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好きなこと・やりたいこと・得意なことがない人の会社選び

幼少期から、将来の夢を聞かれても答えられない子供だった。

そのまま大学生になり、一生学生でいたいと思いながらも周りが就職活動にのりだしていくのに遅れまいと、

闇雲に何十社にもエントリーをした。


好きなこと・やりたいこと・得意なことがこれといってなかった私には「サラリーマン」以外の選択肢はなかった。

就職ナビサイトの「業種」「職種」のサーチ画面でよくフリーズしていたこと、

四苦八苦して各社の志望動機を練っていたことをよく覚えている。


社会人になっても、やっぱり「好きなこと・やりたいこと・得意なこと」は見出せず、ナビサイトのサーチ画面でフリーズしていたし、

希望の年収・働き方については明確に転職エージェントに伝えられるものの

出してもらった案件を見てピンとこないな..私の理想の仕事はどこにあるんだろう...と頭を抱えていた。

友人の紹介で運良く今の会社に転職を決められたものの、次のキャリアはどうするか?と人に聞かれると困ってしまうのが現状である。

ただ、今、人材業界で働いてて面白いのはいろんな会社を知れることだ。

会社のあり方や仕事のあり方って百社百様なのだ。


面白い会社を見つけた。

女性ならみんなよく知っている、ソープの会社、LUSHである。

記事によると人事部の安田氏曰く、LUSHの企業理念には「倫理的」であることを価値としているそうだ。

ラッシュは、ビジネス上の利益と倫理観の矛盾に悩むことはいっさいありません。なぜなら、いかなるときも倫理観を優先するからです。それが我々の徹底したポリシーです。象徴的なことでは、動物実験への反対があります。化粧品において、人間への安全性を動物で100%証明できない以上、動物を犠牲にするわけにはいきません。ラッシュでは、より科学的に立証したり、人間の肌で確認したりすることが重要であると考えているため、輸入化粧品に動物実験を義務付けている中国ではビジネスをしていません。たとえ中国が大きな市場であっても、倫理観を優先する考え方に変わりはないからです。

面白いのは、この「倫理観」を人事制度や就業規則にも当てはめてしっかり従業員の一人一人に根付かせる工夫をしていること。

原材料の購入についても「エシカルバイイング」と呼んでいますが、児童労働を許していないこと、環境汚染をしていないことなど、さまざまな条件を徹底して確認します。プラスチックゴミ削減にも取り組み、パッケージは最小限に留め、このオフィスでもペットボトルは持ち込み禁止です。ブランド全体の経営が徹底しているからこそ、社員の日頃の行動に至るまで、その価値観は浸透しています。

LUSHの採用方針も、やっぱりこの「倫理観」からぶれることはない。

人によっては、「会社やブランドは関係なく、仕事は仕事として行いたい」という人もいると思いますが、そういった方はラッシュで働くことは難しいです。また、プライベートと仕事ははっきり分けたい、会社ではプラスチックボトルを使わないけど、家ではそんなことかまわないという方も、ラッシュには合わないと思います。仕事には自ずとその人の理念信条が表れるからです。オーナーの息子でCDO(最高デジタル責任者)のジャック・コンスタンティンは、仕事と生活を切り分けない「ワーク・ライフ・インテグレーション」という考え方を支持しています。ラッシュで働くことで生活の価値観が変わり、生活の価値観によってラッシュのビジネスがドライブされるのです。


日本はまだまだ後手と感じるもののコーポレートブランディングを育てよう・大切にしようという風潮は年々高まってきている。

だが、それを実現するために仕事や従業員の行動まで、LUSHほどきっちり落とし込みができている会社は少ないのではないだろうか。

「倫理観」に重きを置き外れた行為は一切行わない、と徹底した姿勢はとても魅力的であるし、

待遇だけでない、会社で働く誇りややりがいを持たせてくれるのではないかと思う。

この記事でも書いたけれど、これからは個人のストーリーや価値観に基づいて転職する時代だ。


みんながみんな自分の「好きなこと・やりたいこと・得意なこと」を軸に仕事を探す必要もない。

自分の持っている価値観に合った会社で働くという選択も、きっと一つの幸せな選択ではないだろうか。

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