遠隔教育(オンライン指導)で重要な3つのポイント
(※2020年4月20日の記事です)
昨日このサイトをSNSで公開してから、たくさんの人が訪問してくださり、いろいろ反響がありました!ありがとうございます!
その中でも、実際の学校現場からいただいた声がとても参考になったので、現場を想像しつつ今何ができるかを私も考えてみたいと思います。
まず予想していたとおり、現状はプリント配布で課題をやってきてもらうのが主流のようです。週一で登校日を設け、子どもの健康状態をチェックしているところもあるみたいです。連絡事項はいまだに連絡網(電話で伝言ゲームみたいに繋いでいくやつ、緊急時に繋がらなかったときのプレッシャーがはんぱない)というのもまだまだあるようです。
こんなときにオンラインのプラットフォームを導入していると、生徒の学習サポートや進捗管理がもっと簡単にできます!といっても、今すぐに環境整備できないのは承知なので、とりあえず自分が体験したことをベースに、オンラインでの指導にあたって①どんなことができるか、②どんな機能が必要なのか、③どうサポートすればよいのかを紹介してみたいと思います。
これを読んで、どうデジタルツールを活用すればいいかのイメージを持ってもらえれば、似たような活動を今すでにあるツール(LINEとか)で簡易的にスタートすることもできるかもしれません。
①どんなことができるか
簡単に説明すると、オンラインプラットフォーム上ではこんなことができます。
・先生からの指示やお知らせを一括で紹介←ホームルームみたいな感じ
・様々な形の課題を与えられる(文書、動画、音声など)←プリント配布と同じ
・先生と生徒・保護者が個別または全体でチャットできる←メールより早いし便利
・生徒の課題の進捗管理ができる(宿題の提出、小テストの実施など)←教室と同じ
基本はこんな感じです。その他にはこんな機能もあります。
・スケジュール管理ができる ←提出物の締め切りの表示、カウントダウン
・オンラインミーティングの設定、実施ができる ←授業や面談に使用
・アンケートを実施できる ←健康状態のチェック、ミーティングの希望日時集計など
つまり、学校が通常行っている指導のほとんどがオンラインでも可能ということになります(風紀指導や食育(給食)は無理ですが)。
②どんな機能が必要なのか
上記のできることをざっとまとめて、次の機能さえあればどんなツールを使ってもオンライン指導できますよ!という極論です。
・データをシェアできる機能 (課題の配布、宿題の提出)
・チャットできる機能(個人・グループ) (連絡事項の配信、質問、交流)
以上です!え、二つ?いろいろ考えたんですけど、これ以上に必要な機能が思いつきませんでした。この機能ってだいたい交流型のツールならどれでもついているので、LINEでもなんとかいける論は正しいのではないでしょうか?
でもLINEやメッセンジャーなどのツールで不便なのは、書き込んだらどんどんチャットが流れてしまうこと。なので、スレッドを立てられるSlackの方が便利ではあるかも(使いやすさはちょっと微妙ですが)。
機能がたくさん追加(プラグイン)できるので、社内の連絡ツールとして使われてたりするみたいです。先生同士のコミュニケーション手段とかにはすごくいいかもしれません。
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③どうサポートすればよいのか
いくら先生が頑張って環境を整え、生徒に利用を促しても、そのまま放置していては多分生徒は動かないでしょう。ここがオンライン指導の一番難しいところで、直接会えない分見えないところでどう活動しているのかが把握しにくい、また生徒自身も何をやっていいのかいまいちわからない状況に陥りやすいのです。
それはオンラインミーティング(ビデオ通話)での指導の際にも言えることなのですが、今回はもっと大まかなオンライン指導という枠組みで話をしていきます。
個人の意見ですが、重要なのは【先生が生徒の学習の進捗を確認し、追える状態をつくること】かなと思っています。
これは与えた課題を全部しっかりやらせる、という意味ではなく、①生徒が自分で学習をすすめられるような仕組み・流れを準備し、②先生と生徒の間で活動を共有し合うことが大切だという意味です。
こっちでお子さんが小学校に通われている方に教えていただいた話ですが、たとえばフィンランドの小学校では、Wilmaというプラットフォームを使って、
先生が課題を出す→生徒が自宅で進めて提出→それについて先生がコメントし、進捗確認&コミュニケーションを図る
という流れで家庭学習を実施しているみたいです。
子どもが自分で、どこを見たら何があるかがわかる、どのように進めたらよいかがわかるように環境を整備して、サポートしてあげたら、遠隔でも生徒一人ひとりに寄り添った教育が実現できるのではないでしょうか。
そのためにも、シンプルで使いやすいプラットフォームを利用し、導入部分でしっかりと説明をすることが大切だと思います。また、スマホやパソコン等のデバイスがない家庭には、タブレットの貸出や、保護者の方の協力が必要不可欠でしょう。
こんな感じで、オンライン指導で大事なことをまとめてみました。
肝心なプラットフォームに関しては、王道でいくとMoodle、Google classroom、Microsoft Teamsがセキュリティ面や使いやすさからおすすめかなと思います。
生徒として利用した感想は、個人的にはMoodleが一番使いやすかったです。理由は、視覚的にどこをクリックしたら何が見れるというのがわかりやすいからです。どんな構造になっているかは別の記事で少し紹介しています。
課題の配布はもちろん、クイズやテストもこの中で作れるし、生徒が個人アカウントでログインし活動するので、進捗管理もしやすいと思います。
しかし!どうやらこのようなe-learningのプラットフォームは学校で契約したり、特定のサーバーが必要だったり、なんか今すぐ簡単に導入できるものじゃなさそう。。
私は昨年の授業でEliademyというサービスを使ってオンラインコースのデモ版を作ったことがあるのですが、これは個人単位で無料でMoodleと同じようにコース設定して生徒を登録し、課題の提出や小テストの実施ということが可能でした。
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3人で協力しながら、Teacher trainingをテーマにテキストと動画を交えたコンテンツと小テストを含むコースを作成したのですが、3時間くらいでできたと思います。でも日本語版がなさそう…
大学の先生とかはここでコースを作っておくと、休講する代わりにオンライン学習に切り替えるとかできそうなので、便利かもしれません。個人でコース作れるのでセミナー講師にもいいかも?
少し話は逸れましたが、今あるものでもできることはたくさんあると思います。
たとえ距離があっても、少しでも先生が生徒をサポートできるように、上記のアドバイスもふまえて何ができるか考えてみたら新しいアイデアが生まれるかもしれません 🙂