【私と本】泥の中から咲く蓮の花はうつくしい
何を探しているときだったか忘れたけれど、スタン・ゲッツの伝記を見つけて手に取った。ドナルド・L・マギンという人が書いていて、翻訳は村上春樹氏だった。
二十二の章からなる、訳者あとがきまで含めると570ページを超える大物で、かなり読みごたえがある。スタン・ゲッツという人の演奏を、ほんのいくらかは耳にしたことがあるといっても、ほとんど知らない(というかジャズのことだってほとんど知らない)。読み進めるごとに胸が締めつけられ、その音楽の持つ底力に圧倒されるおもいがしてくる本だった