2018-06-23-20:20
大学に在籍していたとき教授に、文芸をよりよく読むために、英米では創作を学び、そして創作する、ということが一般的となっている、というようなことを聞いた憶えがある。たしかに小説を書く人間のほうが小説をよりよく読めると思うけど、でも僕はずっと小説を書いてきたので、むしろ小説を書いていない人間として小説を読んだことのほうがすくない。だから実感としてはわからないけど、小説を書かない人間の読みよりも、やはり自分の読みのほうがいいのではないか? と思うことのほうが多いので、そうではないかと思っていた。
そして、最近は作曲ということをはじめている。これもやっぱりおもしろい。まだ簡単な曲しか作れないけど、音楽がどうやって作られるのかそこそこわかってきた気はする。だから、今までなんとなくいいなと思っていた曲が、こういうことだからいいのか、と思えるようになってきた。だからやっぱり、なんらかの創作物をよりよく理解するためには、やはり実際に創作してみることは、とても大事なことだ。
ところで、人間が暇になってきたからなのかどうなのかは知らないけど、すべての人間がクリエイターの時代がやって来ているらしい(というのは冗談で、インターネットにより発表のハードルが下がり、それを指して一億総クリエイター時代と呼ばれているのは知っていてあえて無視している)。
ということで、たくさんのひとが創作しているから、創作物にたいしての批評的目線はやはり洗練されていくのだろうか? そうだったらいいなと思いつつ、ずいぶんネットでの創作活動というものが一般化してきた今、そういう実感はまったくないので、なんだか悲しみがやってくる。
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小魔術