですか?そんな予感がしてたんです』
『そうなんですね〜!うん、男の子には見えない感じですよ〜』
嬉しかった。
確かに、木の葉のようなマークが見える!
女の子かぁ。
ただただ嬉しくて、何かおかしなところが見えるか聞こうと思っていたけど、何も聞かないことにした。
きっと何も言われなかったら、何も見えないってことだ。
小さいと言われる前の、ただ楽しみだったエコーの時間が戻ってきた気がした。
『お顔の前に手をグーにしてるので、なかなか良いショットが撮れないな〜笑』
『お鼻の骨もちゃんとありますね』
『今度は顔を子宮の壁に押しつけてますね〜』
可愛い。
ただただ可愛い。
お腹の中でこんなに可愛かったら、出てきたら一体どれだけ可愛いの。
30分くらい良いショットを撮るために格闘したけど、撮れたのはうつむき気味の横顔の写真。
手を耳のところで聞き耳を立てているようにしていて可愛い。
この横顔が息子にそっくりで。
息子かと思って本当にびっくり。
お兄ちゃんにそっくりの妹かぁ。
息子はどちらかというと私に似ているから(いまはどんどん夫にも似てきているけど)、私にそっくりな女の子になるのか。
複雑だな。笑
夫に似てたら面白かったのになぁ。
なんて、貰った4Dの写真を見ながら愛しい妄想が止まらなくなった。
病院が終わり車に戻って、すぐ夫にも4D写真のデータを送った。
夫も、息子にそっくりだ!と喜んでいた。
こんなに愛しくて楽しいのに、もうすぐ大学病院へ行って現実を見なければならない。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
心がざわざわと揺れた。