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018-熟れた十字架
コイという名前、珍しいなとおもって注文票をよくよく見たらアイだったし漢字も愛だった。あなたは気力でものを見ているから気が緩んだら近視が一気に進みますよ、と眼科の先生に告げられて二十年近くが経過し、それがほんとうだったのかは定かではないけれど、むかしと比べて視力はずいぶんと落ちて眼鏡やコンタクトレンズが手放せなくなった。加えて乱視の気もあり、満月も街灯も赤いサイレンも、光るものはぜんぶ二重にぶれてでかすぎる。なので輝きの時期である若さも青春もでかくみえて、実際のかたちを忘れてしまいそうなくらいに懐かしく、遠くなりつつある。部署配達のために職場をうろついていたら、がら空きの広場で女子学生たちが誕生日おめでとうと仲間のうちのだれかを祝って騒いでいるのを見つけていやに眩しかった。
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シメージとはなにか、わたしにもわかりません。わからないけれども書かないといけないようなもののような気がしているなにか、です。今回のシメージは2020年8月に使い捨てカメラで撮った写真に小説・エッセイ・短歌などなにかしらのことばを添えた作品集とします。
シメージ:ある夏の印象
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ぶきような作品集。毎月15日・25日に更新します。 ※『nice meeting you』冊子版の購入特典と同内容です。冊子版をご購入さ…
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