never give up(就活記録)
紅葉の橙が深まってきたな、と思ったのも束の間。山形は先日、雪が降りました。
12月。もう今年も終わってしまうことに、寂しさと焦りとが入り混じった感情が胸を騒がしくさせますが、吸い込む空気が冷たくて気持ちが良いのと、私の誕生日とクリスマスがあるので好きな月です🎄🎂❄️
さて今回、就活でお世話になったRe Designer for Student(以下:ReDS)の田口さん、森内さんからお声がけいただき、Advent Calendarに参加する運びとなりました。
「24卒就活生を応援する」というテーマで、わたしの就職活動と、近況などを振り返り、綴っていこうと思います。長くなってしまったので、時間のあるときに読んでいただけたら嬉しいです☺️
卒業制作も佳境、あと3、4ヶ月で卒業というこのタイミングで、振り返る機会をくださったお2人に感謝します…!
自己紹介
2000年12月生まれ。東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科で空間/カラーデザインを専攻しています。他にもインテリア・家具・UI /UXなど幅広くデザインを学んできました。
いちごタルト、コーヒー、ナポリタン、餃子、たまご焼き、青島ビール、音楽、半袖でぬくぬくするお布団、つくること、人を楽しませることが好きです。
はじめに
私の就職活動はかなり参考にならない就職活動でした。というのも、第一志望一本勝負!
良い子は真似しないでね!な就活でしたが、ああ、こんな「終わりよければすべてよし!」みたいな就活をやった先輩もいるんだ、と安心材料にして読んでください。
こんな私も大学を卒業したら、IT企業のブランディング部門のデザイナーとして働くことになりました。
なぜ空間デザインを専攻しているわたしがIT企業のデザイナーになることを選んだのか、就活の始まりから内定をもらうまでの流れ
1年前の自分に声をかけるとしたらどんなアドバイスをするか
近況報告について
をまとめてみます。ちょっとボリューミーですが24卒のみなさんに幸あれ!という気持ちで綴りました…!
ヘンテコな就活を振り返る
デザイナーになんてなれないし、ならない
プロダクトデザイン学科にはモビリティ(車など移動に使われる乗り物のデザイン)を専攻している学生もいて、2年の夏休みの時点ですでにインターンを多く経験している人もいました。(モビ系の就活は時期がとてもはやい印象です。)
それに比べて私は、
「自分より優秀な人は山ほどいるし、自分がなにになりたいのかわからない。なにをするべきなのかわからない。」
そんな状態で焦り散らかし、進路に悩む毎日を送っていました。(専攻の空間系はコロナの影響を直に受けていて、インターン募集が少なかったことも原因でした。)
デザイナーの枠はただでさえ少ないのに、大学で何者でもない私がデザイナーになれるわけがない!無理に最初からデザイナーを目指さなくてもいいよな〜、就職失敗したからって死ぬわけじゃないしな~~なんて始まってもいない就活の「ダメだったとき」のことを考えていました。とにかく自分にめちゃめちゃ自信がなかったです!
まわりの就活ムーブに乗っかれ
3年になり、学年全体が就活ムーブになって、夏のインターンの募集が始まりだしました。毎週毎週、就活ガイダンスや説明会があり、3年生全体がいそいそとした雰囲気だったのを覚えています。私はもう就活が嫌すぎて、うまくやれる自信がなかったのですが、ラッキーなことに私の友達は早期に就活のスタートを切る優秀な人が多かったので、その人たちに乗っかって就活をはじめてみることにしました。
この時期(5月ごろ)にReDSに課題で作ったポートフォリオ(以下:PF)を1枚載せて登録しました。授業課題が忙しかったこともあり、最初に企業に提出したPFは課題で作った当時のままで、特にインターン用に用意する余裕もなかったです。忙しい課題の合間を縫って、次のインターン採用に出すためのPFをちょっとずつ作っていきました。
夜な夜なPFを作る会でDiscordを繋ぎながら迫るインターン申し込みの期日までみんなで徹夜を頑張る、なんて日もありました。
(序盤に作ったPFは今見ると結構面白いので最新PFと見比べると元気が出ます)
「先輩のPFはめっちゃかっこよかったけれど、こうやってちょっとずつ作ってたくさんブラッシュアップしたものだったのだ!」ということと、
「へたっぴでいいのでとりあえず手を動かすことの大切さ」をこのときに知りました。受験は団体戦だ、というのはよく聞きますが、就活も団体戦のようにみんなと支えあいながらやっていました。(みんなありがとう!)
ReDSで広がる就活
はじめて作ったPFをReDSにアップすると、いいねやフィードバックが届き、私の作品を見て、
いいと思ってくれた人がいる!
なんだかReDSのユーザーみんな頑張っているんだ!
というのを知れて、就活のモチベになっていました。
今まで作品を見てもらうこと=大学の評価だったので、あまり作品を見られたくないと思っていましたが、大学の垣根を超えることで作品を見てもらうハードルが低くなり、もっと作品を見てほしい、もっとPFを作ろうと思うようになりました。また、ReDSのユーザーは学生だけではないため、企業や運営の方にもPFを見てもらう機会が自然と増えて、スカウトも届くようになりました。私に興味を持ってくれる企業がいる、それだけで自信になったし、就活を頑張るエネルギーには十分でした。
だけどまだ自分が将来どんなことをしたいのかはもやもやのままでした。
1つだけ通った夏のインターン
ReDSの合同企業説明会を聞いていて1つ、気になった企業のインターンがありました。
サイトページに飛ぶと、ウェブデザインがすごくカッコよくて、私好みで、(言葉を選ばずにいうと私の好みにブッ刺さりました、クリーンヒット!)コーポレートブランディングに力を入れている会社なんだというのがすぐにわかりました。
UI/UXデザイナーの募集が多い中、
自分が興味があるかもしれない「ブランディング」というワード
珍しかった「現地・長期就業型」
憧れの「東京」
この3つのキーワードがヒットして、この会社のデザインが作られる裏側を知りたいという「気になる!」がもくもく大きくなっていきました。
専攻の授業課題との両立が難しかったのと、幾つものインターンをこなせるほどの体力の自信がなかったので、このインターンに行けたら最高!という思いでこの企業を含めた、片手で数えられるだけのエントリーシートを出しました。
Discordメンバーたちは何社もインターンを受けたようで夏休みの予定はインターン三昧、という人が多くいました。(夏休みどこのインターンに行くの?と聞くとあたりまえのように2つ以上返ってきた記憶、すごい)
が、ここは自分のキャパを優先しました。
マブ友たちのスケジュール帳にインターンの文字と→が引っ張られていくなか、ついに私にも幸運の女神が微笑みます。
一通だけ届いた採用メール、それがまさに一番行きたかったインターンの採用通知でした。
就活を始めた当初(6月ごろ)は、空間デザイン系のみで企業を探していましたが、IT系やBtoBの企業で面白い企業がたくさんあることをReDSで知り、視野を広げたからこそ出会えた企業でした。ただでさえ自信がないのに専攻分野以外の選考を受けるなんてあり得ないと思っていましたが、インターンの採用面接で大人(会社で働いている人)とはなすうちに
・分野外でも自分の好きなことや学んでいることを強みとして出せるということ
・アウトプットにとらわれないデザインがしたいということ
・グラフィックデザインの分野にも挑戦したいということ
など、自分の頭の中で解像度が低かった部分が明瞭になっていきました。
口に出してみる、人と話す、というのは本当に大事なのだと思います。
それと同時に、大人とかかわる機会が少ないこともあり、なりたい社会人像がパッとしなかったけれど、ReDSを通じて関わる大人は一緒に働きたいと思う人ばかりでした。自分の仕事に誇りを持っていて、キラキラして見えて、大人になるのも悪くないな!と思いました。
またグラフィックデザインをやってみたいというのは、ポートフォリオのエディトリアルを作り込んでいく中ではっきりしたことでもありました。
私だけ取り残された夏
夏休みに入って数日。マブ友たちのインターンが始まる前に、短くて濃い夏を過ごし(レンタカー借りて海に行きました、とてもいい思い出)、私は着々と就業型インターンへ向け、人事の方と準備を重ねていました。ウィークリーマンションや社用PCを手配してもらったり、事前課題(自己分析のようなもの)をやりこんだりして期待は高まっていきました。しかし、それとは裏腹に、東京では代何波目かのコロナウイルス感染拡大が深刻化していました。コロナの状況によっては中止の可能性もあることは事前に伝えられていましたが、行けるだろ!と信じていたので、緊急事態宣言が発表されて正式に中止が決まったときには終わった…と思いました。
私の夏はこの一本にかかっていたので、心が折れてしまい、これから何をどうすればいいんだ…就活頑張れない…となっていたとき、ReDSを運営していた田口さんから「調子どうですか」と連絡が来て面談をしてもらうことになります。(グッドタイミング!)
ここで田口さんとお喋りをして「1度就活のことを何も考えないで休んでみる」という選択肢をもらった私は1週間ほどパーっと遊び呆けることにしました。中学時代の友人の元へ遊びに行ったり、美味しいものを食べたり、買い物をしたり、存分に楽しみました。
メモ帳とペンとカメラを持ってお出かけして、好きなものに触れて、好きなものの再確認をしました。
心がだめになりそうだった(ほぼなってた)私はちょっと元気になって、「落ち込むのはここら辺にしてまたぼちぼちやるかー」という前向きな気持ちになっていました。
毎年10月に学科内で3年のポートフォリオ展があるのですが、そこに選ばれることを次の目標に定めてインターンで忙しそうな友人たちを横目に、ひそひそPFをめっちゃ作り直したるキャンペーンを1人で開催することにしました。(グループワークで制作したUIUXの作品をペーパープロトタイプからひとりで作り直してみる、面接で質問されたところに図説をつけてみる、詳しく聞かれたけど答えられなかった部分を詰めてみるなど)
インターンの作品はひとつも載せられなかったけれど、ブラッシュアップのおかげで結構なボリュームとなったし、学科内のポートフォリオ展でも自分のポートフォリオが飾られる、という目標も達成することができました。
これは田口さんに言われたことなのですが、ちゃんと丁寧にいいものを作っていたら見てくれる人はいるし報われる、というのは本当だった!と証明されたようで嬉しい瞬間でした。
確信
夏のインターンは中止になりましたが、その代わりに秋の2daysのインターンに参加させてもらえることになりました。頭をフル稼働させて臨んだ2日間。終わって感じたのは「ここで働きたい」より強い、「ここで働くんだ」という確信に似た覚悟のようなものでした。(オフラインで空気感が味わえたのも大きな理由の1つだと思います。)
アウトプットの形にとらわれずに体験を想像(創造)するところ。
一緒に働きたいと思う人が集まっているところ。
挑戦したいビジュアルデザインと学んできた空間デザインを活かせるところ。
あらゆるピースがはまっていったことが、ここだ!と確信させたのだと思います。
そして迷うことなく本選考にエントリーすることにしました。
面接まで壁打ちしながら一緒に頑張りましょう!と、志望動機などの内面的な壁打ちは人事の方と、ポートフォリオのデザイン面のブラッシュアップはデザイナーのメンターさん、という万全なサポートのもと準備を進めていきました。内定が出るかどうかもわからない学生のためにこんなに時間を割いてくれるんだ、ということに驚き、ああこの人たちは一緒に働く仲間を本気で探しているんだ…というのがひしひしと伝わってきました。就活の悩みを自分のことのように考えてくれる大人をみて、繕った自分ではなく、ありのままの自分を知ってほしいと思うようになりました。(ちゃんと就活が始まるまで、就職活動=個性のないリクルートスーツ、対 面接用につくられた人格、盛りに盛った自己アピール、経歴のマウント合戦、喋りが上手い人が勝つ…などというイメージを持っていました…^ ^)
そうしてメンターさんに支えられながら、3月に内定をいただくことができました。(落ちたときのことは落ちてから考えよう!今は目の前のことに集中しよう!というなんとも危ない作戦でした。)
終わりよければすべてよしです。やったー!
本選考にこれから挑む1年前の自分へ
ここまでつらつらと内定をもらうまでのことを綴ってきましたが、ここからは本選考のことを振り返りながら、1年前の自分に向けて声をかけるなら…という目線で、私なりにポイントをまとめてみました。
言語化練習と口に出すこと
本選考では、ポートフォリオと自己PRについてのプレゼンがあったのですが、「言語化すること」の壁にぶち当たりました。これはデザイナーを目指す人あるあるかもしれないのですが、ビジュアルとしてまとめたり表現したりするのは得意だけど、言語化して話す、というのがなんとも難しかったです。何冊か自己分析系の本を漁って合わないものもあったので一概には言えませんが、そういう時に自己分析ツールが役立ちました。(最近はMBTI診断が流行ってますよね…🤔)
自分の強みを明らかにするためでもありますが、言語化のサポートアイテムとして自己分析ツールを活用するのもアリだと思います。
面接では短い時間で、「私ってこんなこと学んできましたよ!」「私を採用したら御社にとってこんないいことがありますよ!」みたいなのをわかりやすくお話ししなければいけないので、私が言いたいことに当てはまるのってこの言葉なのかもしれない、という「伝え方や言葉選び」を気をつけていました。口に出して喋ってみると、あんまりピンと来なかったり、ウソくさかったり、ぺらぺらしていたりするので、口に出して誰かに聞いてもらうのがポイントです。
使えるものは使う
就活はやるかやらないかです。やった人にしかその道は開けないです。
だから、使えるものはどんどん使って欲しいと思います。
私は最初「就活が終わった人の話なんだから成功体験ばかりで、私のこの大変だ…という気持ちに寄り添ってくれるはずがない」と思って、聞くことを躊躇していたのですが、これは大きな間違いでした。
就活って大変だからこそサポーターがたくさんいるのだと思います。ReDSはもちろん、学校の先生、先輩たち…。話を聞いてくれる人はたくさんいます。
私より石橋を叩いて渡るタイプの友達は就活期間中、よく「やらずに後悔よりやって後悔」と言い聞かせながらじゃんじゃん行動していていました。(カッケー!)
そのマインドを真似して、聞くことが苦手だった私も「自分の将来についてめっちゃ考えられる期間限定!」と思って先輩に聞いたり頼ったり、やれることは全部やったる精神でたくさんの人の力をお借りしました。
また、大学の先生が、学生のみんなは無敵マリオ状態なんだよと言っていました。(私たち学生が思っているより、「学生」という肩書きは効力がすごいらしいです。)なにを聞いても大丈夫な今、無敵マリオのうちに、たくさんの人を頼ってください。あなたの将来について考えてくれる人はきっと思っているよりたくさんいます。(私もそのひとりです!)
休んでも大丈夫
とはいえ、就活って結局は孤独だし、やっぱり大変です。ここに出てきた私よりも優秀な友人たちもひとりひとり違った辛い思いを抱えていたと思います。置いていかれる、期日がある…など、休めない理由がたくさんあると思うのですが、どうしても行き詰まってしまってしまったら、休んでしまっても案外大丈夫です。
いつか読もうと思っていた積ん読を読む、好きなアーティストの音楽を聴く、ちょっと離れたところへ散歩してみる、夜な夜な歩きなれた街の写真を撮る、就活が終わったらやりたいことリストを作る…私がやっていた現実逃避法です。緊張の日々が続いて眠れない夜は入浴剤を入れた湯船に浸かる、など小さなリフレッシュでもちょっと元気になれて、良いパフォーマンスにもつながると思います。
ダメだったとき、立ち直るマインド
友達が受けた選考の結果が良くなくて落ち込んでいるとき、「え、こんな優秀な人材とらなくていいの!?もったいない!」というように鼓舞していました。その言葉、そのまま自分に向けてみてください。私がインターン落ちたときは、「こんなに共感性高くて優しい優秀な人材落としちゃって大丈夫?」という考えでメンタルを保っていました(笑)。
選考が進むにつれて企業との相性の良し悪しも大切になってくるので、落ちたからって優秀じゃない、負けた、と思う必要は全くないです!
ただし、面接の短い時間で伝えたいことが伝わらなかったことは事実なのでお祈りメールも活力にして、次、どうしていくか、対策を立てていきましょう。
最後まで粘り強く、そして楽しむ
YouTubeはスキップしながら見ちゃうし、本を読むときは飛ばし読みをしてしまうこともある私ですが…。
今はもどかしくてもじっくり何度も何度も読み返して考えなければいけないときなのだと思います。何度も読み返したことで見えてくる答えもあるかもしれません。こんなに自分の進路について考えることはきっとしばらくないと思うので、貴重なこの機会に粘り強く向き合って、そしてそのなかに小さな楽しみを見つけることができたのならそれは素敵なことだと思います!
近況とお知らせ
最初の自己紹介でも書いた通り、空間/カラーデザインを専攻している私ですが、卒制では和菓子特有の色合いや素材感に着目し、Color(色)・Material(素材)・Finish(仕上げ)の研究をおこなっています。集めて分析した和菓子のCMFをサンプルに落とし込み、インスタレーションに応用するという試みに挑戦しています。まさに今!絶賛本制作中!といったところです。
作品制作の他にも、卒業制作展の会場レイアウトやメインビジュアル、企画など、みんなで一から作り上げています。まるで自信のなかった私ですが、今は責任のある立場で卒展を良いものにするために(泣きながらも)頑張っています…!
山形でお待ちしています☃️
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東北芸術工科大学デザイン工学部プロダクトデザイン学科
2022年度 卒業/修了研究・制作展
開催期間 2023.2.7(火)-2023.2.12(日)
時間 10:00-17:00
会場 東北芸術工科大学 体育館
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最後に
長々と最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇
微力ではありますが、何かのきっかけや勇気になってくれたらいいな…と思っています。
どうか体調に気をつけてお過ごしください。
陰ながら、精一杯応援しています、皆さんの将来に幸あれ!
引き続きAdvent Calendarをお楽しみください🎁
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