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八原 洋人
2021年4月27日 19:00
私のことを『のの』と修一は呼ぶ。それは結婚してからも変わらなかった。 ——おいで、のの。 ——こっちだよ、のの。 ——ののは何時までも変わらないね。 私の旧姓が野々村だった頃から、修一の私の呼称は『のの』だった。野々村野乃というふざけた名前だったから『のの』と呼ばれることは自然だった。 「のの、車に気を付けて。」 私がぼんやりしていると、修一は背後を確認するように促した。車は私の右横