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夫婦関係の噛み合わなさが「5つの愛の言語」のアプローチで改善した話

「夫婦関係の噛み合わなさ」と聞くと、喧嘩が多く仲の悪い夫婦をイメージするかもしれませんが、私たちはめったに喧嘩はせず比較的穏やかな夫婦でした。
ただ、妊娠中から産後にかけての体調不良の時期に、私は相手の態度に悲しさや怒りを感じることが増えるようになりました。
それが積み重なり、日々のちょっとしたことがきっかけで感情が抑えられずイライラした態度を取ってしまうことが増え、夫婦の空気が悪くなってしまったのです。

ちなみに、厚生労働省の調査によると、子どもの年齢が0歳から2歳までに離婚した夫婦の割合は38.1%、3歳から5歳までを含めると、全体の59.1%に達します。
このデータからも、一般的に産後の時期は夫婦関係の危機が訪れやすいことがわかります。

私が不満に感じていた夫の態度

私が不満に思っていたことは大きく分けると以下の3つです。

  1. 私の話を聞かない
    「今日こんなことがあってね…」と話しても、夫の返事は「ふーん」で終わり。毎回これです。私の話に興味がないのかと感じてしまいます。

  2. 気遣い・関心がない態度
    つわりで私が嘔吐したり、産後の不調で痛みに苦しんでいるときも「大丈夫?」という気遣いの言葉は全く無し。
    また、夫に体調が辛いと訴えても、「うん…」と聞いてるのか聞いてないのかよく分からない反応で、夫は私に関心が無いのだと感じるようになりました。

  3. 自分の話をしない
    夫に「今日面白いことあった?」と聞いても「ない」で終了。
    私が提供する話題にも反応が薄く、相手の好きなことや興味を教えてくれないので、何を話していいか分からなくなります。
    この状態が続いたことで「私、この人のこと何も知らないな」と定期的に虚しさを感じるようになりました。

元気なときは「まあ、こういう人だし」と流せることも、体調不良が続くと「こんなに辛いのに何の関心も持ってもらえない、無視されている」と悲しみ、やがてそれが怒りへと変わっていきました。

「5つの愛の言語」との出会い

私の精神状態が限界に近づきつつあり、この状況を何とかできないかと思いネットで調べていた際に出会ったのがゲーリー・チャップマンの「5つの愛の言語」です。

この本では、愛の表現方法が5つの「言語」に分かれており、それぞれの人が主に使用する言語が異なると説明されています。

  1. 肯定的な言葉

  2. サービス行為

  3. 贈り物

  4. クオリティタイム

  5. 身体的なタッチ

私の愛の言語は何か

本を読んで、私の第一言語は「クオリティタイム」、特に「充実した会話」を方言に持っていると気づきました。
私は自分のことを周囲の人に話したがるタイプではないですが、好きな人には自己開示したいと感じます。
なので夫には他人には話せないことや取るに足らないことも何でも話していました。
それは、夫を信頼しているからであり、夫にも自己開示してほしいと強く思っているからです。
だから夫が自分のことを話してくれないと、私は信頼されていないのだと感じてしまい辛かったのです。

夫の愛の言語は何か?

私なりに夫の行動から、夫の愛の言語を予想してみました。

夫は毎食栄養バランスの取れた食事を用意し、家中の掃除や洗濯、ゴミ出しをしてくれます。
また、誕生日や記念日にはプレゼントを用意してくれ、結婚指輪も常に身につけています。
これらの行動を見ると、夫の愛の言語が「サービス行為」と「贈り物」である可能性が高いと感じました。

一方で、私は「サービス行為」も「贈り物」のどちらも愛を表す行動とは知らず、全く重要視していませんでした。

夫が家事を色々としてくれていることに関しては、「私には無関心なのに、なんでこんなに色々やってるんだろう?」と心の底から不思議に思っていました。

また、自分は誕生日やクリスマスにプレゼントを用意するのを忘れていて後から買って渡したり、また、そのまま渡さないこともしばしばでした。
記念日にも何も考えず別の予定を入れたり、結婚指輪も出産前に外してから存在を忘れている始末です。
婚約指輪に関しては「付けないから要らない」と、そもそも欲しがりもしませんでした。

書籍からの気付き:ノームとジーンのカップルの例

書籍の中では様々なカップルの話が紹介されています。
その中で一番印象に残ったのがノームとジーンのカップルのエピソードです。

ジーン(妻)
「夫から愛を全く感じません。仕事から帰宅するとテレビを観て、うとうとして、そのまま眠ってしまいます。二人の会話はまったくありません。
日曜は教会に行った後、友人と食事をしますが、その後は何もしゃべろうとはしません。
二人の間には何もありません。主人から何の愛も感じられないんです。温かさもなければ、感情もありません。空っぽです。死んだ関係なんです。あと何年これに耐えられるか、わかりません」

ノーム(夫)
「仕事の帰りは私のほうが早いんで、毎晩私が夕食の準備を始めています。一週間の内の四日は、家内が帰宅するまでにはほとんど夕食ができあがっています。残りの一日は外食です。それから、私の仕事で会議がある夜はやりませんが、週に三日は私が夕食の後片づけをします。家内は腰が悪いんで、家の掃除機かけも全部私がやります。それに家内は花粉症なんで、庭掃除も全部私がやります。乾燥機から出てきた洗濯物は全部私が畳みます」

ジーン(妻)
「先生、やってくれていることはありがたいんですが、私は主人に一緒にソファに腰かけてほしいんです。私に話しかけてほほしいんです。私たちは全然話をしないんですもの。」

愛を伝える5つの方法(Gary Chapman (著), ディフォーレスト千恵 (翻訳))

うちの話かと思いました。
ジーンは、夫からの愛を感じられず寂しさを抱えていましたが、ノームは「サービス行為」で愛を表現していたのです。
このエピソードから、私も夫の「サービス行為」を理解し、私も「サービス行為」で愛を示そうと思いました。

夫へのアプローチ

夫は「愛がどうの」といった話に積極的ではないので、この本を読んだことには触れず、私の気付きとこれからのことを伝えました。

  • 私は会話を重視し、自己開示が信頼の証だと思っていること

  • 夫は家事や育児を積極的にやることで、大切に思っていることを行動で示していたことを理解したこと

  • 無理をしなくていいが、お互いに少し意識して過ごしていきたいということ

夫は私とのこれまでの会話について、「必要なことは話していると思っていた」とのことでしたが、私の伝えた内容には理解を示してくれました。

その後の変化

日々の家事や育児、特別な日の贈り物で夫が「家族を大切に思う気持ち」を表していると理解できたことで、まず私の心がだんだんと落ち着いていきました。
また、夫も少しずつ私の話に興味持った態度を示すために努力しているような素振りを見せてくれるようになり、歩み寄りを感じています。
(だいぶ回りくどい言い方なのは、実際は恐らくそこまで興味は無いのだろうけどなるべく話そうとしているのだなと感じたということです)

とは言え、これですべてが解決したわけではありません。
再び私が体調を崩したとき、またしても「大丈夫?」の一言もなく、ついには「大丈夫?って聞いてほしい」とこちらからお願いしているにもかかわらず、夫は何も言わないままでした。
そんな夫の態度に私は「やっぱり私達の関係性は駄目なのかな」と虚しさを覚え、感情を無にして体の回復を待つだけの状態に陥っていました。
すると夫も何かを察したのか、体調を気遣う言葉も増え(もっと早く言ってくれ)、私の体調が回復するのと合わせて精神状態も良くなっていきました。
一時はダークな感情に支配されたものの、これまでの夫がまったく体調を気遣わなかったことを思えば、今回の話し合いが夫婦関係に良い影響を与えたのだと感じています。

これからも怒ったり悲しんだり喧嘩をしたりはあると思います。
でもこの経験を通じて、夫婦間での愛の言語の違いを理解し、改善するための一歩を踏み出せたことは、大きな成果だったと感じます。


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