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子ども時代からの本を詰める棚

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これまで読んできて特に好きなもの、印象に残っている本を詰める本棚です。読み終えたものを詰めることも。
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2023年8月の記事一覧

意識の及ばないところ

 広島と長崎に原子爆弾が投下され、それに続く終戦が近付いた周辺には、そういうところにいくらかでも意識がいくものである。誰しもがいくらかはそういうものであるかもしれない。  ところでそれというのは、無意識下でも影響があるのだろうか、このごろ読んでいる本のなかで、おもいがけず印象深いものがあった。  『主の道を歩む人』というタイトルのその本は、長崎大司教区の司祭として大浦天主堂の主任司祭をしていた中島政利神父が書いたもので、現在ある文章のために借りてきた資料のうちの一冊である。