マガジンのカバー画像

子ども時代からの本を詰める棚

71
これまで読んできて特に好きなもの、印象に残っている本を詰める本棚です。読み終えたものを詰めることも。
運営しているクリエイター

2021年5月の記事一覧

【私と本】大橋歩さんの文章

 大橋歩さんを知ったのは、村上春樹氏の本からだった。銅版画を見て、こんな版画をつくる人ってどんな人だろうと興味を持って調べると、雑誌『MEN’S CLUB』へのイラスト掲載を経て『平凡パンチ』の表紙を担当していたイラストレーターという経歴にあたり、ますます興味が湧いた。  いくつかのエッセイ本を読んでみて、独特の文章を書く人だな、とおもった。読みにくいようで、読みやすいようでもあって、誰とも違うリズムを持った文章に、すごーく惹かれた。  前に、食べものまわりの描写について女

【私と本】アルバム『ペット・サウンズ』とビーチボーイズというバンド

 私がビーチボーイズというバンドの音楽を改めて『聴いてみたいな』とおもったのは、この本がはじまりだった。  ある日書店で、この本が平積みされていたのを手に取ってからだとおもっていたのだけど、確か書店で私が見たのは文庫本、文庫本が発売されたのは2011年のことのようだ(単行本としては2008年)。読んだのは2年ほど前だったとおもうから、ずいぶん記憶が散らかっている。  とにかく、この本を読んだ。そしてバンドの音楽を聴きたいとおもった。それまでに、流れているのを聴いたことはある

【私と本】そんなこともあるだろうな、とおもった

※ちょっとだけ修正しました。  ブッククラブ回というサイトのInstagramをフォローしていて、気になった本をチェックするようになった。これはそのうちの1冊です。  タイトルに惹かれて手に取ったのだけど、読み進めていくうちに「まあそんなこともあるだろうな」と思う内容だった。  遺伝(する)というのは、いくつかの形があるように(個人的に)おもったのだった。  成長していく過程で、大抵のひとは家族に影響される。そのほとんどが両親によるものがおおきいとおもう。  本の中では

【私と本】安野モヨコさんのくいいじ

 漫画家の安野モヨコさんのエッセイ本。  久しぶりにこの本を手に取って開いたら、2006年の連載と書いてあって驚いた。15年も前の本だとおもわなかった。作家の中には年齢や年月を感じさせない方がときどきいるとおもう。  文藝春秋に連載していた、食べものエッセイ。上下2巻に分かれていて、単行本が出てすぐに購入したとおもう。函入りで、その図案も、色も、タイトル文字も、表紙の紙質と色、書体、手触り、挿絵と、ぜんぶが好きだから手元に残している(たび重なる引越しでたくさんの本を手放し