夢
朝。アラームが鳴る。
うるさいなーー
7時30分
やばっ、、、、遅刻やん、、
急いで起きて洗顔して、キッチンに行くと母が朝ごはんを用意していた
「もーなんで起こしてくんないの!!」
「アラームたくさん鳴ってたじゃない~」
というお決まりの言い合いをして
「時間ないから朝ごはんいらない!!」
と言い、制服に着替えて薄くメイクをし、母の作ったお弁当をもって家を出る
『やばい遅刻しちゃうーー泣いたー』
と友達にLINEして、いつもより1本遅い電車に乗り込む
学校の最寄り駅に着いてからはダッシュして、ギリギリ遅刻しなかった、、
「おはよー」
「ギリギリだね笑」
「ほんとだよー超走ったー」
「前髪やばいよ?笑」
「えーまじ?ちょっと鏡貸して〜」
と友達とわちゃわちゃ話していると先生が入ってきた
「起立、礼」
「おはようございまーーす」
今日も学校が始まる
授業中、変な髪型をしてふざけるA子
それをこっそり動画撮影するB子
笑いながら眺める私
退屈な授業も明るい友達達がいれば悪くない
昼休み
仲良し5人組でお弁当を食べる
悔しいけどやっぱり母のお弁当は美味しい、、
A子「次、体育じゃんだるー」
B子「え、まじ?死んだ笑」
私「今日、バスケだよね?ほんとやだー」
C子「まじあんたのバスケ面白すぎるW」
私「ねーーWほんとやめてWW恥ずかしいー」
D子「ねねねねね」
A子「なになになに」
D子「あそこあそこ、隣のクラスのB男くんじゃんいるよ、、!うちのクラスに何の用かなぁ、、」
B子「え、まじじゃん!超かっこいいんだけどー!」
私「なんで同じクラスじゃないんだろー泣」
C子「ほんとそれなー」
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴る
C子「やばいやばい着替えなきゃ!」
私「いそげいそげ!!」
午後の授業が始まる
6限の眠い授業もなんとか乗り越え
今日も学校が終わる
B子「ねぇ!帰りタピオカ飲みたい!」
私「あーー!いいね、行こー」
C子「いいよー」
A子「じゃあさ!最近C駅にプリできたらしいからプリも撮ろ!」
D子「じゃあちょっとメイク濃くしよー」
少し栄えているC駅でタピオカを飲み、メイクを濃くしてプリクラを撮る
そして近くのマックに行くのがお決まりのコース
さっき撮ったプリを加工してインスタに載せるまでがうちらJK
隣のクラスのイケメンのB男くんやバスケ部の先輩のD男センパイとか、A子のバイト先の先輩とかの話で大盛り上がり、
女子トークをしつつ、いつの間にか来月の中間試験がやばいという話に変わっていた
あっという間に19時半
そろそろ帰らないと母に怒られるので解散
家に帰るとご飯が丁度出来上がっていた
今日は肉じゃがだ
美味しいそう〜
父も帰ってきていて、弟もゲームをしながら待っていた
ワイワイガヤガヤ家族で食卓を囲い
食後は父と弟とテレビゲーム
その後ドラマを見ながら母とイケメン俳優に熱狂して楽しんだ
お風呂に入り、自分の部屋でゴロゴロしつつ、少し気になっている同じクラスのT男くんとLINEで盛り上がり上機嫌でベッドに入った
今日も私の何気ない1日が終わる
私の夢の1日
ずっとずっと叶えたかった憧れの1日
これは全部私の頭の中の妄想の1日
現実の私にはご飯を用意してくれる母も、一緒にゲームをする父や弟も、A子B子C子D子もいない
たったひとり
ぽつんと狭い部屋でnoteを書いている
私が書いた1日は普通の女子高生には本当に普通の1日なのかもしれない
でも私には憧れの1日
ずっとずっと普通になりたくて、普通の1日を叶えたくて何度も何度もトライした
明日からは学校にちゃんと通ってみよう、友達を増やしてみよう、親と普通に接してみよう
そしてその度に失敗した
最初は上手くいってる、いいぞいいぞと思っても気がついたら身も心もボロボロになり病気は悪化し精神病棟に入院
退院して、じゃあ明日から学校頑張ろう!親とも案外上手く接することができるかも!普通に、普通に、普通になれるかもしれない
頑張ろう
そしてまた失敗
入院
退院
トライ
入院
退院
挙句に自殺未遂
入院
退院
いくら努力してもみんなには届かない
普通になれない
普通になりたい
みんなみたいに
わたしも
わたしだって
みんなみたいに
みんなみたいに
もうぐちゃぐちゃだった
入院のせいで学校の出席日数は足りず、
通信制の高校に転入するしかなかった
制服を着て、学校に行って、普通の学校生活を送る、その夢はもう叶わない夢になってしまった
受け入れるしか無かった
じゃあもう邪道でいいから、楽しく生きよう
もっと大きな夢を見よう
そう決めた
なのに
なのにさ
消えないんだ
ずっとずっと
私の夢の普通の1日が
消えないよ
ずっと妄想してしまう
さっき書いた夢の私の1日もスラスラかけた
楽しかった
ずっとずっと夢見てる1日
学校を辞めて、親ともほぼ連絡を取らず、病院と児童相談所にお世話になりながら暮らしている
それでも身も心もボロボロになっていくばっかりだった
何度も何度も死のうとした、入院した、言葉も話せなくなって声も出なくなって歩けなくなって車椅子になった時期もあった
記憶もたくさん消えてしまった
普通には過ごせてなかったけど全日制の高校に通えていた日々の記憶
それもほとんど消えた
私の脳内に残ったのは私が追いかけ続けた夢の1日
これは私のサバイバル人生の10の1にも満たないくらいの話だけど、それでも叶わない夢がこの世にはあるんだと知るには十分すぎる出来事だった
まだ17歳
世間からすれば十分まだ子供で夢をみる時期なのかもしれない
でも私は違う
子供ではもう居れない
叶わない夢、諦めなきゃいけない夢があるんだと嫌という程思い知らされた
産まれた家、家族
その違いだけでみんなと同じような普通の生活を送れないことがある
きっと私の人生、生活も幸せなんだと思う
もっともっと苦しい人はいる
分かっている
辛い思いをしている人も分かっているはず
でもさ、でも辛いんだよね
叶わない夢があると思い知らされた私
夢見る頃はもう過ぎた
それでもまだ夢を見る理由
それは
「悔しい」
それだけかもしれない
それっぽい理由、聞こえが良い理由はいくらでもある
でもきっと根本にあるのは
「悔しい、負けたくない、ここで私の物語終わらせてたまるか」
ってそんなちっぽけな意地
ここには書ききれないくらい、長くて気持ち悪い私の17年間は他の女子高生の17年間とは似ても似つかない、私だけの大切な大切な私だけの物語なんだと思う
ありきたりだけど、私と同じ思いをする人を、生きることをやめたいと思ってる人を救いたい
誰かの光になりたい
雨は止むよ
止まなかったとしても私は輝いてみせる
普通じゃなくてもいい、かっこ悪くても、傷だらけでも私は生きてるぞってたくさんの人に見せたい
そして私の過去を救ってあげるんだ
私の過去も無駄じゃなかったぞって、大丈夫だよ生き延びて偉かったねすごいよすごいねって
過去の自分を抱きしめてあげたい
まだまだ輝けてないし、かっこ悪いし、ぐちゃぐちゃだし、人に言いたくないことばっかりだし、全然未完成だけど、生きるから、頑張るから見てて欲しいです
夢の1日の話から飛躍しすぎて長くなってしまってごめんなさい
きっと私が書いた夢の1日はずっと私の夢で
それを追いかけ続けてボロボロになった今の私を救うためにまた未来に夢を描きます
私だけの物語を紡ぎます
私だけの物語見ててください
感じで下さい
いつか過去の私を抱きしめられますように