見出し画像

『くれなずめ』を観た。

無事、くれなずみました。

ある日突然、友人が死んだ。
僕らはそれを認めなかった。
泣きたいのに笑えて、笑いたいのに泣ける。
“狭間”の時間に起こる奇跡─
優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 満を辞して用意した余興はかつて文化祭で披露した赤フンダンス。赤いフンドシ一丁で踊る。恥ずかしい。でも新郎新婦のために一世一代のダンスを踊ってみせよう!!
そして迎えた披露宴。…終わった…だだスベりで終わった。こんな気持ちのまま、二次会までは3時間。長い、長すぎる。そして誰からともなく、学生時代に思いをはせる。でも思い出すのは、しょーもないことばかり。
「それにしても吉尾、お前ほんとに変わってねーよな
   なんでそんなに変わらねーんだ?まいっか、どうでも。」
そう、僕らは認めなかった、ある日突然、友人が死んだことを─。

友人の結婚式のために集まった昔の仲間たち。今ではそれぞれ異なる人生を歩んでいるのに、いざ顔を合わせると数年のギャップなんて存在しないかのように丁々発止のやりとりが始まる。ここに描かれた物語に共感しない人なんていないはずです。これほど心を寄せてしまう背景には、きっと、構成や撮り方、編集のあり方が関わっているのだろう。現在の場面では基本的にワンシーン、ワンカットが用いられ、回想になるとそれがカット割された映像へと切り替わる。記憶を浮かんでは消えていく泡沫のようなものと捉えた時、この構成が非常に考え抜かれたものであることが理解できる。そうやってナチュラルに沁み込むからこそ、96分に及ぶ作品世界が幕を下ろす頃、彼ら一人一人がとても味わい深く大切な存在に思えた。各々の個性を際立たせつつ、全員がギュッと一体化した空気感をも活きいきと写し撮る。愛おしいほどの時間がそこには流れていました。

☝️カツセさんのストーリーズ

何故あんなに序盤から涙が出て来たのか。
6人が楽しそうにふざけあってる姿を見ていたら、もう涙ぐんでいた。理由はわかってる。今のわたしにはあんな風にふざけ合えるような人たちがいないからだと思う。中学も高校も10年以上の付き合いになるはずなのに、そんな風にできる人たちがいない。友だちが全くいない訳ではないけれど、浅い、浅すぎる関係でしかない。6人の姿を目の当たりにして、「友情」が眩しすぎたんだ。自分には無い、そして今すぐにつくれるものではない「友情」の強さに涙腺が刺激されてしまったらしい。
本編の内容を観て感じたことではなく、完全に自分と重ね合わせてみたら自分にないものが浮き彫りになってしまったなぁ。

取り急ぎ、残したい気持ちになったので書きました(2021/05/16 18:38)


#くれなずめ  』
2021年5月12日ロードショー
監督・脚本 #松居大悟
出演:
#成田凌  #高良健吾 #若葉竜也 #浜野謙太 #藤原季節 #目次立樹 #前田敦子 #内田理央

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?