実は同じな「緑茶」と「烏龍茶」と「紅茶」
こんばんは。日和のTです。
今回は日本の緑茶、中国の烏龍茶、イギリスの紅茶の違いなどについて説明します。
これらの3つの種類のお茶は、見た目も味も異なりますが、共通点も多いのです。
お茶が広まるまで
日本
中国で生まれたお茶は、奈良時代・平安時代に、遣唐使や留学僧によって日本に取り入れられたとされています。
鎌倉時代には、禅宗を中心に抹茶が広まりますが、一部の特権階級の人だけが嗜むことができました。
安土桃山時代になると、千利休によって「茶の湯」が完成され、豪商や武士にもお茶が浸透するようになります。
江戸時代、庶民もお茶を飲むようになりますが、庶民が飲んでいたお茶は煎茶でした。
今日のように、お茶が日本人の生活にしっかりと根付くようになったのは、大正末期から昭和初期といわれています。
中国
中国に伝わる逸話によるとお茶が発祥したのは紀元前2700年頃です。
唐の時代になると、お茶は中国全土に広まっていきました。
明の時代には、庶民にもお茶の文化が浸透します。この時期には、浙江省や安徽省の緑茶も知られるようになりました。
茶葉や茶器がほぼ完成され、茶文化が最盛期を迎えた清の時代、福建省で烏龍茶が開発されました。また、同時期に紅茶も作られるようになったといわれています。
烏龍茶ならではの香りを追求する中で、時間と手間をかけてゆっくりと丁寧にお茶をいれる工夫茶という手法も生まれました。
このときの習慣から中国のお茶は香りが重要視されるようになりました。
イギリス(欧米)
欧米に最初にお茶を飲むことが伝わったのは15世紀のことです。大航海時代の先陣をきったとされるポルトガル人が中国と日本に訪れ、それぞれの茶文化を学びました。
17世紀にはオランダ貴族の間でお茶が流行します。
その50年後、イギリスのコーヒーハウスでもお茶が売られるようになりました。
17世紀の終わり頃、イギリスの商人が中国で紅茶を手に入れます。
当時の中国であまり需要のなかった紅茶は、イギリスの水とイギリス人の口に合い、たちまち人気になりました。
その後、イギリスは紅茶の関する戦争を経験し、植民地化したインドでも茶葉が生産されるようになります。
以上のように、どのお茶も中国で発祥したことが分かります。
お茶ができるまで
緑茶、烏龍茶、紅茶はすべてチャノキを原料とし、同じ茶葉から作られます。
3つのお茶の違いをもたらしているのが加工方法です。
緑茶
抹茶・煎茶・玉露茶などの緑茶系のお茶は、茶葉を熱して発酵酵素を破壊し、発酵させないことから、「不発酵茶」といわれています。
日本と中国では熱する工程が異なり、正確には、日本の緑茶は“蒸し茶”、中国の緑茶は“釜いり茶”と呼ばれています。
“蒸し茶”を作るときには、茶葉を蒸気で蒸してから揉んで乾燥させます。
一方、“釜いり茶”を作るときは、熱した窯の中に茶葉を入れて煎りながら作ります。
烏龍茶
ジャスミン茶などの烏龍茶系のお茶は、発酵を途中で止めることから、「半発酵茶」と呼ばれています。
茶葉を日干し、その後、陰干ししてしおれさせます。
短時間発酵してから揉みほぐし、熱を加えて、発酵酵素の働きを止め、乾燥させて作ります。
紅茶
アッサムやダージリンなどの紅茶系のお茶は、茶葉を十分に発酵させることから、「発酵茶」と呼ばれています。
長い時間をかけてしぼませ、発酵させます。その後、加熱して乾燥させて作ります。
お茶の効能
・胃腸を調える
タンニンとカフェインの働きにより胃液の分泌量が増え、消化を促す効果があります
・脂肪燃焼
タンニンが脂肪エネルギー代謝を活発にしてくれます
・コレステロール値、血圧を下げる
カテキンやアミノ酸がコレステロール値を下げる手助けをしてくれます
タンニンには血圧を下げる効果があります
・糖尿病の予防
カテキンには血糖値の増加を防ぐ効果があります
・食中毒や感染症を防ぐ
カテキンやタンニンには強い殺菌力があります
・疲労回復
カフェインやアミノ酸が、自律神経や筋肉を刺激します
また、血液の循環を促す効果もあり、集中力アップ、眠気覚まし、疲労を感じにくくなる効果もあります
・アンチエイジング
タンニンやビタミンの持つ抗酸化作用が老化の原因となる活性酸素を減らしてくれます
同じ茶葉から作られていても加工方法によって形を変え、さまざまな効能のある魅力的なお茶を飲み比べながらぜひ楽しんでみてください。
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