2018-07-06-19:06

 これはまったく不思議なことじゃないんだけど、『西瓜糖の日々』が好きなひとは『灰羽連盟』も『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』も好きだし、『灰羽連盟』が好きなひとは『西瓜糖の日々』も『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』も好きだし、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が好きなひとは『西瓜糖の日々』も『灰羽連盟』も好きだ。
 こうやって円環構造になっているから、そういう雰囲気の世界が好きなのか? と問われると、たしかにそうかもしれないな、となる。でもこの作品たちは、それぞれにそれぞれのよさがあって、雰囲気だけの作品ではないことはこれらの作品に触れたひとたちならわかるだろう。
 僕はこれらの作品が大好きなので、僕の処女作が刊行されるとしたら、これらの作品に影響されたものが刊行されるに違いない。
 そうだ、一次選考の結果がそろそろ発表される。あの作品を賞に送り続けて何年になるのだろう? 今回送ったものは、文体をがらりと変えた。よくみる小説らしくした。本来は、もっと断片的な、空白と飛躍の多い作品になるはずだった。しかしそれだと賞を取るというわけにはいかないようだった。
 でも、もし普通の小説っぽく変更した今回のものが、まったく箸にも棒にもかからなかったらどうすればよいのだろう? そうしたら、どういう小説が賞を取れる小説なのかまったくわからなくなってしまう(というのはほとんど冗談で、もっとキャッチーな内容にすればいいだけのことだ)。

(ちなみに、「世界の終わり」ではなくて「世界の終り」だ。そこを間違えるひとはもぐりなので注意しよう。まあもぐりだからなんやねんという話ではあるけど)

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久慈くじら
小魔術