見出し画像

笛を習ってみようかな、なんてね

 週末になると石井ゆかりさんの週報を開くというささやかなたのしみがある。今日(1月31日)からの7日間について書かれたものを読んでいたら、牧神パンの名前が出てきた。山羊座に関連づけられている、ギリシャ神話に出てくる神の一柱である。そういえば以前、仲間うちでこのパン(パーン)が話題になったなとおもって遡ってみた。

 パンは「パニック(Panic)」の語源とされる。その有名なエピソードとしては、神々の宴会中に怪物テュポン(テューポーン:タイフーン、台風)が乱入し、おのおの変身して逃げるなか、酔っぱらっていて慌てたパンは上半身が山羊、下半身が魚の姿に変身してしまった、というもの。そして、そのあまりにヘンテコな姿に他の神々に大ウケしてその記念(?)に星座に残されたのが山羊座なんだそうだ。

 上半身の山羊の姿は(山羊が高山動物であることから)山の頂上、高いところを表し、下半身の魚の姿からは海底や水の中という境界線のない世界を連想されることから、世界のあらゆるところに到達できるというので「全て(Pan)」を意味する言葉の語源だとも言われている。水陸両用、両性具有。

 それからパンは葦笛を持っている姿で描かれていることも多く、この葦笛というのはこんなエピソードをもつ。パンは惚れたニンフ(ニュンペー)を追いかけるのだけれど、ニンフは川の方まで逃げていき、パンが彼女に手を触れたときに、ニンフは川辺の葦に姿を変えてしまった。パンはその葦のいくつかをとり、笛(パンフルート、パンパイプ)を作って持ち歩くようになった。

 このところ山羊座に星が集まっていて、29日には5つの星が位置していて山羊座祭りだった(金星、水星、火星、冥王星、月)のだけれど、この週末はまさにこの山羊座祭り、牧神パンを象徴するような、普段のひたすら地味な日常とは真逆のカラフルな時間を過ごしていたのだった。そのためこのパンのことががぜん気になっているのだった。

(あ、私は太陽と水星が山羊なんですよ)

 パンはサテュロスとも同一視されることがあり、このサテュロスというのは淫魔とされていて、ちょっと調べていただければ色々と出てくるのだけれど非常に男性的な象徴を多く持っている。このあたりは山羊座の特徴というか、支配星である土星のイメージともいっしょになって、男性性が際立って感じられる。

 なんかね、散らかってきましたね。
 私はこの週末にとても強く輝きを放つような、大きな光を感じる体験をして、その光がまぶしすぎるために自分のなかの深い闇と繋がっていき、少し混乱のなかにいる(パニック)。勢いが大きすぎて、受けとめるのに時間がかかっている。この、光と闇を内包した出来事と、両性具有的であり「全て」を表すパンの姿イメージとにつながりを感じている。
 それから、笛とか、肉体のことも話題にした。パンに追いかけられたニンフは肉体を捨てて葦になり、その葦で笛が作られたという部分に反応する。いくつかのことが符合して、でもそれらが何を表しているのかは大きすぎて私にはまだ見えていない。処理ができていなくて言葉にもすることができず、何度も繰り返し思い起こしては、思考停止状態になり、一方で色んな感情が湧いてくる。

*

 明日は新月だ。

 マーリさんの読みもスゴイ(そしてこのタイトルですよ)。

サポートを頂戴しましたら、チョコレートか機材か旅の資金にさせていただきます。