私を照らす「ORION」
水江建太さんの楽曲、ORIONについて
私の中で感じたこと。
はじめに
「ORION」という歌とそこに込めた思いは、水江建太さんのものであり、彼の言葉以上の正解はありません。
これから記す私の言葉はあくまでも私が聴いて受けた感想と考察になります。
歌詞の解釈を言葉にしてまとめることが「無粋」「野暮」であることは私自身も重々承知の上ですが、とても素敵なこの曲をこれから聴く人、これからも聴く人がより何かを感じ取れるほんの少しのスパイスになればいいなと思います。
歌詞から受け取る「決意」
project asA のライブ第2弾 ROCK に向けて作られた「ORION」は作詞:水江建太 作曲・編曲:Yu (vague)の最強タッグによって生み出された曲です。
役者として生きる水江建太の等身大をアーティストの水江建太が歌うこの曲は両方を全力で取り組む彼にしか歌えない歌で、それを近くで見てきたYuさんとだから作ることができたものだと思います。
私にはこの曲が、彼が役者として進んできたこれまでを踏まえ、序章→苦悩と気付き→決意の順で描かれているように感じました。その理由を話す上でまず「オリオン座」と「使い分けられた二人称」について掘り下げさせてください。
1.オリオン座
ORIONというタイトルの由来であろうオリオン座は真冬の南に最も光る星座と言われています。
歌詞の
・星座=オリオン座
・ORION=オリオン座
と仮定して聴くと
1番では、真冬に輝く星座に照らされ、それに焦がれながらも夢を描き走り続ける姿が記されているように感じます。
2.使い分けられた二人称
また、この曲では「あなた」と「君」という2種類の二人称が使われています。私は、
・あなた=オリオン座
だと解釈しました。
1番Bメロに出てくる「あなた」では、前文で星座に触れていることもあり、この曲での「あなた」は総じて
あなた=星座=オリオン座(ORION)
と解釈できると思います。そして
この詞に繋がることから、2番は悩みながらも自身の中で何か進むべき指標や鍵を見つけたように受け取れます。
また、個人的に
迷ったって立つことを決めた 1幕を忘れはしないORION
の歌詞が好きなのですが、
この曲が作られたasA ROCKはファーストライブであるcitypopを経ての第2幕と言えるライブでした。ここで歌われている「1幕」はasAにおける1幕であるcitypopの時の気持ちを忘れずにこれからも続けていくという意味合いが含まれていると思います。
また、彼自身の歩みに置き換えると違う意味合いにも受け取れます。
以前、最初はアーティストになりたかったとお話していた水江さん。配信等では、デビュー当時にお芝居をやることについてどう考えていたかを伺えるお話も幾度かありました。やりたいことと今目の前にあるお仕事のギャップで悩むこともあったのかなぁと思います(※あくまで推測ですが)、また数々の作品に出演している現在も、彼のストイックさを見ていると私たちが知り得ないところで思い悩む日々があるように感じます。この歌詞は、色んな葛藤や悩みがありながらも様々な経験と出会いを経て役者の道を進むことを決めた(迷っても立つことを決めた)1幕、つまり初心、原点を忘れないという表明の意も掛かっているのではないでしょうか。
脱線してしまいましたが、次に「君」についてお話していきます。私は
・君=この曲を聞く全ての人(彼を応援している全ての人)
だと思いながら聴いていました。
同じように感じながら聴いている人も多いのではないでしょうか?
君という言葉は曲の後半から登場します。
ラスサビの盛り上がりに向けた助走のようなCメロも込で、個人的に1番好きな部分です。
ここに出てくる Interlude という言葉は、日本語で「幕間」Play The Part は「役を演じる」と訳されます。
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、そうです。そうなんです。
このCメロからラスサビにかけては、2番までORIONに照らされながら走り続けていた彼が、今度は闇に迷う誰かを照らすORIONであり続けることを決意する歌詞なんです。
こんなの聴いて泣かないわけが無いです。
また、Play The Part という言葉は役を演じるという意味の他にも「役割を果たす」という意味でも用いられます。つまり、誰かを照らす強い光である為に自分のできること、自分にしかできないことをする という意味が込められているのだと思います。
更に、先日のanswerでお話されていた「今暗闇にいて周りが見えなくなっている人もいるかもしれないが、支えてくれてる人は必ずいる。そして俺も、君の味方です。」という言葉を受けると、彼の持つ強く一貫した信念を感じ、よりこの曲が好きになりました。
おわりに
私は、水江さんが作る曲の、回りくどくなく且つ安直でもない刺さる歌詞がとても好きです。
中でもORIONは、まるで彼の人生そのものがひとつの舞台であるような言葉選びが印象的で、込められた強い思いに聴く度力を貰います。
そしてこの曲そのものが、聞く人を照らす不動の星座のように感じるのです。
長々とお話してしまいました、書きながらやはり言語化は難しいし、無粋かも…となることもありましたが、この先この曲を何度も噛み締める中で、今心にある感想を振り返れるように、ここにしたためさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。