思い描く将来のわたし。
27歳。
自分の思い描く30歳になりたいと思い、仕事を辞めた。
自分の好きなものを作り、自分の作品に囲まれたアトリエ。1Fには好きなアーティストの作品を集めたギャラリー。家具はアンティーク調のものを揃え、ベランダにはツルのある植物を植え、日々植物の水を変えたり、自分の作品を作ることに熱中して夜更かしをしてしまったり、推しの作家の陶器を使って珈琲を飲むような生活することを夢見ている。
夢というと遠く聞こえてしまうけれど、今、仕事を辞め、できる限りの声で自分の好きを発信し、伝えてみることで、自分の何かが変わるかもしれないと思った。
30歳になってもできないかもしれないし、まだそれはずっと未来の話かもしれないけれど。
そんな時、
「ブランドを応援するようなメディアを作ろうと思ってるんだ。ねえ、はるちゃんもやらない?」
と、渋谷のカフェで「今日何食べる?」というようなやわらかなテンションで聞かれた。
ついとっさに「やります。」と答えてしまったのだけど、それがまるで当たり前のように「うん、やろう。」とゆるやかにスタートしていった。
それがPOPAPだった。
わたしは、昔から自分の好きなものが好きだった。
自分が好きになったものに絶対の自信があるわけではないけれど、紹介して共有することが好きだったのかもしれない。
だからその誘いは嬉しかったし、今まで感じてきたもどかしい思いを抜け出せるような気がした。
わたしが就活生だった頃。
A3サイズの大きなポートフォリオに愛を込めて作った作品をぎゅっと詰め込み、慣れないスーツに身を纏い社会を歩いていた。それがわたしなりの武装で、愛を込めた作品たちはわたしに優しく、勇気をくれた。
面接の時、自分のことを話すよりも作品の紹介をするのが好きだった。
でも、面接官に言われたのは「君の好きや感情は関係ない」という遮断されるような感想。
その時言われた言葉はわたしをひどく落ち込ませたし、世の中に馴染めない自分がもどかしかった。
発信するにはまだまだ未熟で口に出すこともできず、届けたい人にも上手く届けられない。
素敵な作品が目の前にあるのに世の中に広めることも、知ってもらうこともできない。
就職した先でも、伝えることに専念しつつもどかしい思いをしながら過ごし、3年が経った頃。
やっとやりたいことを小さな声でも言える勇気が出たのがその時だった。
---
今、世の中は少しずつ変わってきている。
それこそ10年くらい前、これを身につけたら正解、これを持っていたら正義というような象徴的なブランドやアイテムがあった。雑誌やテレビに出演しているモデルが身につけているものや紹介されるものが正解で、みんながその正解になろうとしていたし、持っていると安心した。
だから個々の「好き」の感情は尊重されることはなく「個性」という簡単な一括りで片付けられていたような気がする。だけど今は様々な「個」が存在している。きっとそれはそれぞれの正解であって正義。そして「すき」の形。今まで口に出す勇気がなかったものも自由にSNSを通して発信し、伝えることができるようになったのだ。
"ひとりひとりに違ったリスペクトな存在がいて、発信できる時代。"
いまの時代にPOPAPはとても相性が良い気がする。「あーこれが好きで好きでたまらない」というような溢れてしまう感情を優しく許してくれるような場所なのだ。
わたしが作るものには愛があるし、もちろんほかのアーティストがつくる作品にもたくさんの愛が込められている。世の中にある素敵な作品たちを、まっさらな空間にひとつずつ並べていくような、上下関係もなく紹介して伝えていくのがPOPAPだ。
きっと好きという感情は連鎖していくから、POPAPはひとりひとりの異なる好きにぴたっとくっついて支えてくれる。
何十年もブランドを経営している人も、今からブランドを立ち上げようとしている人も、どうやって発信したらいいのか迷っている人や友達に紹介したいと思っている人もぎゅっと支えてくれる。
きっとそれぞれのブランドの相性の良い顧客やファンがいて、好き同士を繋いでくれる場所だからだ。
まだまだPOPAPは発展途上だけど、今後はもっとブランドの幅や発信の場が広がっていく気がする。わたしがやりたかったことを叶えてくれる場所も実はPOPAPなのかもしれない。人とブランドが出会い、そこで生まれる一瞬の出会いが「永遠のお気に入り」になれるような場を。
https://www.popap.biz/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?