![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56064702/rectangle_large_type_2_029ba608a67b600d7811d9c8dbc51d74.png?width=1200)
008-凪の鱗(4)
瞼がぱっとひらいて、目がさめたのだ、と気がついた。常夜灯の、なにも明らかにしない夕陽に似た色が天井に小さく灯っている。寝返りを打とうとすると隣に温かい塊があって、狭くて身動きがとれない。ここはどこ、という問いかけが詩になるよりもうんと早く、ここは男の家だとわかり、そうと決まればここでなにがあったのかすぐに理解できた。わたしは、わたしだ。そのことがどうにも悲しくて、だからといって罪の意識のようなものがまぎれるわけもなく、むしろ膨らんでいって、もっともっと悲しくなった。解決方法はない。足のつかない深いプールに放りだされたみたいに、滔々とやってくる不安にただ流されるしかない。
ここから先は
1,939字
/
1画像
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90420505/profile_33f7f55f36735a00d70ccb6bd4e29115.jpeg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
シメージとはなにか、わたしにもわかりません。わからないけれども書かないといけないようなもののような気がしているなにか、です。今回のシメージは2020年8月に使い捨てカメラで撮った写真に小説・エッセイ・短歌などなにかしらのことばを添えた作品集とします。
シメージ:ある夏の印象
500円
ぶきような作品集。毎月15日・25日に更新します。 ※『nice meeting you』冊子版の購入特典と同内容です。冊子版をご購入さ…
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?