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Fediverse (分散型 SNS) について自分なりにまとめた
まえがき
この記事は「友人に Fediverse を説明するとしたらどんな感じになる?」がテーマ。僕は技術者でもなんでもないのだけど、Fediverse を始めてからいろいろ学んだことを書けたら良いな、という気持ち。専門的なことをあまり含めないのでわかりやすいかもしれないけど、反面正確さに欠ける。素人がえらそうに書いてるので専門家には退屈な内容かもしれない。僕は Misskey サーバーを利用しているのでちょっと偏りがあるかも。土下座には自信があります。
Mastodon のブームも Misskey のブームも収まってだいぶ経つけど、振り返りの意味も込めて。
Fediverse について、Fediverse の始め方、そして Misskey サーバーの建て方について記載している。長いので適宜読み飛ばしてもらって構わない。
Fediverse(分散型 SNS)
要は SNS 同士が通信するってこと
いきなり説明をぶん投げるのだけど、下記のサイトに非常にわかりやすくまとまっている。いいんだ、情報源に頼るのも大事だ…。
いわゆる中央集権型(XやInstagram,Facebookなど)と異なり、複数の運営者に分散化・分権化されているSNSです。分散型SNSでは、複数の種類のSNSが連合として形成されており、同じプロトコルを使用しているアプリケーションであれば、サーバーが違ってもフォローし合ったり、投稿を見ることができます。
分散型SNSが形成するネットワークはFediverseと呼ばれています。
個人的にこの説明はとてもわかりやすいのだけど、もうちょっと噛み砕いてみよう。
よくあるイメージだと、 SNS って一社が運営してて、そこに登録して利用する。だから例えば X のユーザーが Instagram のユーザーをフォローする、あるいはその逆、なんてできるわけない、そうだよね、そりゃそうだろって。
でも、もしそれができるとしたら?とある SNS から、別の SNS のユーザーをフォローして投稿を見れる…なんか便利そうよね。
それができるのが分散型 SNS 、通称 Fediverse 、というもの。とある SNS から別の SNS のアカウントをフォローして投稿を見る…それができる、そんな感じ。
Fediverse というのは造語で、連合(Federation)することで宇宙(Universe、つまり巨大な SNS)を構築するっていう思想的な言葉らしい。ふーん、かっけーじゃん。実際は宇宙っていうほどでかくはないけどさ。
もちろん X から Instagram のユーザーをフォローするっていうのはできなくて、連合(Federation)に対応した SNS 同士ならそういうのできるってこと。
(余談。分散型と言ってるけど情報系分野における分散とは微妙に違うので「連合型」と言うのが好まれるらしい。ただ、一般的な呼び方ではなさそう。)
とりあえず、SNS 同士が通信するんだなーくらいで。
ソフトウェアとサービスって実は違う
Misskey って知ってる?あるいは Mastodon でもいい。Mastodon って昔聞いたなーとか Misskey 流行ったなーとか。知らない人は調べてみよう。
実はこの Misskey とか Mastodon っていうのはソフトウェアの名前。Fediverse の機能を持った SNS「ソフトウェア」。ソフトウェアっていうと…なんていうかな、ゲームみたいなもんを想像すると早いかも。Minecraft とかのゲームは、パソコンでプレイする時にインストールしてからプレイする。Misskey とか Mastodon とかも実はそうで、みんなのよく知るパソコンにインストールして使うものってこと。
Misskey とか Mastodon っていう名前のサービスが存在するわけではないんだ。ここはよく誤解されてる気がする。
雑にいえば、 Misskey とか Mastodon とかをパソコンにインストールしてインターネットに公開すると「サービス」、つまり SNS になる。こいつらは連合(Federation)する機能を持ってるから、パソコンとパソコンが通信して巨大な SNS、つまり Fediverse を形成する。そんな感じなんだ。
サービス(Service)を提供する存在をサーバー(Server)って呼んでる。サーバーってのは役割のことで、実態はパソコンということ。Misskey が入ったパソコンなら Misskey サーバー、 Mastodon が入ったパソコンなら Mastodon サーバー。Misskey とか Mastodon 以外のやつも総称して Fediverse サーバーなんて呼ぶこともある。
パソコンって、あのパソコン…?ていうと、そう、あのパソコン。みんなの家にあるパソコン。けどちょっと違うかも。大抵の場合は Windows じゃないし、大規模なサービスだと超つよつよスペックの馬鹿でかいパソコンになる。それらをパソコンと呼ぶ人はまあいないんだけど…実は仕組みは同じだ。パソコンと呼ばないならなんて呼ぶか?…「サーバー」だ、そう呼んでる。
こいつらを利用したサービス、つまり SNS が、Misskey なら misskey.io とか、Mastodon なら mastodon.social や mstdn.jp っていうことになる。つまり X や Instagram に相当するものは Misskey とか Mastodon とかじゃなくて misskey.io とか mastodon.social ってこと。ややこしい。
ちなみにさらにややこしいのは、Fediverse ではサービスのことをサーバーって呼ぶ。 misskey.io は Misskey サーバーのうちのひとつで、 mastodon.social は Mastodon サーバーのうちのひとつ。この辺は言葉のふやふやさが原因なので、考えるな、感じろ。どちらかといえば、〇〇サービスって言い方は通常しない、〇〇サーバーって呼び方が通称なので、ここでもそう呼ぶことにする。(ちなみに Misskey では昔は〇〇インスタンスって呼んでた。なんだって?)
とりあえず、ソフトウェアとサービスは違うってとこがわかれば大丈夫。
ActivityPub、AT Protocol、Nostr
ややこしい話が出てきた。
分散型 SNS は全員繋がれるわけではなくて、同じ「通信の仕組み」を採用したもの同士で繋がれる。
この辺の「通信の仕組み」は以下の記事が参考になる。難解だけど興味があれば読んでほしい。
この通信の仕組みで代表的なのが「ActivityPub」「AT Protocol」「Nostr」となっている。これら通信の仕組みを利用することでソフトウェアは Fediverse の一員として機能するわけだね。
念押しだけど、別の仕組みを採用したもの同士は連合できない。ActivityPub を採用したソフトウェアは ActivityPub を採用したもの同士でしか通信できない。そういうこと。
じゃあこれらの仕組みを採用したものを見ていこう。
ActivityPub を採用したもの
ActivityPub という仕組みを利用して連合するソフトウェアの代表は以下のようになってる。でも実はもっとたくさんある。
Mastodon
Misskey
Pleroma
GoToSocial
WordPress
つまり、Misskey サーバーと Mastodon サーバーは同じ ActivityPub を採用してるから通信できると…簡単に言ってしまえばそうだね。Pleroma とか GoToSocial とかあまり聞かないけどそういうのとも通信できる。WordPress は意外だけど、一応 ActivityPub の仕組みで通信はできる。ブログみたいに使うのかな?
これも繰り返しになるけど、以下のサイトにソフトウェアがまとまっている。
そして驚くことに、ソフトウェア名ではなくサービス名だけど、Threads は ActivityPub を採用している。Misskey サーバーまたはMastodon サーバーに登録すると Threads と通信できるってことになる。ただ、Threads はデカすぎるので多くの場合は Fediverse の一員には数えられないらしい。あくまで ActivityPub に対応してるだけだと。Threads の動向は以下のような感じらしいが…ここでは Fediverse として扱わないことにする。
2025年1月現在、Fediverse としてメジャーな通信の仕組みはこの ActivityPub となっていて、単に Fediverse というと ActivityPub を採用したものを指すようだ。そのユーザー数とサーバー数は以下のページで計上されている。しかしおそらく正確に計上はされていないので、参考までに。
だからもしあなたが「Fediverse を始めよう!」となったときはこの ActivityPub 対応のサービスに登録することになる。(Threads?知らないね。)そしてそれらは相互に通信できるから、どこのサーバーに登録しても孤立することはない。仕組みとしてはね。
ActivityPub 対応のサービスには前述の mastodon.social や misskey.io なんてのがあるけど、まだまだたくさんある。気になるサーバーを見つけて登録する。興味があれば探してみてほしい。参考までにサーバーリストを載せよう。(Misskey のサーバー一覧がスクリーンショットなのは…なぜかリンク先が表示されなかった。)
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Fediverse を始めるには、サーバーリストで気になるサーバーを見つけて、利用規約を読んで(読もう!)、登録する…そんな流れだ。
AT Protocol を採用したもの
2025年1月現在、AT Protocol を採用したものは Bluesky だけだ。というより、AT Protocol が Bluesky のために作られたと言っていい。
旧 twitter にすごく似ている。ていうかもはや同じでは?
Bluesky が分散型 SNS?と疑問に思うかもしれない。その疑問はあってて、Bluesky は現状分散型 SNS としてあまり機能していない。開発中ってこと。(いつまで開発中なんだ?)
Bluesky は AT Protocol を採用してて分散型 SNS なんだけど、現状は bsky.social というサーバーにみんなが登録してて、 twitter となんら変わらない状態となっている。例の〇〇さんが弄る前の「twitter」…そんな感じだ。
繰り返しになるんだけど、AT Protocol については以下のページにまとまっている。結構複雑だ。
Bluesky の「今」は以下のような現状らしい。
要は「twitter 代替」くらいのものって感じ。治安はいいらしいけど単純に人が少ないだけかもね。twitter 代替としてなら登録してもいいかも。
Nostr を採用したもの
Nostr を採用したソフトウェア…これは各種のクライアントアプリになるんだろうか。Nostr を採用したアプリには以下のものがあるようだ。
Iris(Web)
Damus(iOS)
Amethyst(Android)
Nostr と ActivityPub の違い… ActivityPub は正直「分散」というほど分散していない。あくまでサービス同士が繋がれるってぐらいだ。それに対して Nostr は分散の志向が強い仕組みで、ユーザー単位で分散している。ちょっと難しいので詳しい解説は以下の記事に頼るとしよう…。
Nostr はユーザー単位で分散してるので「運営」ってやつが存在せず、「ユーザー登録」って概念がない。あくまで「Nostr を始める」ってだけだ。Damus なんかのアプリをインストールして初期設定すればそれで参加できる。真の分散なんて呼ばれることがあるらしい、ほんまか?
Nostr はちょっと特殊な(個人的にはそう思う)形態をしているので、用語の意味が錯綜してるっぽい。Nostr を通信の仕組みとして呼ぶこともあれば、SNS としてそう呼ぶこともある。Damus っていうのは… SNS のことをそう呼ぶんだろうか?Damus というクライアントアプリもあるので…ややこしいな…。
ただ、上記のリンク先にあるように、個人的にはおすすめできない。「自由」の雰囲気がだいぶ強い SNS である反面、管理者がいないためスパムの温床になっている、らしい。興味を持ったエンジニアたちが集ってるくらいかな。
始めてみるのであればどうぞ。(ダチョウかわいいね。)
脱中央集権ってなんだ?
X(旧twitter)や Instagram のようなサービスは「中央集権」って呼ばれてる。これは X なら X 社が、Instagram なら Meta 社が全ての実権を握っているといったように、誰かの独裁によって成り立っているものを指す。
これを危険な状態のように思う人たちがいるってこと。誰かの独裁に振り回されて、自由がない、と。「うるせー!俺は好きなようにやりたいんじゃ!」って、たいていの人は思うじゃん。まあ僕も同感ではある。
そこで登場するのが「脱中央集権」って思想。中央集権を抜け出して、「自由を手に入れるんだ!」みたいな。正直その思想が正義とは思わないけど、少なくとも Mastodon の思想はそんな感じになっている。へえー…みたいな。Threads が分散型 SNS として扱われないのはこの辺りの思想が絡んでいる。Meta 社による中央集権。たしかに…言われてみれば、まあね。
まあ、「X とか Instagram 以外の SNS 始めてみたいなー」くらいでいい。気楽にいこうぜ。
おわりに
この辺りはへーそうなんだーくらいでいい。正直僕もActivityPub だの AT Protocol だの Nostr だのあんまりよくわかってない、雰囲気でやってる。だからなんとなくでわかってもらえたら嬉しいです。
ここからは一歩進んで、Fediverse の始め方を説明する。これは人によって考え方が違うので自己流になってしまうのだけど、書いてみてもいいかなって思った。興味があれば。
はじめよう Fediverse
スコッティ、転送してくれ
ここでは Bluesky と Nostr のことは扱わず、ActivityPub 対応のサービスについて「はじめよう」をする。Bluesky は現状 Fediverse と呼べるものではなさそうだし、Nostr は常用にはおすすめできないから。そんな感じで。
もちろん Fediverse を無理に始める必要はない。 X、Instagram、Threads が気に入らないといっても、たくさんの人が集まってるってのは大きな利点だから、そこから無理に離れる必要は全然ない。ただ、「もう嫌だ!」っていう気持ちになったら始めてもいいかも。もちろん Fediverse じゃない SNS でもいいんだけどね。
それはそうなんだけど、ここでは Fediverse 始めたいなって人向けのことを書いてみよう。レッツトライ。
サーバーを見つけろ、それはどこにある?
とりあえず登録するサーバーを見つけよう。繰り返しになるけどサーバーリストを載せておく。
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しかし…星の数とまではいかなくても、サーバーがたくさんあって「どれ登録すればええんや?」の状態。ワイトもそう思います。
どれも ActivityPub に対応しているので、相互に通信(フォロー)できる。どのサーバーに登録しても同じ…極論を言えばそうだけど、サーバーによって規約が違うとか、集まっているユーザーの「方向性」が違うとかがある。利用用途を定めてない汎用サーバーもあれば、特定のテーマ、一次創作とか、ボカロとか、イラストとか、そういうのを定めているサーバーもある。そういったサーバーの違いを見て好みのサーバーを見つける。そんな感じ。とりあえず利用規約を見てみよう。どう利用すればいいか、その辺りもきっと書かれてる。
じゃあとりあえず汎用サーバーを選べばよくね?とは思うけど、好みのユーザーと繋がりたいってときに似たようなユーザー層が集まってるほうが見つけやすい。どのサーバーに登録してても相互フォローできるといっても、実は外部サーバーのユーザーを探すのは大変。同じサーバーにいれば見つけやすいので、特定のテーマがあるサーバーにはそういう利点がある。もちろん汎用サーバーは利用用途を限定しないので使いやすい場合がある。
ユーザー数もサーバーによって違いがあり、はっきりした基準はないけど、大規模、中規模、小規模、といったものがある。ユーザー数が 10 万人を超えるようなサーバーは稀で(そういうのは脱中央集権的にはよろしくないらしいが、まあそれは置いておいて。)たいていは数千人とか数百人とか程度の中規模〜小規模サーバーになっている。大規模なサーバのほうがいいじゃんって考え方もあるけど、人が集まれば集まるほど治安は悪化し、場合によってはスパムが湧く。じゃあ中小規模のサーバーがいいかっていうと、ユーザーがそもそも少ないのと、仲良い少人数、いわゆる「身内」で固まる傾向がある。学校の教室…言ってしまえばそうだ。それが心地いい人もいれば、大勢の中で漂う方が心地いい人もいる。この辺は好み。
あと、サーバー管理者(運営)の存在もある。X などの運営が気に入らなくて離れたのに、Fediverse サーバーの運営に振り回されたら元も子もない。それがあるので、誰が管理をしてるかってのは事前に見た方がいい。たいていの運営は SNS アカウントを持っているので、それを見てひととなりをチェック…変な話だけど、それが大事なときもある。
そういうのは登録してみないとわからないかも。とりあえず登録してみよう。そして…気に入らなければ他のサーバーに「引っ越し」をすればいい。そんな感じで Fediverse の生活は続いていくんだ。
この記事では特に「このサーバーがおすすめ!」ってのはしないことにする。人によって好みはまちまちだし、先入観なく気になるサーバーに登録したほうがいいと思う。旅に出よう、その先でいろいろな出会いがある。たぶん。
もちろん複数のサーバーに登録して使い分けるなんてこともできる。普段使いは汎用サーバーで、遊びたい時はわちゃわちゃしたサーバーで、なんて。使い分けできるかは人によるんだけど…できる人はやってもいい。
(自分でサーバーを運営するって手もある…そのあたりは後述しよう。)
サーバーが利用するソフトウェアによって使い方に違いがあるってのもある。その辺りを少し触れてみようか。
Mastodon サーバー
世界的に一番多いサーバーは Mastodon サーバー。Fediverse っていうとまあ Mastodon サーバーたちの世界って言っていい。日本国内より海外のサーバーが多いよ。
代表例として mastodon.social と mstdn.jp を取り上げよう。登録するかは置いておいて、とりあえずサイトの見た目を確認してほしい。Mastodon っていうのはこんな感じだ。
Mastodon っていうのは旧 twitter と似ていて、ちょっと見た目は違うけど、投稿、メディアの投稿、リプライ、リポスト、お気に入り(いいね))、ができて、ユーザー体験としては旧 twitter とほぼ同じだ。Misskey が一時期盛り上がったけど、カスタム絵文字をはじめとする「楽しい!」機能は Mastodon にはない。旧 twitter のような生活をしたい人に向いている。
一応、ソフトウェアとしての Mastodon の公式ページも貼っておく。見てわかる通り、Mastodon は脱中央集権を掲げていてソフトウェア自体の思想が強い。それを好むか苦手とするか気にしないかはユーザーの自由だと思うので、 へーそうなんだー、くらいで。
Mastodon サーバーだけど、カスタム絵文字を使えるようにカスタマイズされた Fedibird っていうサーバーもある。
こんなふうにサーバーによってはカスタマイズされて機能拡張されている場合がある。これは Mastodon だけでなく Misskey とか Pleroma も同じ。そういうのを見ても面白いかも。
Misskey サーバー
日本国内で Misskey が流行ったので知ってる人は多いかも。とりあえず代表的なサーバーを見てみよう。一番大きなサーバーは misskey.io 。これもとりあえず見た目をなんとなく確認してほしい。
一応、ソフトウェアとしての Misskey 公式ページも貼っておこう。
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Misskey はいわゆる「オタク」向けの雰囲気が強く、Misskey サーバーの多くはそういう層が集まっているように思える。僕もそのひとりです。まあそれは置いておいて。
Misskey は旧 twitter とそんなに似てない。見た目は似てるかもだけど…ん、そんなに似てるか?とりあえず僕はなんかかっこいいと思ってる。
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Misskey の特徴は多機能なところで、魅力があるのがカスタム絵文字。サーバーごとに独自の絵文字が登録されていて(運営が登録してる)、リアクション(旧 twitter のいいねにあたるもの)として投稿に送ることができる。このリアクション機能は好き嫌いが分かれるものではあるけど、とりあえずなんか楽しい。Misskey の機能の多くは「なんか…楽しい!」で構成されてるような気がする。リバーシで対戦もできる(なんだって?)。
日本人ユーザーが多い(現状は)のも特徴で、日本のオタクならスッと入っていける、そんな雰囲気がある。最近は国外のサーバーもじわじわ増えているらしい。
現状の Fediverse の世界観は、海外の Mastodon、日本の Misskey、あとはまあ他のがちらほら、みたいになっている。どれを選ぶかは好み、なんだろうな。
その他の Fediverse サーバー
マイナー(そう言ってごめん)な Fediverse サーバーもあるので少し紹介しておこう。どれも基本的には旧 twitter を踏襲してる、そう言ってもいいかも。
サーバー数が少ないのでサーバーリストで見つけることはあまりなさそう。知ってる人は知っている。そうだね。
種類が多すぎるので全部は紹介できない。有名なものをちょっとだけ。
Pleroma ってやつがある。小さいサーバーは多いけど代表的なサーバーは挙げづらい。とりあえずソフトウェアとしての公式ページを貼っておこう。
lightweight … つまり、ソフトウェアとして低負荷で動作するってこと。この辺りはエンジニア向けの利点。ユーザーとしての利点は…なんていうか。
ユーザー体験としては Mastodon に似ているけど、それよりはまあなんていうか… 「古臭い」見た目をしている。(古いソフトウェアだから昔の SNS の雰囲気がそのまま残ってるっぽい。ああ、化石になっちまったよ。)個人的な意見としては、今の時代にこれを常用するのは難しいなって思う。ちょっと操作感が怪しいのもある。いちおう Pleroma は UI、つまり見た目を変えられるのだけど(管理者が)、どの選択肢もあんまり…。申し訳ない、こんなことを言って。
Pleroma の派生で Akkoma というのもある。
言ってしまえばカスタム絵文字が使えるようになった Pleroma 。見た目はPleroma と同じ。Misskey みたいなのが好きならこっちの方がいいかも。
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リンク先に頼ってばかりで申し訳ないけど、 Akkoma についての日本語の情報として下記のサイトがある、というか…他にほとんどない。
ただ、上記のページは少し昔のもので、今の Akkoma はできることが増えている。その辺りは公式情報に頼ってほしい。例えば、投稿できるファイルの種類を限定できたり、グローバルタイムラインを無効化したり、昔に比べてできることが増えているようだ。
GoToSocial は Pleroma 以上にあまり聞かないけど、そういうのもある。
実は GoToSocial には UI、つまり「見た目」がない。本体にはね。(ユーザープロフィールとかは見れるけど、投稿とかそういうのはできない。)スマートフォンとかにこれに対応したクライアントアプリをインストールして接続する、という流れなので、見た目はアプリに依存している。Mastodon に対応したクライアントアプリと互換性があるらしい。そういうのがあるからちょっと上級者向けかも。
Hollo は最近できたソフトウェア。流行りつつあるらしい。
「見た目」がないという点では GoToSocial と同じかもしれない。けど、こちらは「1人用」のサーバー、つまりユーザーは管理者1人のみって使い方を想定してて、既存のサーバーに登録しようって流れじゃない。利用するには自分でサーバーを用意する必要がある。Mastodon に対応したクライアントアプリが使えるのと、絵文字リアクションが使えるらしい。カスタム絵文字ではない…のかな。とりあえずまあエンジニア向けかも。
とりあえず、いろんなサーバーがあるんだなーくらい。たいていは Mastodon サーバーか Misskey サーバーに登録することになるだろう。
言いたいことはわかった、結局どのサーバーを選べばいいんだ?
わかんない。人による。前述したように、サーバーによって個性がある。人それぞれの好みにあったサーバーを選ぶしかない。
ただ…個人的な…いくつかコツがある。みんなには内緒だよ。
ユーザー数の話をしよう。
正直なところ、大規模サーバーってのはもう席があまり空いてない。空いてるといえば空いてるんだけど、そこに登録して永住できるかっていうとわからない。サーバー運営というのは増え続ける金銭的コストとの戦いで、ユーザーが増えれば増えるほどコストが増える。そしてサーバーの多くは運営のポケットマネーで運営されてる。だからもしかしたら運営費用が足りずにある日突然サービス終了するかもしれない。
サーバー運営にはお金がかかる、ユーザー数の多い大規模サーバーなら特に。費用の支援を募るってこともやってるところはやってるけど、SNS をやるためにお金をかけるってユーザーはまだそう多くない。富豪が運営してるならそれで大丈夫なんだけど。
それなら運営費が少なくて済む中小規模に登録したほうが長く使える…かも。支援がなくても運営のポケットマネーだけで補えるような、ね。運営が疲弊したらサービス終わっちゃうかもだけど。(優しくしてあげよう!)サービスがどれだけ持続するか?っていうのは考えないといけない。
大規模サーバーが目立つけど、その他の中小規模サーバーにも面白いものがあるかもしれない。探してみよう。もしかしたら大規模サーバーより治安いいかも?わからん、サーバーによる。とにかく、ひとつのサーバーに集まらずに分散したほうがいいかもってこと。
それでも大規模サーバーに登録したい!って場合は、運営を金銭的に支援していいかもしれない。おそらく支援の窓口があるので…長く使いたいならそういうことをする必要があるかもしれない。中小規模サーバーでも支援したほうがいいかもね。
無料でノーリスクで SNS を楽しめる… そんな時代はもう終わったんだ。
ローカルタイムラインについて話そう。
ローカルタイムライン(LTL) 。X しか知らない人には馴染みがないかも。これは「同じサーバーにいる全ユーザーの投稿が流れるタイムライン」。(厳密には全部流れるわけではないけど、ここでは省略しよう。)Fediverse サーバーにはそういうものがある。
余談。ローカルタイムラインと別にホームタイムライン(HTL)というものもある。これはフォローしてる人の投稿だけ流れる、おそらくみんながよく知っているタイプのタイムライン。要するに Fediverse サーバーには複数のタイムラインがあるってこと。他のタイムラインもあるけど…省略。
ローカルタイムラインには良い点と悪い点がある。
良い点としては、自分の投稿がいろんな人に見られるということ。要するに、サーバーの登録者数が 1,000 人なら「登録した瞬間にフォロー数フォロワー数が 1,000 人になってる」、実際には違うけどそれと同じ効力があると思っていい。フォロワーがいなくても反応が来るので登録初期でフォロワーがいない時にありがたい。また、イラストなど、拡散したいものがあるときにこれは役立つ。いろんな人に見てもらえるからね。
悪い点として、嫌なものまで見えてしまうって点。たいていの SNS ってフォローを絞って嫌なものは見えなくするものだけど、ローカルタイムラインにはそのサーバーにいる人全員の投稿が流れるので、まあ、苦手な人も見えるよね。荒れてる人も見えてしまう。そういうときに困る。ブロックやミュートで対応するっていっても、ユーザー数が多いと限界がある。そういうのは正直つらい。
もうひとつ悪い点として、仲良しで固まってるのが見えるってこと。中小規模のサーバーだと人間関係が密になりがちで、ローカルタイムラインで会話してることがよくある。(逆に、大規模だとタイムラインが超高速になるので会話は起こらない。)人間関係が密になるってことはそれについていけない人は疎外されるってことで…いわゆる学校の教室状態。そういうとこあるよね。
こういう問題があるから、サーバーによってはローカルタイムラインを無効化、つまり見えなくしているものがある。ストレスなく穏やかに過ごしたいならこういったサーバーに登録したほうがいい。
逆にだ… いろんな人と仲良くなりたい!イラストを拡散したい!って人にはローカルタイムラインのあるサーバーがいい。あなたに「力」があれば…うまく馴染めるかも。チャレンジしていいかもしれない。
カスタム絵文字の話をしよう。
Mastodon サーバーには関係ないかもしれないけど、Misskey サーバーや Akkoma サーバーにはカスタム絵文字がある。先述したように、サーバーの運営が自由に追加できる絵文字のことだ。
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このカスタム絵文字は運営の好みが反映されるから、サーバーによって異なる。ユーザーからの「カスタム絵文字登録申請」を受け付けているサーバーもあるけど、最終的には運営の好みで登録される。申請のルールみたいなのはたいていあるけど。(余談だが、Misskey 自体にはそういった申請機能はないので、Google フォームとかそういうので申請を受け付けてるらしい。もちろんこれもサーバーによる。)
さて、このカスタム絵文字。好き嫌いが分かれるものだと思いませんか。少なくとも僕には好き嫌いがある。
blobcat (猫っぽいキャラクター)みたいななんとなーく汎用的な絵文字が多いサーバーもあれば、おふざけ全開、みたいな絵文字が多いサーバーもあり、なかにはセンシティブ(攻撃的であったり性的であったり)な絵文字があるサーバーもある。こういうの好き!楽しい!ってユーザーもいれば、そういうのちょっと…っていうユーザーもいるだろう。
blobcat ってのは、こういうのです。(宣伝だって?まさか。)
だからサーバーを選ぶときに「カスタム絵文字を気にいるかどうか」っていうのが関わってくる。登録してみないとわかんないから難しいんだけどね。たいていはサーバーのテーマに合わせた絵文字が登録されていると思うから、そういうのでサーバーのテーマが大事になってくる。カスタム絵文字が好きでサーバーに定住することもあれば、カスタム絵文字が苦手でサーバーから離れることもある。そのくらい影響は強い。
登録してみないとわかんないんだけど、そういうことがある、くらいは把握しておいてほしい。
そもそもカスタム絵文字いらないって人は Mastodon サーバーを探そう。それも人生。
サーバーに登録してみた!俺たち、これからどうする?
もうなんか…自由。自由です、ほんまか?
正直、この先はこの記事の範疇にない。SNS の過ごし方はひとそれぞれ。基本的には旧 twitter のような楽しみ方ができるはず。思い思いに投稿して、画像も投稿して、リポストして、お気に入りして、リアクションして、フォローして、フォローされて、人と仲良くなったりケンカしたり、いろいろあって、楽しいこともあればつらいこともあるが… せっかく Fediverse に来たんだから、Fediverse をしようぜ!
サーバーが合わなくなったら他のサーバーを探して登録してもいい。アカウントの削除もできるし、アカウント引越し機能なんてのもある。心身の健康と相談しながらいい感じの SNS を楽しもう。
開発の支援、この世では金も大事だ
Fediverse サーバーのほとんどは有志のボランティアで運営されている。それと同じように、Fediverse 用の SNS ソフトウェアもたいていはボランティアで開発されてる。開発者を支援すればなんかこう…いい感じに開発を進めてくれる…かも?支援してみてもいいかもしれない。
各ソフトウェアの公式ページから辿っていけばどこかに支援の窓口があるはずなので、チェックしてみよう。
おわりに
とりあえず Fediverse ってのはそんな感じで、始め方もなんとなく書いた。ひとまずこれでまとまって…たら…いいなって。はい。わかんなかったら地面に埋まるくらい土下座します。メリメリって。
Misskey サーバーを建てる
こんな腐り切った世界より、ゲームの方がましだ
さて、ここからは蛇足になる。けどただの蛇足じゃねえぞ、超蛇足だ!
Misskey とか Mastodon とかってのはソフトウェアで、パソコンにインストールして使うものって書いた。こういう場合パソコンと呼ばなくてたいていサーバーって呼ぶんだけど。
じゃあ、自分でサーバーを用意して、Misskey なり Mastodon なりをインストールすれば、それで Fediverse サーバーになるのでは? Fediverse サーバーって自分で用意できるのでは?なんてね。
答えはイエスだ。自分の世界は自分で作れる。
既に用意された Fediverse サーバーで過ごしていると不満がでることがある。規約めんどくさいなーとか、ローカルタイムラインの雰囲気が苦手だなーとか、好きなカスタム絵文字がないなーとか。
すると人は思うんだ、自分で完璧に制御できる Fediverse サーバーがあったらいいなって。それが人のサガというものよ。そういう人たちは既存のサーバーを飛び出して、自分でサーバーを用意して、そこで新しい生活を始める。
まるで開拓者。世はまさに大 Fediverse 時代。
サーバーを用意することを「サーバーを建てる」って呼ぶ。サーバー建てたいなー、みたいにね。ちなみにエンジニアっぽく言うと「セルフホスティング」なんてかっこよさげな言い方をする。Misskey サーバーを建てる、Misskey をセルフホスティングする、どっちでも通じる、たぶんね。
ただ、サーバーを建てるには考慮することがかなりたくさんあり、エンジニア的な知識もかなり必要なので簡単にはいかない。この記事ではふわっと当たり障りのないところだけ書き、それ以上は踏み込まないことにする。ちょっとね…全部説明するのが難しくて。
自分が Misskey サーバーを運用しているのもあって、ここでは Misskey サーバーをどうやって建てるかをふわって書いていこう。ただ、ここ最近の SNS はすごい早さで変化しているので、この記事が古いのであれば他の新しい記事を探してほしい。エンジニアに必要なスキル、「検索」だ。
自分一人だけの「家」を作ってもいいし、友達を数人呼んで「コミュニティ」を作ってもいい。たくさんの住民を呼んで「国」を…やめろ!死んでしまうぞ!(ユーザー数 1,000 人を超えるようなサーバーは素人が手を出すもんじゃない。)
もしあなたに開拓者の精神があるなら、チャレンジしてみてはいかがか。
そもそもサーバーってなんだ?
パソコンだ。サーバーっていうのは役割の名前で、みんながキーボードとマウスでぽちぽちしてるパソコンと同じだ。ただ、企業が運営してるようなサーバーはものすごいでかくて、そして強い。セキュリティもガチガチに固めてる。仕組みは同じだけど、まあ、雑に言えばスペックが違うわけだね。ただ、一般のご家庭水準スペックでもサーバーって呼ぶよ。
たいていの場合 Windows じゃないってのを書いたけど、Windows にもサーバー用のエディションがあって、実際の企業でそういうのを使ってる場合がある。その場合はお家のパソコンとほんとにたいして変わらない、マウスとキーボードでぽちぽちして操作してる。ただスペックがいいってだけ。
Windows じゃないパソコン?お前は何を言ってるんだって感じだけど。実際そう。Windows はわかりやすい「見た目」でわりと操作しやすいんだけど、サーバーとして使うとなるとそもそも見た目がいらない、見た目のぶんメモリとかいろいろ消費するから、普段使いでなければなくてもいいんだ。
じゃあ見た目がないってどんな感じかっていうと、こうだ。

なんじゃこりゃって感じなんだけど。なんかこう…パソコンがバグったときに出る画面みたいな雰囲気がある。でもこれは正常な画面。
これは Ubuntu っていう OS。Ubuntu には「見た目」がある場合もあるけど、サーバー用途で使うときはだいたいこんな文字だけの画面で使う。文字だけのほうが動作が軽くて。(OS ってなんだって?検索しよう!)
余談だけど、いわゆる見た目のことを UI(User Interface)って呼んでて、Windows みたいなよくあるやつを GUI (Graphical User Interface)、文字だけのやつを CUI (Character-based User Interface)って呼んでる。だから、すぐ上に貼ったスクショは CUI だ。(だから見た目がないって言い方はほんとは正しくない。いいんだ…伝わってくれ。)
CUI ではマウスは基本使わず、キーボードでコマンドをぽちぽち入力して実行する。ただ、フォルダとかファイルとか実行ファイルがあるのは Windows と同じだ。
Ubuntu についてはこんな感じ。説明が難しい。まあ、OS。
サーバーとして使われる OS には Ubuntu だとか Red Hat Enterprise Linux とか Arch Linux とかあるけど… キリがない、めっちゃ種類があるので。
世界的にいちばんよく使われてるのが Ubuntu で、人気がある。Red Hat Enterprise Linux は日本の企業でよく使われていて… Arch Linux はギークなエンジニアに好まれている。そんな感じだ。
人気があるってことは検索していちばん情報があるってこと。よくわかんなければとりあえず Ubuntu を使えば間違いない。
説明がごちゃごちゃしてきた。あまり重要じゃないし、キリがないのでここまでにしておこう。
ちなみにMisskey を稼働させるのに必要なスペックはそんなに多くない。お家のパソコンぐらいのスペックで大丈夫だ。安心してほしい。
建てたい!建てたい!建てたい!
落ち着いていこう…まだあわてるような時間じゃない。
Misskey サーバーを建てるのにはいくつかアプローチがある。
ホスティングサービスを利用する
VPS を借りて Misskey をインストール
自宅サーバーを用意して自分でインストール
VPS ってなんだっていうと… Virtual Private Server。雑に言えばまあ、サーバー(パソコン)だ。
この中で「自宅サーバーを用意して自分でインストール」は茨の道なのでこの記事では扱わない。たぶん、そういうことやろうって層はこの記事で説明しなくても自分で調べてなんとかする。簡単に言うとお家のパソコンに Misskey いれてネットに公開しちゃおうってことだ。金銭的コストを抑えられる反面、維持管理とセキュリティの面で難易度が高い。
ホスティングサービスっていうのは、要するに業者が Misskey サーバーを用意してくれるってこと。一番難易度が低く、エンジニア的な知識がなくても容易に建てられる。
現状、 Misskey のホスティングサービスは XServer SNS ぐらいだ。
たしかに簡単そうだけど、できたばかりのサービスなので実際運用してどうかは正直わからない。興味があればこれを選択してもいいかなーくらい。信頼できるサービスなのかわからないので利用する場合はよく調べてほしい。
ちなみに Mastodon のホスティングサービスとして有名なのに Hostdon ってのがある。XServer よりこっちのほうが信頼できるかもしれない。円安は影響してるのかな、どうなんだろう。
ホスティングサービスは業者が全部やってくれるので基本的に割高だ。専門的な知識を得るのが難しくて、お金には余裕がある、そんなときに利用するといいかもしれない。割高なので、住民が自分一人、いわゆる「おひとり様」サーバーに向いてるかもしれない。
ホスティングサービスは業者に全て依存するのでよくわからないから、この記事では扱わない。丸投げだ、土下座します。
個人的におすすめするのが「VPS を借りて Misskey をインストール」ってやつ。ホスティングサービスに比べると学ぶこともやることもめっちゃ多いんだけど、ホスティングサービスより安く抑えられるし、自宅サーバーを用意するよりかは楽だ。
VPS を貸し出すサービスによっては Misskey を自動でインストールしてくれる場合がある。アプリイメージとかスクリプトとかって呼ばれてるやつ。それを利用すると楽に導入できるかも。
ただ、アプリイメージとかスクリプト、各社が出してる導入手順だけだと情報が足りない気がする。そこは外部の記事を参考にしたほうがよさそう。
ちなみに僕は VPS を借りてそこに Misskey を手動でインストールしました。確実ではある。
魔界777ツ能力、アプリイメージ
ここでは各社の提供するアプリイメージとスクリプトを列挙する。けど、説明が難しかったり不足していたりするので軽く眺めるくらいで。
アプリイメージ導入は自分でインストールするより楽だけど、「よくわからない」まま完遂してしまうかも。でもそれはそれでいいのかもしれない。
基本的には各社が公開してる手順の通りにやれば大丈夫な…はずだ。
とりあえず Misskey 公式ページを見てみる。
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このページは最近できたのか、ちょっと前にできたのか… わからないけど、 各社のアプリイメージについて説明されているようだ。
XServer のアプリイメージはこんな感じらしい。
シン VPS なら、こう。
ConoHa もアプリケーションイメージを提供しているらしい。
さくら VPS にも Misskey インストールをサポートするスクリプトがあるらしい、けど、情報が見つからない。手を出すのはちょっと厳しいかも。
あんまり挙げるとキリがなさそうなのでこのへんにしとこう。アプリイメージを利用するのであればいろいろ調べてみてほしい。その他の VPS サービスを利用するなら手動でインストールする必要がある、かも?
VPS がいくつか出てくるけど、どの VPS を選べばいいかについてはあとで説明しよう。
ドメインを取得する、私はここにいる
ドメインというのはインターネット上の住所で、これがないとインターネットでアクセスできない。〇〇.com とか 〇〇.co.jp とか、それがドメイン。ホスティングサービスだとドメインを用意してくれるらしいけど、そうじゃない場合は自分で取得しておこう。
ドメインは基本的には年契約で、取得するには年間だいたい数百円〜数千円くらいのお金がかかる。みんなが使いそうな人気のあるドメインほど値段があがる。この辺はちょっとややこしい。(無料ドメインもあるにはあるけどそれを実用する人はほぼいない。テスト用ってところかな。)
ドメインを「売ってる」のはいろんな業者があって、どこがいいとか悪いとか、はっきり言うのは厳しい。よく調べて業者を選んでほしい。
無難…なのは… Cloudflare Registrar なのかな。あとで説明するけど、インターネットで公開するのに Cloudflare っていうサービスを使うならドメインもここで取得したほうがのちのち楽、かもしれない。
ドメインを売ってるところは他にもあって、1年目の契約が安いときもあるけど、そういうとこはだいたい2年目以降にめっちゃ高くなる傾向がある、ような気がする。信頼できるドメイン屋さんかよく調べよう。
XServer とか さくらとか、VPS 貸し出しサービスをやってる会社のいくつかもドメインを売ってる。値段はわかんない、高いかもしれないけど、VPS を借りたところでドメインを取得するってのはアリ。
ちなみに、どんなドメインにするかは自由なんだけど、ユニークなドメインのほうが安くなる傾向がある。好みのやつを吟味してみよう。
ちなみにちなみに、ドメインは「移管」、つまり、ある業者から別の業者に移す、なんてことができる。年額が安い業者に乗り換えられるってわけだ。移管にはいくつか条件があるので、興味があれば調べてみよう。
Cloudflare?あー、あれね、あれ
Cloudflare。それはインターネットの便利屋さん。たぶんそう。
僕は Cloudflare の全サービスを把握してるわけではないけど、サーバーをインターネットに公開するってなったらとりあえず Cloudflare 使っとけーってくらいよく出てくる。なんかセキュリティもいい感じにしてくれるらしい。へー…。
Misskey 公式でもこう書かれている。
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だから Misskey サーバー建てるって記事にもよく Cloudflare が出てくる。とりあえず言われたとおりにやれば大丈夫…だといいなって。
アプリイメージ導入手順に A レコードがどうのって話があった。あれはインターネット上でドメインを公開するための操作。VPS を貸し出してる業者で設定する(DNS レコードってやつだ)手順らしいけど、 Cloudflare で設定するほうが一般的だと思う。Cloudflare でドメイン、つまり住所を登録すると、インターネットでそこまで辿れるようになるってわけだ。
簡単なような、ややこしいような。とりあえず、アプリイメージ導入手順に沿うより Cloudflare を利用したほうが良さそう。
VPS どこにするか問題、契約したのか、俺以外の奴と
これは全くわからん。基本的には値段と性能の話になる。どこがいいとか悪いとかはっきりいえないんだけど、2025年1月現在の傾向を書いておこう。
VPS には海外のもの、 Vultr とか AWS とか、があるんだけど、円安が進んでいるからあまりおすすめできない状況になっている。選べないこともないけどあまりおすすめはできない。高い。
だから基本的には国内の VPS を借りればいいと思う。
国内の VPS はいくつかあるんだけど、主流って言えそうなのは…この情報は主観なのでなんとなくで読んでほしい。
値段の安さで選ぶなら、XServer か WebARENA Indigo。
性能で選ぶなら、シン VPS。
信頼で選ぶなら、さくらVPS。
このあたりが主流。ただ、他にも ConoHa とか KAGOYA とかいろいろあるので、どこがいいとか悪いとかほんとに何も言えない。お財布と相談しながら好みのものを選んでほしい。
ちなみに僕は XServer を選んだ。メモリ 4 GB のプランで月額相当 ¥1,800 くらい。年払いだと安くなるのでそうしてる。参考までに。
感覚の話になってくるけど、メモリ 4 GB だとユーザー数 100 人くらいは収容できそう、もうちょっとできるかも。ユーザー数 1,000 人とかになったらそれより多いのが視野に入ってくる。逆に 1 人だけで運営するおひとり様であればメモリ 2 GB でいけなくもない。ただ、Misskey サーバーはメモリよりも CPU が先に死ぬのでそこは大事かもしれない。
セキュリティなど考えたら VPS 1台では不安なので数台借りてるところもあるだろうが…ここでその話はやめておこう、とりあえず 1台借りれば十分だ。(大規模サーバーみたいなガチ構成だと Kubernetes がどうのって話になるが…難しいので忘れていい。)
先人の知恵を借りる、これはひとりの人間には小さな一歩だが
おまたせしました、丸投げタイムです。
Misskey が流行ってから「Misskey サーバーを建ててみた!」という記事がたくさん増えた。増えたけど、この大 Fediverse 時代はものすごい早さで進んでいるから、もうなんかね…記事が乱立しててよくわからなくなってる。なんだろう、疲れてきた。
記事を参考にする際はなるべく新しいものを選んでほしい。ただ、古い記事でも参考になる場合はあるので、いくつかの記事を見比べてみるといいかも。
サーバーを建てるときに参考にできそうな記事をいくつか載せてみた。情報が古いときもあるから注意してほしい。ただ、アプリイメージを使用する手順のものは少ないようなので、そこは読みかえるか、別の記事に頼ってほしい。
とりあえず Misskey 公式。いちばん参考になった。 ちなみに XServer の名前が出てくるのはスポンサーになったからだと思う。別に XServer が良いってわけではなく。
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ただ、直感的にわかりづらい内容ではあるので、これをベースにしつつ足りない情報を外部の記事に頼ると。そんな感じがたぶん良い。
それでは外部の記事をいくつかあげていこう。
これはさくら VPS を利用した例。
ちょっと古い記事だからもしかしたらさくらVPSの UI が変わってるかも。わからない。
こういう情報もある。へえー…みたいな。
XServer を利用する記事もさっき見つけました。さっき…?これはアプリイメージを利用する方法らしい。参考にできそう。
それぞれ状況が違うのでどれが正しいかってのは言えない。検索…しよう!
アプリイメージを使うってのは要するに、上記手順の Misskey インストールってとこを自動でやってくれるってことだ。だからそれ以外、ドメインの取得とか Cloudflare とかオブジェクトストレージ(後述)の用意とかは結局自分でやらないといけない。いろいろな記事を参考にしよう。
Docker、なにそれ知らん…怖…
Docker とか Docker Compose っていうのは、サーバー構築を楽に便利にしてくれるやつ、みたいなふわっとした言い方をここではしておこう。詳しく知りたい人は調べてほしい。
Docker と Docker Compose のインストールにはこの辺りの記事が参考になる。言われるとおりにやろう。もしエラーがでたらエラーメッセージをコピーして検索だ。
サーバー建てた、これでどうやって戦えばいいんだ
サーバー建てたあとはこういうことやるといいらしい。丸投げだ…。
こっちは古い情報だけど、公式ページにこっそりリンクがあるもの。
Gmail 設定するときに参考にした記事。
Cloudflare R2 っていうのは Cloudflare が提供しているオブジェクトストレージ(要するにファイルを保存する場所)。10GB までは無料で使える。その後は容量は無制限だけど従量課金制になっている。
オブジェクトストレージを使わないと画像なんかのデータがサーバー上に溜まっていてやがてパンクしそう。こだわりがなければ使おう。
これはセキュリティの話。大事なのでチェックしておこう。
ちょっと難しい話だけど、セキュリティの観点でプロキシというものがある。VPS を追加で借りる必要があるけど、余裕があれば設置してもいい。ちょっと記事が古い。
summally-proxy というものもある。頭の片隅においてもいいかも。
media proxy という概念もあるけど、こっちはセキュリティというより通信量の削減に使うらしい。画像を proxy に溜めたり(キャッシュ)、圧縮したり。ここでは省略。
オブジェクトストレージどこにするか問題
雑に言おう… ユーザー数が多くないなら Cloudflare R2、多い(2,000 人を超えるくらいか…?)なら Wasabi を使えばいい。
海外のは Vultr とか Oracle とか AWS とかあるけど、円安の影響で高いからおすすめできない。Cloudflare R2 はまあ海外なんだけど… 10 GB までは無料だからとても良い。僕は 1年半この無料枠だけで維持できてる。
ファイル群の容量が 1TB を超えるような気配があれば Wasabi を選択すれば良い。ユーザー数でいえば 2,000 人を超えるくらいなんだろうか…まあ…この記事を見てる人には縁がないと思う。
わかんなかったらとりあえず Cloudflare R2 を選択しよう。
オブジェクトストレージから別のオブジェクトストレージに移行できるかっていうと…強引な方法だけど、ファイルを全部ダウンロードしてアップロードし直せばいけなくもない。現実的な方法かはわからない、とりあえず通常はやらない。
DB を死守する
DB(データベース)。Misskey では PostgreSQL という名前の DB を使っている。要するにデータが保存されてる場所だ。(画像とかは他の場所に保存されてる。オブジェクトストレージとか、そうでなければ普通にフォルダの中に。)
この DB がサーバーの心臓で、壊れたら「終わり」だ。いままでの投稿が全部台無しに。サーバーを閉じる(後述)しか方法がない。
それを回避するために、定期的に DB をバックアップしよう。以下の記事が参考になる。
オブジェクトストレージによって操作が違うので注意。
要するにこういうこと。
DB の中身を全部 Dump(書き出し)
圧縮(tar.gz は圧縮率が高い)
オブジェクトストレージにアップロード
原理的には普通にファイルのバックアップだ。
それともう一つ注意点。Docker を使っているとバックアップのコマンドが少し違う。気をつけよう。
ロールとカスタム絵文字
少しだけ書いておこう。
ロール(役割)。ユーザーに対して設定できて、いろいろできるのだけど、たとえば以下のようなことを設定できる。ほかにもいろいろ。
モデレーター権限
レートリミット
サーバー招待コードの発行
カスタム絵文字の管理
アバターデコレーションの数
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カスタム絵文字は管理者かロールで設定されたユーザーが追加とか削除できる。よくわからないと思うけどとりあえずやってみよう。
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絵文字のライセンスはたまに問題になってるから、ちゃんと書いて、外部に持ち出されたくないときはローカルのみに設定しよう。
それと…宣伝です。僕が作った絵文字を BOOTH に置きました。Misskey サーバー使うならどうぞ、無料です。楽しい Misskey ライフを。
サーバー管理の心得、撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ
サーバー管理って実はとても大変だ。もちろん VPS の管理維持もあるけど、モデレーション、つまり人間の管理なんてのもある。サーバーは建てるよりも維持する方がめちゃくちゃ大変。それは覚えていてほしい。
サーバー管理者のことを鯖缶(鯖=サーバー、缶=管理)って呼ぶのだけど、鯖缶たちはあちこちで苦労してる。特に不特定多数の新規登録を受け付けてるサーバーの鯖缶は。
この辺の苦労話を載せておこう。興味があれば。
だからもしあなたが Fediverse サーバーを建てるなら、自分一人だけのサーバー「おひとり様」にするか、招待制にして仲のいい人だけ呼ぶといい。
救世主になんかならなくていい。自分の手の届く範囲の世界を大事にできればそれでいいと思う。
それでも…国を作って「王」として君臨するか…それもいいだろう。ただし…敵を見誤るなよ。
とにかく、無理はしないでほしい。自分のペースで。
サーバーを閉じる、旅の終わり
これは大事な話なのでよく読んでほしい。
サーバーには必ず終わりが来る。サーバー管理に飽きたり、しんどくなったり、「既存のサーバーでいいじゃん」になったり、金銭的な理由でサーバーを維持できなくなったり。いろいろあるけど、未来永劫続くサーバーなんてない。
Fediverse サーバーを「閉じる(サービス終了する)」には VPS を返却したりパソコンの電源を落とすだけじゃなくて、その前に決まった手続きが必要だ。サーバーを建てるのと同じくらい、サーバーを正しく閉じるのが重要になってる。
連合先、つまり外部のサーバーは、VPS を返却したりパソコンの電源を落とすだけだとサーバーが「閉じた」のを認識できない。その場合、閉じたサーバーに対して情報を送り続けることになる。
要するに連合先に迷惑をかけてしまうってことだ。だからサーバーを閉じるときは正しい手続きで行う必要がある。
具体的には「410 Gone を返し続ける」ってやつ。ぱっと聞いてよくわからないけど、これには以下の記事が参考になる。
個人的には GitHub + Vercel で無料で 410 Gone を返すのをおすすめする。410 Gone をいつまで返すかだけど…理想を言えば未来永劫なんだけど、いつまでもドメイン代を払い続けるわけにはいかないので、「ドメインを保持している間は」っていうのが通例らしい。
410 Gone を返せるようになったら、使わなくなった VPS は返却していい。そして契約期間が終わったらドメインも返却する。そんな感じだ。ドメインを返却したら Cloudflare の設定も消しておこう。
おわりに
長々と書いてしまった。ここに書いた情報は不正確なものがあるし、個人的な解釈すらある。「なんか難しそうだなー」くらいしか伝わっていないかもしれない。
それはそれでいい。あくまでこの記事はきっかけで、そこから先は自分で調べて歩いてくれれば大丈夫だ。難しそうって思ったらやんなくていいし、それでも楽しそうって思ったらやろう。そのくらいで。
サーバー建てるのも維持するのも大変だけど、一番大事なのはモチベーション。楽しい!楽しそう!やりたい!って気持ちが大事だと思う。
あとがき
記事が長すぎるぞ、何を考えてるんだ。
Fediverse まとめ。まとめになってるんだろうか…?わかりやすいような、わかりにくいような。ありったけの情報を詰めたのでごちゃごちゃしてる感がある。記事を分けた方がよかったかもしれない。
僕は Fediverse を始めてから情報に振り回されることが減った。X なんかの大規模な SNS に比べれば全然平和。でも理想郷ってわけでもない、いろんなひとがいていろんな考えを持って、時には衝突することもある。それは…人間が人間である以上しょうがないんだろう。
それでもなんとなくうまくやってる。自分でサーバーを建てたのもあるんだろうけど、まあなんとかなるかなーで。あんまり深く考えるのもよくない、ある程度気楽に、のんびりやっていけたらいいね。
Fediverse のまとめに Misskey サーバーを建てるって話は本当に蛇足なんだけど、自分でサーバーを建てられるっていうのも Fediverse のいいところだと思って載せてみた。ふやふやなので参考になるかはわからないけど、なんかのきっかけになってくれたら嬉しいなって思う。
読んでくれてありがとう。
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