2018-05-28-20:34

 外はとても明るい青だった。僕の部屋はまっくらで、近くになにが転がっているのかすらわからなかった。だから僕がいる場所はこの世界に存在しないのと一緒だった。
 僕はこの世界のどこにも存在しないところから外の世界を眺めている。ふしぎな感覚だ。冷静になって考えてみれば、自分というものの存在の不安を感じて発狂してしまうような状態におかれているのだと思う。でも今の僕はなぜかとても穏やかな気持ちだった。外の世界が手を伸ばせば届くところにあるからだろうか? でも僕は手を伸ばす気はさらさらなかった。この世界の外側から眺めているというこの感じは、僕にとてつもない安心感を与えてくれる。そうだ、たぶん僕は神になりたかったんだろう。

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久慈くじら
小魔術