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レモンちゃんのこと
こんにちは、広野です。
東京は今日晴れ間が差しています。いや~、良かった。洗濯できましたね。
梅雨明けはまだでしょうか。
溜まる洗濯物、干せない布団。困りものです。涼しいことは有り難いんだけど。
昨日は、遠方に住まう友だちと夜なべ電話した。名古屋に住んでいる頃はシーズンに1回ほど遊んでいた。大学の同輩。
サークルの合間によくごはんに行った。ごはんも酒も付き合ってくれる。気遣いもしっかりできる友人だ。広野は大学時代からこの友人が大好き。大好きなので、note上のあだ名をつけよう。まあ、もう決めている。タイトルの通り、私の中で彼女をフルーツに例えると、レモンなので、レモンちゃんにする。
レモンちゃんは、華奢で明るくてユーモラスで話が上手い。
学生時代は友だちも多かった。ゼミの子とか、バイト先の子とか、他サークルの子とか、第二言語の子とか。社交性が抜群。
広野もレモンちゃんと第二言語一緒のクラスだったけど、レモンちゃん以外友だち0だった。ウケる。
ただレモンちゃんはよく無理をする。不幸を被ることも多い。
レモンちゃんは恋愛が苦手だ。可愛いし面白いから男の子に好意を抱かれやすいんだけど、相手から友人から恋愛対象にされた時に、恐怖心が生まれシャットアウトしてしまうことが多い。なかなか好きな人もできない。不遇。
女の子の友だちに対しても、彼氏のノロケや女の子同士の愚痴大会を聞いたり、誘われると少し無理な予定でも文句は言わず遊んだりする。
後々話を聞くと、心中虚無だった、なんてことも度々ある。
頑張りすぎてしまうんだね。
ちなみにレモンちゃんは、漫画・本・ソシャゲが好きだ。特に漫画の知識と考察力に長けている。私は『活字のこと』でも書いたが、大学に入るまで漫画をロクに読めなかった。でも漫画が好きになったのはレモンちゃんを含めたサークル仲間との会話のおかげ。
今ではレモンちゃんにおすすめされた漫画が面白すぎて、『週刊少年ジャンプ』を定期購読しているほどだ。レモンちゃんと遊ぶと、「この展開がアツすぎる!!!」だとか、「〇〇の✕✕のセリフ痺れる!!」とか「△△の流れは引いた。」とか、そんな話ばかりだ。漫画の話をしなかったことはない。
昨日も2ヶ月ぶりに電話をした。
前回は『鬼滅の刃』のクライマックスの頃だった。本当に終わるのか??終わってほしい!!とか、終わり方考察でめちゃくちゃ盛り上がった。コロナパンデミックで、外出ができなくなり、5月にレモンちゃんと遊ぶ予定も潰れてしまった。その埋め合わせで電話したんだけど、やはり話したいことがたくさんあって、長電話になってしまう。
昨日は4時間も電話していた。漫画片手に読み直しながら。
レモンちゃんはジブリも好き。たしかハウルが一番好きだったと思う。広野がナウシカ観た話をしたら、レモンちゃんも観に行ったと食い気味に教えてくれた。
名古屋の某ベットタウンのイオンで『千と千尋の神隠し』を鑑賞したらしい。ビビリながら観に行ったら、客はレモンちゃんひとりだけだったそうだ。
大スクリーン貸切なんて(笑)そんな贅沢なことあるか???(笑)
食い気味で話し始めたのはこの話をしたかったからのようだ。オモロ可愛い(笑)。今思い出しただけでも笑える。郊外最高だな。
漫画とか映画とか本とかの話を一通りして、やっと近況報告の話になった。こんな環境下なので、人と遊ぶことも遊んだことを話すことも少々憚られる。仕方ない。
私は、「専らゲームやアニメ、漫画を読んでいたよ。就活はぼちぼちやっているけど全然ダメ。落ちまくってるけどなんとか生きているよ。後輩ともちょこちょこ遊んでる。」と伝えた。
元々友だちが多くて、遊ぶ予定がたくさんだったレモンちゃんは何をしていたか聞いた。そうすると、彼女はミシン遊びをしていることや漫画をたくさん読んだこと、シフォンケーキを焼いたことなどを話してくれた。意外とおうち生活を満喫していたみたいで、友だちとはあまり遊んでいないらしい。
不思議に思って聞いてみると、レモンちゃんはちょっとずつ話してくれた。
「私って、見栄っ張りなところあるじゃん。でもバレてないと思って無理して付き合いで人と遊ぶことが多かったんだけど、この前地元の友だちと遊んだ時に、レモンちゃんって見栄っ張りだよねって言われて、皆んな気付いてたんだ~!!!って思ってめちゃくちゃ恥ずかしくなったんだよ・・・。バレてないと思ってたからさ~。
でもバレてるんだったら、これからは無理して遊ぶ必要ないなって吹っ切れた!別に自分が会いたいと思わない人は誘わなくなったし、こんなご時世だから誘い断ることも増えて、そうしたらどんどん楽になった。友だちを切る捨てるのって寂しいことけどね。仕事もあるし、もう友だち少ないからさ。」
レモンちゃんはかなり赤裸々に話してくれたので、内心びっくりした。
それと同時にレモンちゃんの重荷になっていたことが消えて、なんというか嬉しいではないんだけど、そのほうが絶対良いわとめちゃくちゃ共感した。
友だちと知り合いの線引って難しい。
最初から友だちではない知り合いもいるし、昔は仲良かったけど疎遠になっていき気付いたら友だちとは呼べなくなってしまった知り合いもいる。かと思ったら、もう何年か会ってないけど突然会いたくなる子もいるし、会わなくてもこの子は友だちだって思う子もいる。
友だちにも、同じコミニティ内で会うときは本当に楽しく話せるけどわざわざ連絡を取って遊びたいと思うほどではない友だちもいれば、月に一度会わないだけで「久しぶりだね」と言ってしまう友だちも居る。
線引というか、どこまでを友だちと認識するかの問題かな。
中学1年の時、いつも休み時間を二人で過ごす友だちが居た。その子はお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、兄妹で田舎のヤンチャなコミニティに属していた。友だちは末っ子で、お兄ちゃんの友だちとも仲が良く、友だちが多い子だった。気が強く、包み隠さないさっぱりとした性格で、馬が合い一緒にいることが多かった。手紙の交換とかよくしたな~。
その子とは2年のクラス編成で違うクラスになってしまい、離れ離れに。
特別遠いクラスではなかったけれど、私は部活や委員会、新しいクラスと他のコミニティが多かったので、次第に会話することは少なくなった。毎日のように話をしていたのに。
結局中学を卒業して、違う高校に進学したので本当に疎遠になってしまった。わざわざ遊ぶほどの仲ではなかったけれど、なんとなく寂しい気がする。あの仲良くしていた時期はなんだったのか。今となっては、その子が早くに結婚したことも子ども産んだことも家を建てたことも人伝に耳にするだけ。
私と彼女は、当時絶対に友だちだったのにな。
今も彼女が私のことを友だちと思ってくれている可能性はかなり低い。私も彼女のことは今は友だちではないと思っている。友だちとして仲が良かった事実や時間が無駄になってしまったような、なんとも言えない喪失感がある。
例にあげたこの子以外にも疎遠になった友だちだった子はたくさんいる。本当にたくさん。
私は元々大学にあがった時に友だちの多くを喪失した。当時は大学で新しい友人や先輩が増えたので、地元に友人が少なくなったことを全く気にしていなかったけれど、よく考えたら地元の友だちなんて、もう5人くらいしかいない。付き合いの悪い私が原因だけど。
レモンちゃんは、今きっとこれを実感しているんだと思う。
悲しいことだけれど、必然に起こることだ。生活するコミニティや環境が変わることで、いくら仲が良かった子も会うのが億劫になったり距離を起きたくなることはある。相手から反感を買うかもしれないけど、別に悪いことではない。相手が怒るならそれは逆上だ。相手がおかしい。
でも意識的に距離を置いた事実によって、罪悪感と自己嫌悪に見舞われている。
普通に趣味の話をしていても、「最近は重課金をしていたソシャゲもログインしていない」とか、「漫画も買っていない新刊がある」とか、「このまま無趣味になったらどうしよう」とか、「一生好きな人もできないかも(一年前に大きい失恋して以来、レモンちゃんは趣味でメンタルを保っていました)」とか言っていた。結構落ち込んでいるじゃんか・・・。
どうか、卑屈にならないでほしい。
言葉を掛けたいけど、生憎私は友だちが少ないので、力が無さそう。お前に何がわかるのだと思われて、もっと自暴自棄になってほしくない。
第一、大好きだから嫌われたくない。なんとかして気分を上げるには、広野にできるのは褒めちぎることだけだった。
「レモンちゃんは話が面白いからオッケー」とか、「手先が器用で羨ましい。可愛いバッグもいっぱい作れるし。」とか、「レモンちゃんはセンスあるから」とか、「チーズ嫌いを克服したのえらい。」とか。本当にそんなこと言ってどうすんだ。でも、自分をもっと労ってくれないとさ。全部嫌になっちゃうでしょ。だから、私が好きなレモンちゃんをレモンちゃんも好きになってほしいわけです。
「絶交するわけじゃないんだから、また会いたくなったら何年後でも連絡すればいい。今は休憩期間ってことにしておこう。」
と伝えたら、「まあそうだね」と返事をしてくれた。伝わってくれ~!
電話を切る時に何しているか聞いたら、なんか気分が乗ったから手縫いしてると言っていた。褒めちぎり作戦、少しは効果あったのかな。
今度、バッグを作って、東京に送ってくれるらしい。可愛い生地を見繕ってくれるんだろう。
楽しみだ。早く会いたいな。