【ここがすごかった】PayPayの3つの戦略

先日PayPayが100億円をばら撒き一時的にとても有名になりましたよね。
そこで、PayPayの何がすごかったのかを簡単に説明します。

1つ目は、どの決済サービスを持っている企業よりも先に社会に認知されたことです。
近年、テクノロジーの進展に伴いIT企業による決済サービスが乱立しています。メルペイやapple Pay、アリペイ、Google Pay、origami…
決済サービス戦国時代とも言えますが、PayPayはこれらの企業に先駆けて100億円というインパクトと共に世論に認知させることに成功しました。
一番大きいメリットとしては、他企業がこれから通るであろう壁を一足先に発見したことにあります。
つまり、100億円配ることによってどれくらいの月間ユーザーがPayPayを利用するのか。どの時間帯に最も多く利用されるのか。現行のサーバーは何人のどのような利用によりダウンするのか…
これらの情報をどの企業よりも先に入手することによって、他企業には見えない現場の課題やリアルな購買データを入手することができました。
他企業が同等の情報を入手する場合、同じようなPayPayの戦略を二の次として売っていくか（LINE Payみたく）、PayPayから情報を買うかしかありません。
後者は基本的にあり得ないので、前者の戦略を取らざるを得ませんが、社会の反応は非常に厳しい目線での戦略となります。なぜなら必ず一度目のPayPayのばら撒きと比較された上で検討されるためです。
つまり言い換えると、PayPayは競合他社と比較される権利を買ったということになります。

2つ目は、社会への認知効果です。
世にない新しい概念を社会に発する時は、インパクトの大きさと実用性、それに伴う賛同者・批判者の数が非常に重要となります。
つまり、インパクトが大きく、非常に実用的で日常生活で欠かせないものであり、周囲にそのサービスを使っているユーザーと、ネット上にそのサービスの批判をしている人が大量に集まる時、世に浸透しやすくなるのです。
賛同者は言わずもがなそのサービスの（コア）ユーザーとなるため、非常に重要なのですが、批判者も必ず必要になります。
どういうことかというと、この世は賛同者・批判者・無関心者という3種類のユーザーに分けることができます。無関心がサービスを広めるに当たって一番無くすべきユーザー層です。
批判者は自ら批判という行為によってサービスの認知を拡大してくれるだけでなく、サービスの改善すべき点をあげてくれているケースも存在します。
よくある炎上商法的な意味においても近いですね。
PayPayは「100億円ばら撒き」というインパクトのある広告と、ネット・TVなどを使った大々的な宣伝により、利用者を獲得しました。
そして、サーバーダウンや実用性の面においてtwitterをはじめとする様々なSNSで賛否両論を巻き起こしています。これこそ、無関心者を賛同者と批判者にすることができた大きな戦略効果だと言えます。

そして最後に、yahooショッピングとの連携です。
PayPayはソフトバンクと、ソフトバンクが株式を所有するyahooの出資により運営されています。つまり、yahooショッピングとの連携を行うことができるのです。
何がすごいかというと、下記のフローを描けることにあります。
①PayPayによる家電量販店での大量格安購入
②ECサイトへの流通
というフローが非常に大切になります。
メルカリなどを始めとして、C2Cの二次流通市場や転売市場が形成されてきました。そのため、今回のPayPayで購入された商品が流通されることは予想に難くありません。
また、今回のPayPayは割引率（通常20%,最大100000円分を100%）を押し出しているため、商品自体の購入額が高いものの方が割引額が高くなり、そのため家電量販店での高価な機器が購入される傾向にありました。
それらの商品は価格が高いため、転売に向いていたり、減価償却の面でも2時流通に流しやすいのです。
そこでyahooショッピングを利用することによって、二次流通市場を提供した上で、yahooショッピングへの登録、またマネーの保留を行わせることに成功しています。
結果として、個人の購買フローにおける選択肢を提供した上で、さらにECサイト利用のインセンティブを付与したことになります。

以上が私がすごいと感じたPayPayの3つの戦略でした。

PayPayは、IT企業による決済サービスという日本で未成熟な市場において、ファーストペンギンとなって社会に認知を広める戦略はリスクが高い分、非常に大きなリターンを得たと言えます。

お読みいただききありがとうございました。
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