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次はどうする?

 「次はどうする?」というこの科白は、ドラマ『Closerクローザー』でFBIの夫フリッツから元CIA捜査官でLAPDロス市警チーフの妻ブレンダにむけて発せられた言葉で、これはある事件をFBIとLAPDの両方が追っていた際にLAPDが(ブレンダが)次にどういう動きをするのかを探りたかったフリッツがとぼけた感じで投げかけたときのもの。いつもながらどうでもいいところからはじめます。

 日常的に思考が動き続けるのはもうクセになっていて、だけどそうはいっても自分という存在のみでそれをやっていたって、それは非常に狭い世界でのことなのであまり発展がない。だけれども、そこに他人の視点や意見で他の選択肢や可能性が広がる場合がある。
 そういうありがたい助言を加えた、次はどうする? というのを日常に持ち込んでみると、非カラフルな日々がちょっと鮮やかになったりするのです。

 写真を教わって、カメラを手にして写真をただ撮りためていた段階から、現像や加工といった次の段階(あるいはひとつの手段)があることを示される。撮った画像に対し外部から色々な指示を加え、おもい通りの仕上りに持っていったり、さらにそれを素材にしてなんらかの作品に仕上げたりできるというのである。
 写真というと、一眼レフなどといったレンズ交換式の機材で撮る場合、そっちの技術を磨くことにばかり気を取られていた。もちろんそういった知識や技術の向上はたいせつで、上達するだけしたいとおもう。それで写真データにソフトウエアを使って何らかの加工をすることは、そういうのを妨げるというか阻害するとか、どこかそういうふうにおもっていた。
 だけれども実際にいくつかのソフトウエアを使ってみて、より撮影における仕組みなんかに気づきを得たり、疑問が湧いたりしてきて、それはいいほうの効果かもしれない。
 それでまた「おもしろい!」とおもうし、自分の好みみたいのも視覚化されたりして、これもひとつの実現と言えるとすると、それはちょっといいものである。
 そこでまた「次はどうする?」が出てきて動画のほうに興味が増えていくなどするのだった。

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 もうひとつ、あまり書きたくないけれど書いておきたいというかそういう矛盾を抱えつつ仕方なく書くけれど、ピアノのこと。
 チビのころに、母のイトコがピアノ教師だというので習い事に出かけていた時期があった。そんなに長くもなく、そうかといって極端に短いわけでもない期間だったのだけれど、あまりにヤングすぎてというかどうもそのころのあらゆる記憶が抜け落ちていて(店のこと以外)、だから今の私にはそのとき習得した(かもしれない)ピアノまわりの物事の影は見当たらない。
 数か月まえにKさんのちょっとしたひと言ふた言から、おそるおそるピアノに触れるようにしているのだけれど、ぜんぜん指が動かなくって情けなくなる。それはいいとして(よくないけど)、簡単なメロディや和音というのだけでもどうも音がキレイではない。簡単なメロディや和音というのは何かというと、コンピュータにデフォルトされていた無料ソフトで易しく教えてくれるのというもの。しばらくそれを活用して、指はいくらか動くようになっても、音がどうもいまひとつという状況にあって、ここでも「次はどうする?」が出てくる。
 教本みたいなのも増やしたりするんだけど、あるときふとYouTubeで見つけたチャンネルで、指のエクササイズ動画というがあった。とにかくいっぱいメロディを弾いてみるというのと違った方向に目が向いたわけ。
 すごく単純だけれどやってみるとわりとムズカシイそれを、何度かやってみるとそれだけで音が変わった(自分調べ)。こんなからくりがあったのか、とおののいた。
 これをチビのころに教わりたかったななどと身勝手なおもいを抱えつつ、あのころが一体どういうふうであったか真剣に気になってきた。でも私のかつての先生は数年前に病を得て亡くなられてしまったので確かめようもないし、それをしたところでまあ栓のないことですね。知ったところでうまくなりようもないので、ここでもたびたび「次」を見つけつつ励んでいきたい。

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 何かに興味を持つ、習得をする、学ぶ、娯楽でなくとも仕事上の何かとか単に日常のちょっとしたこと、とにかくまあなんでもよいのだけれど、我々は常に何ごとかをしている。ほとんどすべてにおいて、想定される物事を他人が1かせいぜい3くらいとしたら、10も20ものパターンを想像するというのをやり続けてみると、はじめはちょっとくたびれるけれど有効に使えるようになってくると対応力が鍛えられてくる。そして興味を持ったならとりあえずやってみると、すこし世界が広がってくる。こんなことを日常化していたら、寝る時間は減るし頭はつかれるしどうかすると身体にも及ぶのだけれど、(お金と一緒で)使えるものは使えばいいという感じになってきた。
 思考したものごとを言語化するのにはまだまだ時間がかかるので、それをどうにかしていきたい。

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今日の「出張で」:久賀島を経て福江島に来ています。九州商船のジェットフォイルでは降りる際に乗船券の半券を回収するのだけれど、そんなこと考えもしてなくて、要求されて慌てる人というのを毎回必ず3人は見ます。

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