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子ども時代からの本を詰める棚

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これまで読んできて特に好きなもの、印象に残っている本を詰める本棚です。読み終えたものを詰めることも。
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#安彦良和

ひみつの対話

 ジャンヌ・ダルクに関する本を読んだ。先に、そのあたりのことを描いた漫画作品を読ませてもらって、そのあと500頁以上ある分厚い文庫本という順番だった。  その時代におけるヨーロッパの領土まわりをめぐる争いというのは事情がこみいりすぎていて、文庫本のほうではわりと詳しく書いてくれているにも関わらず、なにしろ私の頭がにぶくて整理が追いつかないままでいる。とりあえずそっちはすっとばしてジャンヌ・ダルクに注目をしてみる。  彼女が異端として裁判にかけられ、処刑後になって復権裁判や列聖

集治監から明治をたどる

 昨日の記事に書いた漫画作品の一つは『王道の狗(安彦良和作)』というもので、この物語のはじまりが北海道中央道路建設などの、北海道開拓のシーンからだった。  北海道の主要幹線道路、樺戸集治監、といったら以前読んだもののなかにあったような記憶が浮かんで、手持ちの本を漁った。  それは『河童が覗いたニッポン(妹尾河童)』という本に収められた、「集治監」という題の取材文章だった。そこでその北海道の主要幹線道路が囚人道路などと呼ばれている、というのを読んだことがあって、でもやはり詳細を

パンダの見つからない動物園

 途中まで読んでそれきりになっていた漫画と、それとだいたい重なるところのテーマを別の視点で描いてある漫画を読ませてもらったことから、改めて興味を向けているものがある。それは満洲まわりを含めた、昭和初期を中心とした時代のことだ。  ずっと前に、ノモンハン事件のことを書いた文章を読んだことがあった。私の時代の教科書には載っていたのかいなかったのか、社会科は苦手科目だったせいで私が記憶していないだけなのかわからないけれど、その文章では、ノモンハン事件のことは教科書に太平洋戦争に関

日本神話とわたしのこころ

 日本の神話がわりと好きで、本を読んだり旅先でゆかりの地に足を運んだりしてたのしんでいる。カミサマもいろいろでおもしろい。  つい最近まで名前を存じあげなかったんだけど、安彦良和さんという(超有名な)方が、日本神話をもとにした漫画本をいくつか描いているというのを教えてもらった。興味を示したら読ませてもらうことができたそれは『ナムジ(全5巻)』『神武(全5巻)』『ヤマトタケル(全6巻)』とに分かれた3つの作品で、どれもたいへんおもしろかった。  何といって、神代の時代というの