関西/関東
七月だ。数字の「なな」はアラビア数字(7)でも漢数字(七)でもうつくしい形をしているから好きだし、「なな」とか「ひち」という音も好きだ。ところが、この「7」は「1」と混同することがあって、けっこう紛らわしい字だ。アラビア数字の見た目も似ているし、「ひち」という音も「いち」と似ている。だから時間を言うときはわざわざ「ななじ」と言わなくてはならなくて、その配慮が必要な数字という点でも、やはり「7」は特別である。
ところで、関西圏の我々は「7」の音は「ひち」であるが、どうも関東では「しち」と言うらしい。この問題は関西圏の人間、とりわけ京都の人間にとっては根深くて、「ひち」が正統だと言い張ることが多い。だって都が日本文化の中心だったから、発音も都が正統だ、とこういうわけだ。
放送・出版では江戸の言葉が中心となっている。標準語が江戸の言葉をもとにして作られているから当たり前なのだが、それが日本語としての標準だと思われては困る(京都人的な意味で)。
関西の人間にとって一番違和感があるのは、最近よく耳につくようになった「甘じょっぱい」という言葉である。関東では醤油の辛さと塩の辛さの区別がないのだな。塩であるか醤油であるかは料理にとって非常に重要な違いなので、醤油が使われているときはやはり「甘辛い」と言うべきである。みたらし団子とかを甘じょっぱいと言われると、関西の人間は、えっ、醤油使ってないん!? ってなるんですよ。
ところが、この「辛い」も曲者で、唐辛子の「辛さ」と塩・醤油の「辛さ」の区別がないのである。わはは。でも日本にはもともと唐辛子の辛さが存在していなかったから、そのことをあらわす言葉がないというのも当然かもしれない。でも唐辛子が入ってきてから時間がずいぶん経つのだから、新しい言葉がうまれてもいいのではないかと思うよね。
あと、関東の醤油は関西の醤油にくらべて塩辛すぎるので、しょっぱいと言いたくなるのはわかるけどね。
(めちゃくちゃなことを言うと、そんなに塩辛い醤油を使うなら、醤油じゃなくて塩を使っとけや醤油の風味なんてないやんけこのバカ舌が! と思う)
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