就職活動の後悔
今年30歳になり、社会人生活も9年となった。
ある程度一通りの仕事を覚え、転職する気も今のところないのだが、ふと、あの頃もっときちんと就活をしていれば、人生が変わっていたのだろうかと思うことがあり、当時のことを書いてみようと思う。
17卒の僕、当時は乃木坂46にハマっており、握手会やライブなんかによく足を運んでいた。3年の就活解禁のタイミングなんかもよく分からないまま、気が付いたらESの添削に追われていた。
まず、前提として「働きたくない」「就活がめんどくさい」という気持ちが強くあった。いままで散々大学生というぬるま湯につかっていたのに、そこから脱し、社会の歯車として酷使されることに抵抗感があり、さらに当時はブラック企業とか、パワハラが顕在化してきた時期で、いよいよ働くことにポジティブな意味を見出せなかった。
しかしながら働かなくては生きてゆけない。やっと重い腰を上げて、3月3日の深夜にリクナビとマイナビの登録をしたのを覚えている。各種就職サイトが3月1日に情報解禁するということすら、友人に教えてもらわないと知らなかったくらいには、やる気がなかった。
なんとなく安定しているというイメージから官公庁は前々から意識しており、公務員試験の勉強はしていたが、公務員試験の合否発表が民間企業の就活タイミングより若干遅く、合否を待っていては民間企業の人気どころは囲い込みを終えている、という状況でもあった。ゆえに、公務員試験勉強と並行して民間の企業研究や面接をこなさねばならず、しんどかった。
そのしんどさから解放されるために、そしてもともとやる気がなかったことも相まって、民間の職種をかなり限定して、数社しか受けなかったのが、大きな後悔として残っている。
当時、塾や予備校でバイトをしており、仕事の内情をある程度知ってるが故、その延長で面接でも話しやすいだろう、ESも書きやすいだろう、という理由で、教育関係の企業しかエントリーしなかった。バイトと社員は全然違うし、そのバイトに適性があったかもわからないのに。就活の面倒さから逃れるために、簡単にイメージがつきやすい会社にエントリーを絞ったのがいけなかった。「若いころの苦労は買ってでもしろ」とは、こういうことだと思う。
そしてなんとか6月に内々定をもらった。
適当に勤務地と休日日数から選んだ、就活の面倒さから逃げるために選んだ企業に。何の達成感もない。ただ就活が終わったという良くない解放感だけがあった。そして内々定をもらったあとに、官公庁の合格発表があったため、その結果が出るまでは返事を待ってくれるとのことだった。
結果、官公庁は不合格、その企業に就職することとなる。
はずだった。官公庁は不合格、御社に入社する旨を電話で伝えると、
「官公庁が第1志望だったのに、ウチ、続けれる?」と。
内心、「いや、第1志望が落ちたから第2志望のそこに行くんだよ、当たり前だろ、そこしか内定持ってねえんだから」と思った。その後、その企業に呼ばれて面談することになった。
そこで、もともと就活する気がなく、第1志望が官公庁で民間企業は適当に就活してたことをすべて見破られた。
今思えば、「その覚悟でウチにきて、すぐ辞めたら貴重な新卒カードがもったいない、もう1度しっかり就活しなおしたほうがいい」というありがたいアドバイスだったのだろう。こんな優しい企業はない、と今なら思える。が、当時としては「一回内々定だしておきながら、はしご外されたわ」と思っていた。怒りのままに、というのと核心を突かれたというのもあり、勢いで入社を辞退。7月末、もう大体の企業では内定を出し切っているタイミングで無い内定となった。結果的に真剣に就活と向き合わなければならなくなった。
ここから急いで就活に本腰を入れる、遅すぎる展開。
あの企業の人事に言われたことを胸に、今度こそきちんと就活を・・・とはならなかった。
この時期にまだ募集をしている企業はどの学生からも人気のない企業、というイメージもあってなかなかピンとくる企業は無かった。ただ時間だけが過ぎ、焦りだけが募っていく。またイチから就活のあのプロセスを踏むの面倒すぎる・・・・。結局また、就活から逃げたいという気持ちが勝ってしまい、この時期に内定をくれるような人気のない企業に入社することになる。
なんともあっけない幕切れだった。
入社した企業は案の定、クソ企業。半年で辞めて転職することになる。
この話はまた別の機会に。
今から就活をする人へのメッセージ。
どれだけ働きたくなくても、どれだけ腰が重くても、就活だけは怠ってはいけない。今の時代、転職は普通のことで、1つの会社に縛られることはない。しかし、いわゆる大企業というところに入れるのは新卒か、そうとう実績のある中途のみ。30になった今、じわじわ大企業の友人との給与の差を感じさせられている。そうでなくても、転職は転職でまたいろいろと面倒だ。しなくていいならしないほうがましだ。大学生のうちにきちんと自分を見つめなおし、自分の適性を見極めるべきだと思う。
バッドエンドな就活エピソード、反面教師にしてください。