喫茶店百景-レモンスカッシュ-
たまに行く平井さんの店ではだいたいいつもコーヒーを頼むんだけれど、先週のとても暑かった日、レモンスカッシュを注文してみた。まだお昼になっていなくて、店主(平井さん)の手がすいていたからである。
カウンターに座ったから、平井さんがレモンスカッシュを作る様子をじっとみていた。レモンスカッシュといえば、以前わが家(むかし両親が経営していた喫茶店のこと)での場合を、記事にしたことがあったね。
平井さんは、生のレモンをふたつにわって、ガラス製のレモン絞りでぎゅうっと果汁を絞り、それを氷で満たしたカクテルシェイカーに入れた。
慣れた手つきでシェイカーを振って(いい音がする)、きんきんに冷えたレモン汁を、氷を入れておいたグラスに注ぐ。そこにトニックウォーターを足して、最後になにかを垂らした。たぶんブランデーかなにかだとおもう(聞けばよかった)。
うちの店では最初からシロップを適量混ぜて出していたけれど、平井さんはシロップを加えないでサーブした。となりに、たっぷりシロップが入った容器がそえられた。
外はすごくすごくすごく蒸し暑くて、店に入るまで歩いてきたためにあつあつだった。さっぱりしたくてシロップを加えずそのまま飲んでみた。すっぱい! おいしい! 基本的に喉が全開で一気飲みするくせがある私は、ひと息で最後まで飲んでしまいそうになる。
最近は、そういうことをするのは行儀がよくないなあとおもってやめることにしていて、この日も気もちを抑えつつゆっくり飲んだ。
シロップを途中で加えてもいいな、とおもったけれど、結局さいごまで入れずに飲んでしまった。
この店は、フレッシュな果物や野菜をつかった生ジュースも評判で、バイタミックスとかそのへんの凝った調理器をおいている。頼んでみたいな、とおもいながらも、行くと混んでいることが多いからつい「コーヒー」と言ってしまう。
ランチタイムに生ジュースはめんどうだろうな。そういうことを考えてしまうのだ。
(次々にオーダーされるサンドイッチやナントカ定食をさばく合間のチョコレートパフェとか白目になる)
レモンスカッシュはゆるされるだろう。いっぱいフルーツ切らなくてもいいもんね。
平井さんとこの軽食はサンドイッチやトーストなどのパンがメインである。そこにそえられるサラダやフルーツはとてもきれいで、忙しい中でも手際よく準備する様子はみていて気もちがいい。
こういう店はなくならないでほしい。
写真は2枚とも、2022年に撮ったもの。