淡路島移住日記⑤:僕が最後に風邪をひいたのは、山一證券が破綻した冬だった。
僕が最後に風邪をひいたのは、あれはたしか山一證券が破綻し、社長が涙の会見をしたちょうど一か月後のことだった。冬休みの間部活が休みだったので、4万円のミニコンポを買う資金を貯めるべく、野球部の仲間と一緒にケーキ屋のアルバイトの面接に行った。面接待ちの間、急にこみ上げてくるものがあり、社員さんに買い物袋をもらった瞬間その中にぶちまけた。そのまま置いていったら面接に落とされると思い、乗ってきた自転車に袋をぶら下げに行って、真っ青な顔で面接を受けた。
息も絶え絶えに帰宅した僕は、玄関を開けて出迎えた母親にその買い物袋を手渡し、そのまま布団へ倒れこんだ。ケーキ屋の面接から帰った息子から袋を手渡されたもんだから、てっきりケーキだと思い込んで歓喜して袋を開けた母親もそのままその場に倒れこんだ。そんな16歳冬の甘酸っぱい(胃酸風味)思い出。
今日もすがすがしい朝だ
吐しゃ物ケーキの話から急転直下、話は24年後の淡路島に移るのである。そう、僕はあれから24年間風邪をひいてない。風邪をひかない秘訣を聞かれると、こう答える。
「必要なものは2つ。絶対に風邪をひかない自己管理の力と、ひいても絶対に認めない強靭な精神力だ」
今回の記事は、前者についての話だ。
24年間風邪をひかない秘訣は、「ガバくさい」朝ごはん。
これが僕の朝ごはんだ。毎朝全く同じものを食べている。まず朝起きがけにぐいっとオレンジジュースを飲む。朝の脱水状態と血糖値低下を回復させると、記憶力がよくなるらしい。朝は2時間読書をするので、ちょうどいい。そのまま納豆をタレを入れずにかき混ぜて、30分放置。納豆菌は好気性なので、なるべく空気に触れるように混ぜるのがコツだ。割と肉体労働なので、これでキッパリ目が覚める。キムチの植物性乳酸菌はしっかり腸まで届き、納豆菌をエサに元気にお腹をガードしてくれる。
ガバくささの原因はごはん
ごはんは玄米だが、胚芽部分が妙に大きいことにお気づきだろうか。これは発芽玄米といい、芽吹く過程で生成された酵素や栄養がたっぷり詰まっているだけでなく、研がずに白米同様の水加減で炊ける。宮城県の「金のいぶき」という品種は胚芽が通常の3倍の大きさなので、胚芽のつぶつぶした歯ごたえがすごい。プチプチをつぶすのが好きな人は、金のいぶきも大好きだろう。
このお米、とってもガバくさい。炊きたては特にガバくさい(ところでガバくさいって何だよ)。ガバくささの原因は「GABA」という成分にあるようだ。本当は「ギャバ」と読み、気分を落ち着かせる効果があると宣伝されているやつですね。いつも怒っているトランプ大統領をクンクン嗅いでみてもちっともガバくさくないでしょう。そういうことです。
僕のATフィールドは緑色
以上つらつらと紹介してきたものは最近始めたものもあるので(3倍発芽玄米が発売されたのはここ5年のことだ)、24年間僕の体を風邪から守ってくれたのは、その間飲み続けた緑茶だろう。毎朝やかんに火をかけ(心に火を灯す!)、急須に煎茶の葉と抹茶の粉少々を加え(煎じても抽出されない成分を摂るため)、千利休の気分で心穏やかに飲む。緑茶カテキンは風邪だけじゃなくあらゆる菌に効果がありそうだし、湯飲み一杯で10mg(一日の所要量の20%)のビタミンCもとれる。またカフェインはアタマをすっきりさせ、運動時の脂肪燃焼効果もあるときている。緑茶のある国に生まれてよかった。母よありがとう。そして吐しゃ物ケーキのサプライズプレゼント、ごめんなさい。
自分の体に対して「恩着せがましい」気分になったらこっちのもんだ
3倍発芽玄米にすりゴマをかけ、タマゴ納豆キムチと一緒に食し、濃いめの緑茶で締めると、このまま不老不死を実現してしまうのではないだろうかという気さえしてきます。ここまでしてやったんだから分かってるよね我が白血球よ、キラーT細胞よ!と自分の体に対してかなり恩着せがましい気分になったらこっちのもんです。
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朝食はパンと牛乳だけ、とか「ブランチ」とか。そんなことやっていたら、そら風邪ひくわ。ちなみに空腹に緑茶だけ飲んだら胃酸が出て胃を痛めるので、納豆だけ、とかタマゴだけでもいいので何かたんぱく質と一緒に飲むようにしてくださいね。いのちだいじに!
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